脚本家・今井雅子(clubhouse朗読 #膝枕リレー)

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脚本家・今井雅子(clubhouse朗読 #膝枕リレー)

clubhouseでの朗読どうぞ作品の他メディアでの使用についてはご相談ください。 https://lit.link/masakoimai

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最近の記事

ダリみたいなタッパーに需要はあるだろうか

「みんなのフォトギャラリー」で需要がありそうな写真をカメラロールから見繕って上げるシリーズ。「枝豆に需要はあるだろうか」「同じのいっぱいに需要はあるだろうか」「紙魚に食べられた紙に需要はあるだろうか」 に続いて、第4弾。 虫食いだらけのメモの写真が使われましたという通知が早速2件届いた。 需要、あるみたい。 気を良くして、ライバルが少なそうなレアな写真を探してみる。 これ、どうだろう。 原型が何だかわからないほど崩れているが、元はタッパーだった。フタをしたままチンで

    • 紙魚に食べられた紙に需要はあるだろうか

      「みんなのフォトギャラリー」で需要がありそうな写真をカメラロールから見繕って上げるシリーズ。「枝豆に需要はあるだろうか」「同じのいっぱいに需要はあるだろうか」に続いて、第3弾。 今回は「これは持っている人少ないのでは?」なレアな写真を。 パッと見て、何だかわからない人が多いことにわたしが驚く。 パンチャーで穴を開けたようにも見えるらしい。 「紙魚に食べられたんです」と言っても 「シミ?」とキョトンとされる。 紙の魚と書いて、紙魚。 小さくて、クネクネ動いて、すばし

      • 柳生博さんと「Happiness is......」

        先月放送されたFMシアター「アシカを待つあした」。ラジオドラマと海からの連想で、随分前に作ったFMシアター「夢の波間」のことを思い出していた。 古文書からラジオドラマ放送は2003年6月14日。21年前だ。 大阪に帰省した折、母と話していて思いついた話だ。 古文書(こもんじょ)の研究会に入っていた母が取り組んでいたのが、廻船問屋(海運会社と商社がひとつになったようなもの)の記録だった。 「何月何日に何をどんだけ積んだ船がどこへ向かったか、きっちり記録してあるねん」

        • 「おかあさんのことをスタッフだとおもえ」と神様に言われている

          「『おかあさんのことをスタッフだとおもえ』とかみさまにいわれている」と娘が言ったのは、小学2年生の春のことだった。 日記によると、わたしの物言いが気に入らなかったらしい。何と言ったかは記していないが、お風呂上がりの出来事だったと書いてある。「早く服を着ないと風邪引くよ」とでも言ったのだろうか。 「そんなこというの、あずかってるこどもにしつれいだよ」 と娘が言い返し、面食らった。 「預かってる子に失礼」とは⁉︎ 「預かってる子じゃなくて、うちの子でしょ」 と、こちらも言

        ダリみたいなタッパーに需要はあるだろうか

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        • 短編小説「膝枕」と派生作品
          241本
        • こんなことしてます脚本家
          15本
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        記事

          メイク・ア・ウィッシュの大野さん

          「メイク・ア・ウィッシュの大野さん」の名前を立て続けに見た。 1回目は週刊文春で。 2回目は朝日新聞で。 名前を目にした瞬間、「メイク・ア・ウィッシュの大野さん!」と驚きと懐かしさで声が出た。 「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン(Make a Wish of Japan)の大野寿子さん」とは小さなご縁がある。 アンパンマンとピカチュウとウルトラマンとハム太郎とドラえもんわたしが勤めていた広告代理店マッキャン・エリクソンがメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパ

          メイク・ア・ウィッシュの大野さん

          「VVって何?」の先にNO MORE HIROSHIMA

          ろう者の長谷川翔平さんと那須映里さんの手話演劇ユニット「ニューバシ」の第2回公演「オワリ〼」を6月に観た。 「手話が不自由な人」への情報保障第1回公演「ふたり」のプロットを那須映里さんが思いついたのが、わたしが講師をしていた脚本講座の帰りの電車の中だった。「挙式当日、花嫁が目を覚ますと元カレと手錠でつながれていた」という発想が秀逸だった。いくつかアドバイスしたが、ろう者あるあるが盛り込まれ、本番は想像のはるか上を行く面白さだった。 手錠でつながったままトイレに行かなくては

          学生コピーライターが書いた「学問のスルメ」

          今を去ること30年あまり前、学生だったわたしはコピーライターになった。 先輩からのスカウト当時わたしは月刊公募ガイドで募集している標語や川柳にせっせと応募しては賞金や参加賞のテレホンカードを稼いでいた。 「僕が講師している塾のチラシ書けへん?」 ある日、野球部のハセガワ先輩にスカウトされた。 ハセガワ先輩は小学校から大学までずっと先輩で、先輩がいた野球部とわたしがいた応援団は交流があったので、気にかけてくれていた。 「アメリカ人が日本語で村上春樹を読むのにつきあう」

          学生コピーライターが書いた「学問のスルメ」

          彼と彼女の屋上庭園

          屋上庭園は雨に濡れていた 誰もいないねと彼が言う 誰もいないねと彼女が言う ひとつの傘を分け合って ふたりは肩を寄せ合っている 雨が打ちつけるウッドデッキを 歩く足元に水が跳ねる ソファと呼ぶのかベッドと呼ぶのか スプリングマットを4つ 田んぼの「田」の字の形に並べたものが デンと置かれて雨に濡れている 座っちゃう?と彼女がおどける 座っちゃう?と彼は戸惑う 結局ふたりは座らなかった ソファみたいなベッドみたいな 田の字のマットの前を通り過ぎた  と思ったら 彼女

