【議事録+感想】これからのフェミニズムについて考える白熱討論会に行ってきた
こんにちは、みやもとa.k.a.八朔です。
昨日は標題の討論会に参加し、出来る限り議事録を取ってきましたので公開いたします。
内容に抜けや誤りがありましたら随時ご指摘いただければと思います。
なお、各人の主張内容をフラットに印象付けるため、議事録内は太字や下線など一切引いておりません。読みづらいかと思いますが、ご了承願います。
概要
タイトル「これからのフェミニズムについて考える白熱討論会 石川優実VS青識亜論」
日時:2019年11月16日(土)17:00~19:30(16:30開場)
場所:ベルサール新宿グランド(東京都新宿区西新宿8-17-3)
住友不動産新宿グランドタワー5階 ABC会議室
アジェンダ
①自己紹介(17:00~17:05)
②靴と#MeToo、そして#KuTooへ(17:05~17:50)
③表現、差別、ハラスメント(17:50~18:35)
④これからの「フェミニズム」(18:45~19:20)
⑤まとめ(19:20~19:30)
バトルルール
・1題目につき計45分
⑴それぞれの主張をプレゼン(10分*2名)
⑵相手の主張にコメントや反論(5分*2名)
⑶会場からの質疑(3分*5名程度)
・ハラスメント、差別扇動、セカンドレイプ発言禁止。司会判断により制止または退場措置となります。
・事前申出のあった記者以外の録音及び撮影は厳禁(音源提供は報道目的等に限り、後日事務局に連絡)
開始前に
※特にそういう時間があったわけではなく勝手につけたしてるメモ
・【悲報】撮影禁止だって散々言われていたのにうっかり写真を上げたツイッタラー、会場でIDとスクリーンネームを読み上げられてしまう。
・本日の服装:青識さん→スーツ+ネクタイ、石川さん→グリーンのニット、小保内さん→スウェット?
・石川さん「ヴォル子さんは何かのキャラクターなんですか?」
→青識さん「これは当時ニャル子さんが流行っていてニャルラトホテプを擬人化できるなら思想家を擬人化していいだろうと思い、ヴォルテールを擬人化しました!」←ものすごくいきいき語る
①自己紹介
・ヴォル子さんイラスト色紙をマイク前に設置しJKアバター仮実装状態の青識さん
・よくツイフェミと呼ばれる石川です←笑いが起きる
・あかん場合は小保内さんからホイッスルとイエローカード、レッドカードが出される
②靴と#MeToo、そして#KuTooへ
▼先攻:青識
・これまでの経緯を説明「前座として」←会場笑う
・フェミニズムと服装は大いに関係ある(1800年代のブルーマー氏を紹介)
→ブルマは日本人の想像するようなアレではないよ「どういう進化を遂げたのか」「日本人大幅なアレンジするからカットしてしまったのでは」
→今ではブルマ履けっていったらセクハラになる、秋葉原の裏通りでしか売ってない。
・ブルーマーさんはスカートがないのは恥ずかしいからスカートの下にブルマーを履く。
→ダサいから流行らなかった。参観日に子供に来ないでくれと言われる。ブルマさん本人も履かなくなる。
・ココ・シャネルの話。シャネルドレス(今のレディススーツみたいなもので、シャネルの基本となっていると思われる)
→シャネルはフェミニストを自認はしていないが、自分が窮屈で嫌だったのでこの服を作った。
・ブルーマー氏はフェミニズムの考えが先にあってブルマを提案した(シャネルとの差異)
→上野先生のハイヒール野蛮発言に反論した石川さんの話に触れる。
→石川さんは上野世代とは違う(シャネルと同じ、窮屈だから新しい靴を作った)
・Metoo5年くらい経ってから主観で告発するの何なの
→「シュレティンガーのセクハラ」(白饅頭氏発言を引用)後から開けるまでセクハラかわからない
→女性の社会進出は遅れるのではないか。
→「ネトウヨと同じでは?」(柴田絵里氏発言を引用)
・そもそもドレスコードって差別なの?
・国に署名集めて何か変わるんでしょうか?
→世界を変え女性を自由にしたのはブルマかシャネルか?
→石川さんはどちらを目指すのか?
▼後攻:石川
・何のためのMetoo,Kutooなのか。
→女性たちの告発(2017年)→法律を変えるため。
→Metooが起きるまで性犯罪を性犯罪だと認識していない人が居た。
→してはいけないということ、されたら怒っていいことを理解する必要があった。
→最後は法律を変える必要がある。
・ドレスコードは男女雇用機会均等法にはないが、足元が明らかに違う環境で働いているのに評価だけは平等なのはかえって不平等なのではないか。
・そもそも差別とは「女子差別撤廃条約」を参照
→つまり女性に対して、人権を制限することや不利益を被らせること
→不利益の範囲が問題
・ハイヒールは女性差別か?
