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苦しかったときの話をしようか ~ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」~ がめっちゃよかった!という話

この春から、娘が小学校に通い始めた。

今まで、自分の住んでいるマンションのエレベーターすら、ひとりで乗ったことがなく、テレビ番組の「はじめてのおつかい」を観たときも自分より年下の子がひとりでおつかいする姿をみて「ぜったいできない。むりー。」と落ち込んで不安がっていた。

小心者で臆病なところがある娘。両親ともにそんな感じの性格なので案の定、という感じだし、不安な気持ちがわかってしまいすぎるところもあり、無理はさせず、ちょっと過保護に育て過ぎてしまったかもしれない、学校に行けるようになるまで一苦労あるのではないか、と心配していた。

迎えた登校初日、一緒にエレベーターに乗り、集合場所のマンションのエントランスまで連れていく。前日学校に張り出されていた娘が所属する登校班の班長の6年生を探し出し預ける。

娘にとって、小学校は未知の世界。入学式で把握した自分の教室と座席以外、ほとんど何もわからない。上着はどこにかければよいのか、トイレはどこにあるのか。同じ幼稚園の子もクラスにほとんどいなくて、頼りにする友達もいない。ここまで全く未知の世界に飛び込むことなんて、自分の人生を振り返ってもそうそうない。本当に不安でいっぱいのはず。

そんなことを考えていると、すぐに定刻の8時になり、全員集まったらしく、あわただしく出発する。娘は班長の6年生のあとを必死について歩きながら学校に向かっていく。その姿を見送りながら、(隠し撮りもしながら、)未知なる世界に、勇気を振り絞って飛び込んでいく姿に、感動し、刺激を受けた。

今週からは、エントランスまで見送らなくても、ひとりで玄関を出て、自分で班長を探して、学校に行けるようになった。新しい友達もできたらしく、3人で手をつないで楽しそうに走って帰ってきているとのこと。(先生に「走らない」と大きな声で注意をうけつつ。)この2週間で見違えるほどの成長。

「挑戦しなければ、成長はない」

自分を顧みると、40歳も目前に社会人にもすっかり慣れてしまっている。できることばかりやっていないか。未知なる世界に勇気を持って挑戦しているのか、自分の世界を広げようとしているのか、飛び込んでいるのか。

そんなことを思っていた時のこと、Twitterでこんな本を知る。本日(4/11)発売とのこと。

森岡さんの出した本はもちろんすべて買って、何度も読んでいる。そんな森岡さんが、自分の娘に向けて書いた原稿をまとめたキャリアの本とのこと。今年は新たなビジネス書は買わずに過去読んだ中で良かった本を深く読む、という自分に課したルールを破ってでも、すぐに買って読まねばと。

結論から言うと、めちゃおすすめ。まだ読んでない人は、すぐ買って読んだほうがよい。見える世界(パースペクティブ)が変わる人も多いと思う。そしてその変化は1日でも早いほうがよい。これまでの森岡さんの本も相当によいけど、この本は別格。

学者でもなく、評論家でもなく、マーケターでもなく、私は父親としてそれらの原稿を書いた。 ビジネスの最前線で生きてきた実務家としての私ならではの視点を、子供の成功を願う父親の執念で書き出したのだ。 その生々しさこそが本書のレアな〝特徴〟だと信じることにした。

そう、この本全体に貫かれている、執念がすごい。濃すぎる。文章自体は、とてもわかりやすく書かれているので、流し読みしても内容は入ってくるのだけど、内容が濃すぎて消化が追いつかない感じ。薄めれば一章こと、なんなら一節ごとに一冊の本にしても成立するくらい濃い。

書いてあることの本質は、「はじめに」に書いてあるこの部分になる。

己の〝特徴〟を知ること、特徴を強みとして発揮できる〝文脈〟を見つけること、そして〝強み〟を徹底的に伸ばすこと、それらがなぜ重要なのかを私の子供たちに理解させるために、具体的に解説している。

