山桜桃 えみ

東北育ちの都内OLです。短歌とエッセイ、たまに短編小説。Twitterはこちら→@ewis_0411_note

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    みなさんとつくりあげるおうち旅行、まとめていきます!

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    私の、あるいは誰かの日記。 essayez d'écrire des essais de fictions et non-fictions

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    創作した小説たち。フィクションも、ノンフィクションも。

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    現代短歌、はじめました。まだまだ初心者です。

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    定期的なインプットとアウトプット。2020年の目標です。

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引越しました

 noteを見に来てくれた方、ありがとう。  はてブロを開設しました。今後はこちらを更新していく予定です。noteの記事も少しずつ移しています。  アンダーグラウンドなインターネット育ちなので、いいねもPV数も気にしないお部屋が欲しくなって作りました。だから内容はプライベート感強め。思ったことをそのまま吐き出しているので文章構成もめちゃくちゃですが、私の日々の記録として。  ふと思い出したときに覗いてくれたらうれしいです。

    • 幸せを願う相手がいること

       友人の結婚式に出席した。これまで、仕事や天候が原因で仲のいい友人達の式にことごとく参加できず、そのうちにコロナ渦になってしまったので、実はこれが初めてだった。  本当に幸せな時間だった。先月、自身の結婚式を挙げた時にたくさんの人から「素敵な時間をありがとう」と言われて、こちらこそ来てくれてありがとうと思っていたのだけれど、参加する側になってその言葉が心からのものであることを知った。  大好きな人が幸せであること。その場に自分が居合わせていること。おめでとうもありがとうも

      • 結婚相手にビビッとこない

        ね、やっぱりビビッときたの?プロポーズ受けるとき。 婚約してから、何度かそんな質問を受けた。答えはNOだ。特に決定的な決め手があったわけでもなく、それでも他の人とこうなる選択肢が過ったわけでもなく、私はそれを承諾した。 異性との付き合いにおいて、「知人・友人のフェーズ」「恋人のフェーズ」「結婚相手のフェーズ」があるとしたら、このうち2つめと3つめの間の壁が厚いのだろうと思う。結婚相手に「ビビッと」を求める友人は。 それは当然のことだ。結婚すれば多くの女性は姓が変わり相手

        • 郵便局はいつもやさしい

          郵便局の空気が好きだ。 休日や夜を知らない郵便局の窓口は、昼下がりの街の穏やかさを正しく反映していて、地元の空気を思い出させる。オフィス街にある郵便局はもう少し忙しないかもしれないが、住宅街にあるそこに流れる時間はとてもやさしく、ゆるやかだ。 子どもを抱えて手続きを済ませるお母さん。 通帳を片手にATMの操作方法を教わるおじいさん。 有給をとらないと訪れることのできない限定的な営業時間に、OLとしての私はたびたび愚痴をこぼす。それでもこうして実際に訪れると、たまには休む

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          余暇と風の匂い

          目が覚めたら外は薄ぼんやり明るかった。雨が降っているのかと思えばそうでもないようで、窓を開ければ気持ちよいすずしさの風が部屋に吹き込んできた。 さむいさむいと泣きそうになる季節はそろそろ終わりらしい。家に誰もいないのをいいことに、キャミソール一枚でしばらく布団の上で過ごしている。今日の風はなんとなく懐かしいすずしさで、だけど私はこれをうまくことばにすることができない。 教育熱心な家庭で育ったので、月曜はピアノ、火曜はそろばん、水曜は英会話と日々忙しなく過ごしていた。とは言

          余暇と風の匂い

          ワンナイト・ジントニック

          キスもセックスもない、文字通りのワンナイト・ラブをしたことがある。 22歳の5月、金沢。空は快晴で、もう初夏と呼べるくらいの暖かさだった。スマホを取り出して、メッセージを打ち込む。 「金沢つきました」 送信先は、かつて恋にも満たない憧れを抱いていた相手。私たちは、8年ぶりに再会を果たそうとしていた。 先生と知り合ったのは、中2の時に通っていた塾だった。大人で(と言っても当時19歳だったので実は未成年だった)、背が高くて、勉強ができる。かっこいいお兄さんに好かれたくて

          ワンナイト・ジントニック

          トラウマのふりした自我に気づいてしまった

          地震が起こった時に、心臓がどくどくとして、泣きたい気持ちになる。症状が起こり始めたのは、東日本大地震を経験してから2年が経ち、私が上京してからのことだった。 大震災が起こってすぐの頃は、余震が起こっても、周囲が驚くほどに冷静だった。電車に1時間弱閉じ込められた時も、ただ本を読んで時間をつぶしていた。家族への連絡を忘れており、心配した母から後で注意された。友人は余震が怖くてひとりで留守番ができなくなったと言っていたが、私はそんなこともなかった。地震が来たらただ冷静にドアを開け

          トラウマのふりした自我に気づいてしまった

          あまい卵もわるくないなって思ったんだ

          生きているうちにたった一度、あるかないかくらいであろう改元の瞬間を、2人きりで過ごした。本州最北端の県の、ホテルの一室で。 居酒屋でばら焼きを食べながら「平成最後のご飯だね」なんて話した。それから部屋に戻って、テレビをつけて、カウントダウン。まるでお正月みたいだった。 なんとなく、そこに私の家族がいないことに違和感を覚えた。家族以外の人と年を越したことがないからかもしれない。人生の大事な瞬間は家族と迎えるものだった。これまでずっと。 それから一年半。簡単には地元に帰れな

