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「三木谷曲線」の脳科学的な実証データに基づく有効性(ついでに、ごく個人的なコミュニケーション能力についての気づき)

先週マネジメントと「ヒトのハック」について書いた。継続的に週報として心赴くままに本を取り上げて考えたことを書いていると自分の興味の在り処が明確になってきていて、

ブランディングも、タスク管理も、マネジメントも、さらには、なぜ生きるのか、から、自己肯定感まで、ヒトの本能や認知におけるクセを捉えて上手に利用する「ヒトのハック」が共通の土台になっているのかもしれない、という気づき。

その「ヒト」って、結局のところ「脳」のことだな、ということで思い出した本がこちら。

脳における良い習慣と悪い習慣を知って、悪い習慣をやめればパフォーマンスが上がる!という本

本書は、脳神経外科の医師で研究者でもある著者が、脳の働きを良くする習慣について、仕組みとともに紹介している本。

ちなみに、題名でもある「脳に悪い7つの習慣」はこちら

(1)「興味がない」と物事を避けることが多い
(2)「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
(3)言われたことをコツコツやる
(4)常に効率を考えている
(5)やりたくないのに我慢して勉強する
(6)スポーツや絵などの趣味がない
(7)めったに人をほめない

北島康介選手が世界記録を出す時に使った「脳の習慣」

せっかく何かのご縁で、しがないサラリーマンの書くしがないnoteにたどり着き、貴重なお時間を頂戴しているので、本書の中でも個人的に特にヒットなお役立ちポイントを冒頭に紹介して罪滅ぼしとしたい。それがこちら。

私は、脳のしくみにもとづいて、北京オリンピックの競泳チームに「いかにして勝つか」という観点でアドバイスした経験があります。
このときに選手たちに話したことの一つは、自己報酬神経群の働きから、「途中でゴールをゴールだと思った瞬間に、ただの選手になる」ということでした。本人は命がけで泳いでいるつもりでも、脳は「そろそろゴールだ」と思うと「もうがんばらなくていい」と判断してしまうのだということを説明したのです。
そこで私は「ゴールまでの最後の 10 メートルを、自分の“〝 マイゾーン”〟 であると思ってください。仲間になりたいという脳の本能を活かし、水と一体化するのです。そして、マイゾーンに入ったらこっちのもの、そこからぶっちぎりで引き離すから絶対に負けない、と考えましょう」とアドバイスしました。こうした考え方を導入することで、同じ地点にいても、「これでゴールだ」と思うのではなく「ここからが勝負だ」という意識をもつことができるというわけです。つまり、勝ち方に勝負をかけるのです。  選手たちは、私の話にとても真剣に耳を傾けてくれました。番組では私の講義に集中する北島康介選手の様子が紹介されましたが、北島選手はその2週間後に、世界記録を出したのです。

脳は、「だいたいてきた」と思うと、血流が落ちて、活動を落としてしまうことが医学的にも観察されている。そこで、ゴールに近づいた時に「だいたいできた」と思うのはNGで、ここからが勝負だ!と思うことでパフォーマンスを上げられるとのこと。

「三木谷曲線」は単なる精神論ではなかった!

このエピソードを聞いて思い出すのが、かの有名な「三木谷曲線」

楽天三木谷社長の著書に「三木谷曲線」というのが出てきます。最後の0.5%の粘りが大半の結果の差を産み出してしまうというグラフです。99.5%まで仕事をする人はいくらでもいるので差がつかないのです。引用元:兼務の解除 | 渋谷ではたらく社長のアメブロ https://ameblo.jp/shibuya/entry-11223116210.html

この「三木谷曲線」をはじめて聞いた時、「うわっ、体育会系の精神論や、、」とついつい拒絶反応を示してしまいましたが、科学的にも証明されていて脳の血流の話まで出てくると途端に納得してしまうのが私という生き物。

脳に悪い習慣を知って、克服していくことでパフォーマンスを高める!

本書には、これ以外にも、数多くの良い習慣、悪い習慣が書かれているので、興味を持った方はぜひ読んでみてください。

人間の根っこには、こういう本能とクセがある、という理解に基づくことで、いろんなことに応用が効いてくると思います。

脳神経細胞がもつ本能は、たった3つです。「 生きたい」「 知りたい」「 仲間になりたい」
神経細胞が集まって脳組織を構成し、好きとか、理解するなどといった機能を生み出しますが、この機能を守るために第2段階の本能が生まれます。それが、「 自己保存」と「 統一・一貫性」という2つのクセです。

ちなみに、巻末には、以下のようなチェックリストもついてます。

ここからは自分なりの考察というか雑談を展開します

しっかりとお役立ち情報を提供したところで、全然違う話をしていきたい。ここからは私個人の発する戯言になっていくので、あんまりお役立ち情報はありません!ぜひ以下のリンクからKINDLE版の本書を買って、そのままスマホのキンドルアプリで読んだほうが有益な時間がすごせると思います。

普通に読むと、自分の悪い習慣を見直し、よい習慣を取り入れて行こうと思うはず。

本書を普通に読むと、書かれている悪い習慣を見直し、よい習慣を取り入れて行く、というように、自分自身の習慣改善に取り入れていく、という方向性で本書を生かしていこうとするはず。これが普通の読み方だと思う。