          同じのいっぱいに需要はあるだろうか

          noteの「みんなのフォトギャラリー」で画像を提供する側にもなってみようと思い立ち、これまでに公開した記事で使った画像をいくつか登録した。 さらに、《「みんなのフォトギャラリー」に登録する画像を上げるためのnote》を書いた。 それがこちら。 枝豆にタイトルをつけるつもりで夏といえばビールに枝豆。画像でも需要はあるのではと思ったのだが、「みんなのフォトギャラリー」にはすでに十分な「枝豆」の在庫があった。 でも、ハッシュタグのつけ方で、見つけられやすくなるかも。 例え

          同じのいっぱいに需要はあるだろうか

          じんわり笑える話は賞味期限が長いのか

          コピーライターになりたての頃、「頭のテープレコーダーを回せ」と教えられた。 今ならスマホのボイスメモ。収集した会話を録音したり書き留めたりしていたのが、コピー以上に脚本作りに役立っている。 時を経ても覚えているのは、どっと笑いが沸く爆笑話ではなく、穏やかな温度と口当たりの話。しみじみ、じんわり味わえる遠赤外線系エピソードのほうがネタとしての賞味期限が長い気がする。 数十年熟成ものコピーライターなりたての新入社員時代から書き留めていたものをピックアップ。20年から30年熟

          じんわり笑える話は賞味期限が長いのか

          たとえば枝豆に需要はあるだろうか

          お借りしておしゃべりしてnoteの「みんなのフォトギャラリー」から時々タイトル画像をお借りしている。 画像には持ち主の方のnoteのアドレスが組み込まれていて、ページに飛べるようになっているのだが、最近は本文の中でも持ち主さんを紹介し、お礼を伝えるようにしている。 先日、学校の教室が舞台の短編「全員、孤立!」の原稿をnoteに公開した。そのタイトル画像を「みんなのフォトギャラリー」でお借りした。 「教室」で検索して、ぴったりな写真が見つかった。 「とある学校のとある日

          たとえば枝豆に需要はあるだろうか

          息をうまく吸えなかった5歳の哲学

          「まんじゅうこわい」みたいに自分がいちばん怖いものを挙げあう場面があれば、わたしは「息ができないこと」と答える。 そんなの誰だって怖いと言われそうだが、息ができないことへの恐怖が人一倍ある。子どもの頃、喘息の発作で息がうまく吸えなくなるたび、「このまま死ぬんやろか」「死んだらどうなるんやろか」と怯えた。その恐怖が蘇るのだ。 幼稚園の年上組に上がる前、5歳になるかならないかの頃に市街地から緑豊かなニュータウンに引っ越した。喘息は少しずつマシになったが、息ができない苦しさに想

          誰かが誰かのアシカになれたら

          7月20日(土)、脚本を書いたFMシアター「アシカを待つあした」が放送された。 このnoteを書いているのは放送後。 でも、大丈夫。聴き逃し配信がある。 逃してしまった人も、もう一度聴きたい人も、らじるらじるでどうぞ。7/27(土)22:50まで。 聴き逃し配信がなかった頃は、聴けるチャンスは一回きりだった。今は何回でも聴いてもらえる。いい時代になった。 放送後、名作noteをたくさん書かれているかわい いねこさんが感想をつぶやかれているのを見つけた。 《誰かが誰か

          「世にも奇妙な物語」に選ばれなかった物語

          そのクッキーを見るたび、ニマニマしている。 文庫本を開いたサイズの平たいクッキーに「HAPPY BIRTHDAY ひざまくらちゃん」とアイシングでメッセージが書かれている。 メッセージのまわりを色とりどりの花やハートやリボンや風船が音符が取り囲み、オレンジの風船には「3」、黄色の風船には「さい」の文字が躍る。 「ひざまくらちゃん3歳」のお祝いのクッキーだ。 3歳をお祝いして「なよたけでひざまくら」「ひざまくらちゃん」とは短編小説「膝枕」に登場する箱入り娘膝枕のこと。

          「世にも奇妙な物語」に選ばれなかった物語

          『九十歳。何がめでたい』をめでられてめでたい

          映画『九十歳。何がめでたい』を観てきた。 監督は、わたしの映画脚本デビュー作『パコダテ人』の前田哲さん。函館港イルミナシオン映画祭に応募した原稿を見つけてくれ、表紙にあった電話番号にかけてくれ、映画化までこぎつけてくれ、いろんな人につなげてくれた。 音楽は『嘘八百』シリーズの富貴晴美さん。出会ったときから巨匠の仕事ぶりだけど素顔の天然っぷりとのギャップが最高。会うとたくさん笑わせてくれ、本人もケラケラとよく笑う。 企画・プロデューサーは『子ぎつねヘレン』で出会った石塚慶

          『九十歳。何がめでたい』をめでられてめでたい

          その鳥の名は、本といいます。

          物を手放すより、その存在を忘れているほうが罪は深い。ということに気づかせてくれた『人生がときめく片づけの魔法』をバイブルに家の中の地層を掘り返す作業を続けていたある日、昔使っていた手帳が発掘された。 ルーズリーフ形式のものがバラバラになっていた。いつ書いたか思い出せないどころか、書いたことすら忘れていたメモが地層から引っ張り出された。 一枚、また一枚。 どれも悪筆の走り書きで読みづらい。その一枚の解読を試みた。 最後の2行「book どこにでもとんでいける」から、カン