          あまい卵もわるくないなって思ったんだ

          嘘が上手な女の子

          沙希は咄嗟に嘘をつくのが上手い。 たとえば、「沙希ちゃんって彼氏いるの?」と誰かに尋ねられた時、「いる」と「いない」以外の答えを何通りも、沙希は持っている。二択の答えしか持たず、それも真実しか言えない馬鹿正直な僕とは正反対だ。そう僕が言えば「嘘をつけないのが紘のいいところだよ」と沙希は笑った。けれど今にして思えば、それも彼女の得意な咄嗟の嘘だったのかもしれない。 沙希は僕の世界から、たびたびいなくなる。 SNSでいつでも繋がることのできる現代に出会った僕達は、それ以外に

          嘘が上手な女の子

          【お礼&募集】31文字のお守り企画について

          D'amulette de 31 lettres ~31文字のお守り~ という企画を始めてもうすぐ2か月になります。 仲のいいフォロワーさんに始まり、最近ははじめましての方や、短歌にあまり触れることのない友人からも依頼のご連絡をいただくようになり、うれしい限りです。今は12人目の依頼者の方へのお守りを考えています。 今日はそんな企画を進める中で感じたことを忘れないように、記しておこうと思います。 ・・・ もともと、この企画は木下さんの「あなたのための短歌」というサービス

          【お礼&募集】31文字のお守り企画について

          虚空へ手を伸ばす

          2020年12月21日(月) 冬至 黒板にチョークを走らせる。頭の中で数式を解きながら、手は次の数式を組み立てる。誰もが無言の教室で、彼と私のチョークが黒板に打ちつける音だけが響いている。刹那、彼が声を上げた。 「あ、こういうことか!」 え、待ってよ。私まだ理解できてない。手は止まり、私は必死で最後に書き出した数式とにらめっこする。ああもう。早く。悔しい、悔しい、悔しい! そこで目が覚めた。 高校を卒業してもう何年も経つというのに、未だにこうして勉強している夢を見

          虚空へ手を伸ばす

          電話越しに教室を思い出した夜

          2020年11月15日(日) 秋晴れ 高校の頃の担任の先生と電話をした。3年連続で担任を受け持ってくれた先生だが、卒業の時に連絡先を聞いていなかったので、地元の友達に番号を教えてもらった。声を聞くのは4年ぶりだった。 「久しぶり。東京も大変でしょう」 互いの近況を軽く話し、「きっとこの先ウィルスがなくなることはないから、どう付き合っていくかを考えないといけないんでしょうね」と話した。先生は「本当にそうだよね」と同意してくれた。 ・・・ 先生の授業で覚えていることはい

          電話越しに教室を思い出した夜

          喪失を抱えて生きる

          2020年11月4日(水) 木枯らし1号、晴れ 職場から家へと向かう電車が物凄い速さで以前の最寄り駅を通過するたび、もうここは私の住む街ではないのだと実感する。人は呆気なく街を裏切り、街もまた呆気なく人を忘れる。1日でも練習をさぼると指は動いてくれなくなるのよ、とかつてピアノの先生が言っていたことを思い出した。 捨ててきたものの多い人生だったように思う。 人より不器用な私は人より長く、多く練習を積む必要があり、そうして向き合ってきたものたちはいつしか自身を構成するものの

          喪失を抱えて生きる

          【募集】あなたに短歌を贈らせてください

          木下龍也さんに詠んでいただいた短歌がうれしかったので、自分でも挑戦してみることにした。 許可をとったわけではないが、そもそも木下さんの短歌も枡野浩一さんの「名前短歌」を参考にしたものらしい。というわけで、枡野さん、木下さん、参考にさせていただきます。 とはいえ私はまだまだ素人なので、売るわけではありません。自分のスキルアップのためにも、「プレゼントさせていただく」というかたちをとりたいと思っています。 概要は以下の通りです。 ■D'amulette de 31 let

          【募集】あなたに短歌を贈らせてください

          わたしのための短歌という宝物

          たったの31文字。それでも、そこにどんな文字を並べるかでそれは誰かにとって一生の宝物になり得たりする。 木下龍也さんの「あなたのための短歌」を購入した。夜更かししていたらたまたま販売開始のツイートを見かけ、それでも決して安くはない値段に購入を迷っていたところ、「残り1点」という表示が出てきてえいっと勢いで購入してしまった。エピソードを送るとそれについて詠んでくれるというので、何について詠んでもらうか考えながらその日は一旦眠りについた。 自分が尊敬する歌人の方に、自分だけの

          わたしのための短歌という宝物

          きみが濡れないように【短歌連作 vol.4】

          1本をさして1本を手に持ち きみを迎えに雨降る駅へ 今頃は横浜のあたりだろうか きみが電車に忘れた傘は 「叱らないよ ちゃんと反省してるから」母のことばをふと思い出す ねえ、そんな落ち込まなくて大丈夫 また同じ傘買ってあげるね 週末は2人で買い物に行こう 来週きみが濡れないように ・・・ 私の実家は教育熱心な家庭でしたが、成績が思うように振るわなかったとき、母は決して私を叱りませんでした。 母曰く、「えみがちゃんと後悔と反省をしているからこれ以上叱る必要はな

          きみが濡れないように【短歌連作 vol.4】