なのに、本書を知ったのは会社のマネジメント研修

実は、本書を知ったきっかけは社内の管理職向けのマネジメント研修。この本を「コミュニケーションスキル」に関する理解を深めるための参考書籍として紹介された。

コミュニケーションスキルがないとキャリアは止まる

その研修では、弊社管理職に対し、講師でもあった当時の取締役が「コミュニケーションスキルがないとキャリアは止まる」と明言していたのが、印象的というか個人的には痛いところを刺してくるな、、と、痛かった記憶があって。それもあって本書をその場で買って読んだけど、ライフハック的な印象で残ってしまっていて、ホント本の記憶って適当だなって。

コミュニケーションの観点における本書のキモ

すべての情報には、感情のレッテルがついている、ということ。

五感で受け取った情報は、それを「理解」する前頭前野、そこからさらに「思考」や「心」を生む「ダイナミック・センターコア」内でぐるぐるとくり返しまわります。そして、脳内で考えるしくみが働く前に、脳内情報は必ずA 10 神経群を通り、「好きだ」「嫌いだ」「感動した」といったレッテルを付加されます。つまり、人間の脳が理解したり、思考したりして記憶する情報は、すべて感情のレッテルがついたものなのです。  

何を伝えるか、という内容、コンテンツとしてのファクトなんてものは、純粋な形では存在しなくて、ファクトに感情のレッテルがついてものでのみコミュニケーションはなされる。

自分の言ってることも、どんなにファクトだと思っていても感情くっついてるし、相手の言ってることも、感情のくっついているファクトらしきもの。

こういう理解の前提に立つと、コミュニケーションのコンテンツ自体のみならず、どういう感情のレッテルがついていて、その感情のレッテルは、相手や自分のどんな価値観や美学や正義などなどによって貼られているのか、その裏にある事情は何なのか、こういうことに思いを巡らせられるか、ということがコミュニケーション能力なんだというのが、コミュ障として40年近く生きている私なりの理解。

コミュニケーション能力とは「相手へのことをひたすら深く知ろうという姿勢」

先週、自分の中で「日本三大コミュニケーションスキルの高い人」のうちの1人と数年ぶりにランチをする機会があったんだけど、その人がふと口にしたのが「ひとつのことに、他の人よりも2回くらい多くGoogleで検索してると思う」と。

好奇心が強くて、対象に向かっている興味が他人よりも深い。そのランチの親子丼がとっても美味しかったんだけど、お会計に来た店員に「おいしかったです、どうやって作るんですか?」って作り方聞いてて。普通聞くか?

こういうところからも、興味の強さが垣間見えてすごいな、と。

本書にこんな記述があって、

生まれてきたばかりの赤ちゃんの脳が、情報の伝導路を形成するのに、きっかけになるものがあります。それは、お母さんへの「興味」です。  
自分の身近にいて、自分を守り愛情をかけてくれるお母さんという存在──それについて知りたいという「興味」をもつことが、人間の脳を発達させていくのです。つまり、人間の脳にとっては「興味をもつこと」こそが、すべての始まりなのです。

思えば、コミュニケーションスキルの高い人って、人間という生き物そのものに対する興味を持ってる姿勢が共通点としてあって、だから誰に対してでも興味を持って接することができる、その興味がコミュニケーション能力の源泉になっているのかも。

ユーザー調査をしている時の自分はコミュニケーション能力高かったかも、という気付き

マーケティングの仕事でユーザー調査のモデレータをのべ数百人くらいやっていた経験があって。今振り返ると、その時の自分の態度こそ、コミュニケーションスキルが高い人の姿勢に近いのかも、という気付きがあったのでシェア。

仮説は持っているけど、簡単には決めつけず、相手の発言やそれに至る行動を観察して、フラットに「なぜ?」を聴くことで、相手の行動原理やその背景にある状況や目的、価値観なんかをひたすら深く、探っていく。

この時のモードは、どうすればこの人はクライアントの商品をユーザーが買ってくれるようになるか、という強い興味を持って対峙している。この姿勢で向かうと、コミュニケーションスキルを高められるのかもしれない。

昔、アパレルのプロジェクトをしていた時、お食事会で出会う女性に好きな洋服のブランドや読んでる雑誌とかひたすら聴きまくってたけど、嫌がられるどころか、過去最高にうまくコミュニケーション取れてたかも、という黒歴史。

さておき、興味を強く持つことが、コミュニケーションのみならず、人間としての成長のすべての起点なのかもしれない。

年を重ねても好奇心を失わずに生きていけるか、というのはとっても大事なことだと改めて気づけた。

毎週、note書いてます

このnoteは基本的にはPCとスマホを併用して書いていて。特に、本の図解を引用するときは、スマホでスクショとったのをそのまま挿入するために、スマホから編集するんだけども、その時に、noteのアプリから入ったら、こっちの認識では上書き保存してないのに、なぜか先祖返りして、まるまる40分くらいの作業分が消えて、ほんとやるせない。もう一度書き直すモチベーションが湧いてこないので、とりあえず先に編集後記的なここを先に書いて、心を落ちつていている。ちきしょーーー。noteのアプリは読む用中心に使ってたんだけども、まぎらわしので消しました。二度と使いません。

毎週書いて公開するという自分の中のルールがなければ、心折れて今日はもういいや、って感じになるわけだけども、自分で作ったルールは守りたいという謎の責任感により、なんとか続けようという気持ちを奮い立たせているところです。

全体的に、いつもよりもさらに文体が荒れているのはそのせいです。最初のバージョンはこの10倍は丁寧に書いていた。なけるぜ。



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