→特定の属性の個人や集団に、他の属性の個人や集団より不利益を被らせること
・Kutooにおいては
→フラットな男性用革靴よりも健康被害労災リスクは大きい
・セクハラの基準とは
→そもそもハラスメントとは個人の感覚ベースである。人間はみんなされたくないことは違う。
→この意識がないことが問題。わからないから仕方ない、ではない。
→セクハラ、性犯罪は女性差別である
・主観で訴えるMetooはテロ行為?(柴田絵里氏発言を引用)
→実際に身に覚えのないことの告発は怖いだろうし、嘘の告発はいけない。
→問題は加害者と被害者をたたく人が問題、当事者間でのテロ行為ではない(?)
・フェミニストは対立を煽っているのでは?というKuToo表紙批判について
→義務付けてる状況は変わらない、表紙を見てどちらが働きにくそうか?と考えてほしい目的があった。
→表紙のような状況(女性がフラットシューズ、男性がヒール付きパンプス)は実際には現代日本にはほぼ有り得ないが、逆の状況は平然と存在するので敢えて表紙にした。
・何故政府に訴えるのか?(署名を集めた件)
→正当性があるのか? 法律はメッセージであるという立場。
▼反論:青識
・「不利益」という言葉は女子差別撤廃条約本文中には出てこない。
→文化圏によって異なるので一律の「不利益」は決められないから。
→ネクタイ、化粧いろいろある。全部を法律で撤廃するものじゃない。
→だがハイヒールの健康被害や浸潤な不利益は人権侵害となる。
→しかし「ドレスコードすべてが差別か?」と訊いている(Kutooにそう書いてあるから)
・セクハラは女性差別だ、というのは反論になっていない。
→そもそも加害って何?いやなことされたら全部ハラスメントか?
→ハラスメントの定義が曖昧なままである。しかも数年~10年以上後になってしまう。
→民主党の女性差別と闘う政治家が過去の被害を告発されたケースも。
・ハラミ会→女性が居ることそのものがリスクなので避ける→企業では仕方なく女性を採用する→シュレディンガーのセクハラ→女性の社会進出の妨げになるのでは?
・Metoo運動は本当にこのままでいいのか?
・ブルマーになるのか、シャネルになるのか?
・石川さんが目指すのは国のトップダウンなのか、市民のボトムアップなのか?
▼反論:石川
・Kutooは職場での話になるのでブルマとシャネルの話ではない
→私服はなんでもいいが職場で不利益を被ることが問題
→男女雇用機会均等法に関わると思うので国に訴えたい
・ホテルで働きたい女性はヒールのある靴を履かされがち。男性は履かない。
→石川さんはパンプス履くのは無理だと思った。同じ仕事にチャレンジするのに男性と差が出来てしまう。
→青識さん「ブルマもシャネルも職場の服変えましたよ」
・ハイヒール履いた人の方が評価がいいのを変えたい
→青識さん「それを国主導でやるべき?」
→どっちもやったらいいと思います。
→青識さん「うーん・・・ブルマもシャネルも一生かかってやっていったので、石川さんもいずれどちらかを選ばなければいけないかもしれないよ」
→青識さん「国に強制されているからハイヒールを履かない」というメッセージでいいのか。
→石川さん「余計なお世話だし、自分がどう活動するかは自分が決める」
→青識さん「どっちにするの?」石川さん「どっちも」
・石川さん「国にどっちでも選べるようにしてください、と言いたい」
→ドレスコードとしてヒールを義務付けることを禁止させたい。
→青識さん「規制しないとヒールの方が評価が高い社会通念は変わらないの?」
→青識さん「ドレスコードに性差があることはいけないのか?」
→石川さん「ドレスコード自体はOK、でもなぜ男女違うものにするのか?」
▼質疑応答
①石川さんへ:男性の重労働と女性のヒールはトレードオフなのでは?
→石川さん:荷物は一番力があるひとが持てばいいのでは?
→質問者:でも力持ちってだいたい男ですよね?
→石川さん:そんなに重いもの持ちたくないですか?
→青識さん:それを言い出したら「そんなにヒール履きたくないですか?が成り立ちますよ」
→(記録取れていないのですが、ここで石川さんがヒールを履いているのは女性のみで性役割があるという主旨を発言されたと記憶)
→青識さん「えっ、性役割分担って何が駄目なの?」→小保内さんストップ
②石川さんへ:Metooが男女間の争いになってない?法的整備をすることで認識を変えることが可能なの?
→石川さん:Metooは告発者と加害者の話。現状男性の方が告発のハードルが高いのは問題。性別に関係なく告発できるべき。
→しかし女性の方が性犯罪に遭う確率が高いのは確かなので「男女間の問題ではない」とは言えない
→男女雇用機会均等法をみんながどこまでちゃんとわかってる?足りなくない?と思うので運動をしている。
→青識さん:では終着点はどこですか?
→石川さん:厚労省に出している要望書では①服装の件を差別として禁止してほしい②これをセクハラの例に入れてほしい③パワハラに服装規定を分けることも入れてほしい④労働安全の面からヒール禁止にしてほしい
③石川さんへ:セクハラは女性が遭いやすいというがハラスメント全体ではそうではないのでは?
→声を上げられていない男性のパワハラなどもっとあるのでは?可視化の差なのでは?
・石川さんへ:ブルマとシャネルどちらも取るのは厳しくないか。何故なら強制するか自由意志かなので。どっちがいいの?
