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義父(舅)はお酒が好きな人だった。 しかも、飲み方がとてもきれいな人。昔はお酒でよく失敗し…
InstagramやWEARでフォローしている好みのファッションのアカウントの方たちは、いつのまにか…
ドラッグストアに入ると、初老の男が店員に向かって怒鳴っている。大きな声なので聞き耳を立て…
ある週末のこと。妻のママ友が生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、家に遊びに来てくれました。…
朝、水やりをしていたら見知らぬ初老の男性が近づいて来て、「悪いね」とわたしに声をかけ、50…
小さい頃からおばあちゃん子で、鍋に菜を入れたり庭仕事をしたりする祖母のかたわらに、私はい…
十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人。 多くの人には、人生で「ただの人」になるときというものが訪れる。きっとどんな人にもいつかは訪れるであろうそれは、しかし気づくと既に過ぎた後であることも多い。私自身、かつて最強で無敵だった(と信じていた)時期はとうに過ぎ、今ではキラキラした何かを失ったままただの人として日々を生きている。 神に近しい存在がただの人になる瞬間が顕著に見られるのは、芸能人が結婚するときや引退するときに多いように思う。 不特定多数に向けられていたファン
私は冷凍ケースの前でしばし立ち止まる。 「ノベルティアイスクリーム全品半額 ※プレミアム…
あれは私が小学生の頃の話。学年でいえばおそらく二年生くらいだったんじゃないだろうか。昭和…
人と会う機会が減り、音楽に酔いしれる夜が一段とふえた。歌詞と音に没頭して、ちょっとだけほ…
昨日、広沢タダシさんとKa-Na(植村花菜)さんのライブ&トークショーが開かれました。 ぼく…
母に傘を贈った。 小学校の先生の母は、今年で先生を終える。 小さな島で先生をしていた母と…
短い雑記。今日も今日とて時間があっという間に溶けていく。なんなんだ。僕は時間を食べ、ヤギ…
「欠けちゃった」 彼女はそう言って、少しだけ微笑んだ。 手に持った皿は逆さまで、最後の一滴が裏返しの絨毯に滲んだ。 「なにが?」 「お月さま」 ぼくは割れた窓の先に目を向けた。 夜が泳いでいた。 薄い雲の一つ一つが魚のように流れ、檸檬のような形になった月に集まっていくのを幻視した。 月の光はこの部屋を淡く浮き出たせている。 その穏やかな充満がこの部屋にはあった。 「嬉しいの?」 「ううん」 だらりと伸びた彼女の腕はひどく細くて、指先は糸のように力なかった。 「