中途半端に私による引用、解説を読むより、本書をそのまま読んだほうがよいと思うので、アマゾンの内容紹介だけして、あとはもう本書の内容にはふれません。毎週のように、本書の一番よいところを選んでコメント入れたりするのは控えます。今すぐ買って読むべきと思う。

https://amzn.to/2Po2lUY

内容紹介
「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」と悩むあなたに贈る必勝ノウハウ。
悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる!
USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。
後半の怒涛の展開で激しい感動に巻き込む10年に1冊の傑作ビジネス書!
著者について
戦略家・マーケター。
高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイディアを生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建した。
1972年生まれ、神戸大学経営学部卒。
1996年、P&G入社。日本ウィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネジャー、ウェラジャパン副代表等を経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったUSJをV字回復させる。
2012年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。2017年にUSJを退社し、マーケティング精鋭集団「刀」を設立。
「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、数々のプロジェクトを推進。USJ時代に断念した沖縄テーマパーク構想に再び着手し注目を集める。
著書に『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』『確率思考の戦略論』(いずれもKADOKAWA)など。

20歳の時の自分では、この本をきちんと読めなかったかもしれない

今週はこの本を紹介できただけで、十分役割を果たしたと思うので、これで終わりにしたいのだけど、一応蛇足を。

本書を誰に読ませたいかと言えば、まあ、間違いなく、後に就職活動で大苦戦して人生のトラウマを抱えることになる、当時大学3年だった2000年の夏の自分。だけど、じゃあ、当時の自分が本書を読んで、ちゃんと理解して行動に移せるかと考えると、どうも無理筋な気がする。本書は著者が自分の娘に書いたものなので、当時のバカすぎる自分と著者の娘さんの聡明さのギャップがすごいんだ、きっと。

本書に何度も出てくるキーワードでもある「パースペクティブ(本人が認識できる世界)」

当時の自分のパースペクティブがあまりに狭く、自分の都合のよいものしか認識できなかったか、ということに尽きる。

自分の中にある自己保存の本能(楽で安心安全な方向へ行きたがる心理)に忠実で、勇気が足りない、臆病で不安の強い自分が、この主張を読んだら、いろんなことを自己保存の本能に都合のよい解釈をしてしまい、自分を楽な方に動かす正当化に使ってしまい、痛い結果になることは想像に難くない。

己の〝特徴〟を知ること、特徴を強みとして発揮できる〝文脈〟を見つけること、そして〝強み〟を徹底的に伸ばすこと、それらがなぜ重要なのかを私の子供たちに理解させるために、具体的に解説している。

そんな自分にあえて、補足するなら、

特徴を発揮することと、ストレスが少ないことを混ぜてはいけない。特徴が発揮できるか、という軸と、ストレスがかかりそうか、不安か、という2軸のマトリクスを作って、特徴が発揮できる、かつストレスがかかりそうで不安、という領域の行動をとらなければ成長はない。

これを、おそらく当時の自分は、(もしくは今の自分も)読み違えて、特徴を強みとして発揮できる環境は自分にとって不安やストレスの少ない環境である、と認識してしまい、自らぬるま湯に進んでいってしまか、もしくは、変にストイックなスイッチが入って、特徴が発揮できない、かつ不安な環境に飛び込んで弱点克服しようとしがち。本書にはちゃんと何度も書いてあるんだけど、そこまで読めないだろうなと。

そもそも、社会人として、人間としてのパースペクティブが狭すぎるので、興味ないと決めつけてめんどくさそうなイベント避けたり、割が悪いと飲食店や社会に触れるアルバイトしないで家庭教師ばっかりやったり、気心知れた内輪の人だけわかってくれればいい、じゃなくって、世の中をもう少し知るような行動を選んでいかないと、もっと失敗しないと、恥かかないと、パースペクティブ広がんないし、そこから一気に就職活動で一発勝負しようとするのは愚策。言い訳せずに、ブラック気味なネットベンチャーあたりでバイトしてこいと、切実に思う。が、きっと無理だわ、やっぱ一回トラウマレベルで就職活動失敗しろ。それしかない。

毎週、note書いてます

前半の娘の話で伏線はっといて、後半回収するつもりで書き始めたんだけど、力不足で、結局、昔の自分の話して終わってしまった。今回は制限時間が2時間だったこともあり、まだまだ修行が必要。もうちょっと上手くかけるようになりたい。



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