・お二方へ:セクハラ、法律化するなら定義を明確にする必要性あるよね?
→石川さん:雇用主に義務付けるものであって女性に強制するものではない
→青識さん:労働安全性の観点からなら禁止すべき、だがほんのわずかな差、不利益でも差別だからなくせという話になる?化粧も?
→石川さん:自由意思を自分で選ぶことが出来る状態か?
→青識さん:でも法で義務付けるなら雇用主の自由意思はないよね?
③表現、差別、ハラスメント
▼先攻:青識
・コンビニエロ本撤去パレードの話
・マガジングラビア撤去←石川さんが参戦したきっかけはこれ
・フェミ炎上のまとめ←この一連のシークエンスで笑いが起きる
→フェミニストのみなさんと巨乳は大変相性が悪い
→(NHKキズナアイ騒動について)「相槌くらい好きに打たせろ!」
・表現の「内容が差別的では」と問われている
→強力効果論は否定されているので影響論は一旦置いておこう。
→差別的なメッセージが本当にありますか?
→モノ化批判「性的魅力で男性の献血を促していないか?」「単なる物として扱うことは絶対にダメという論点が根本にある」
→胸の大きさで女性の好みを答える人が居るのはモノ化であるという理屈がある
→では性的価値を利用して言及することはすなわち「モノ化」なのか?
→グラビアアイドルが表紙にでて漫画を売ることはモノ化ではない
→グーグルで「青識亜論」と入力するとサジェストで「ブサメン」「顔」と出てくる(顔で評価してんじゃねーか)
→表現物を消せは青識さんはブサメンと評価されなくなるのか?
→ドラえもんのどくさいスイッチと同じでは?
→根本的な世界の仕組みは「気に入らないもの」を消しただけでは変わらないよね?
・自分で履く靴を自分で選ぶように、自分の好きや欲望を選べる社会であるべきだ。
→世界を変えたのはブルマですか?それともシャネルですか?
→シャネルでいいんです。フェミニズムの漫画が少年でも男性でも受け入れられるような作品なら世界は変わる。
▼後攻:石川
・青識さんの表現物批判の例は「萌え絵」に寄っていたが、実際にはそれ以外にもある
→「わたし作る人、僕食べる人」「ちょうどいいブス」「変わりたい?変わらなきゃ」
→これらが炎上したのは性別によるジェンダーロールの固定化という差別があるから
→女性は綺麗でなければならない、綺麗でないなら謙虚でなければならないというルッキズム・役割という差別
・社会には医大入試減点、痴漢、セクハラ、ヒール着用化粧などの職場の花扱いがある。
→すべて性別に基づく差別であり、現状差別を受け続けている。
・差別は憲法でもNGになっている
・被差別属性の表現における扱い
→配慮がなされるべき(例:ブラックフェイス、障がい者(害の字を使わない))
→求められているのは規制ではなく配慮
→被害者への配慮:津波のあとはTSUNAMIが歌われなくなった。サザンのせいではないが。
・グラビア、萌え絵の表現
→どちらも女性としての魅力を要請しているがゆえに作成される
→胸が大きいことを問題にしているのではなく、胸の持ち主ではない他者がそれを描いていることが問題
→(宇崎ちゃんのポスターについて)この胸の表現は現実で見つけるのは難しい、わざわざ描いている
→胸が大きい現実の女性にあまりにも配慮がないのではないか
→黒人のマネキンを取り下げることが黒人差別にはならないはず
→黒人差別と一緒にするなと言うなら女性差別を軽視しているのでは
・女性性の強調が存在していることは事実。それ自体はOK、エロだから規制するべきとは「私は」思わない。
→しかし女性性の強要、性暴力が社会にある以上、公共物としての取り扱いには配慮が必要。
・モノ化とは?
→よくわかる「感覚」であるが、言語化が難しい。
→気持ちがあるかないか
→「お気持ち」と揶揄するのがモノ化、人間なのでお気持ちがあって当たり前なのに
→(宇崎ちゃんのポスターについて)公共の場で広告として扱われることは女性という現状での被差別属性への配慮不足ではないのか?
▼反論:青識
・オタクというのはそもそも萌え絵やセクシャルなものを不可避的に愛好している。
・宇崎ちゃんのどこがモノ化なのかが誰も詰め切れていない。なんだかよくわからないけどよくないものとなってしまっている。モノ化の何がいけないのかをもう少し掘ってほしい。
→石川さん:今まで受けていた差別というものが考慮されていない。胸のサイズで差別をされてきた被害が前提にある、そのうえで胸を強調している
→青識さん:オタクサーファーCMはいいのか?大胸筋はいいの?(男性はあのCMについて差別だとは騒いでないけど)イケメンが宣伝するのは普通ですよね?
→石川さん:見た目によって犯罪に巻き込まれたことある?
→青識さん:犯罪は別だと思う。
→石川さん:胸があることによって受けた被害がある。身体的特徴を強調するのが配慮がない。被害に遭ったのは体が女性だったからのはず。胸が大きな女性を他人が描いていることが問題。本人ではないから。ちょうどいいブスも自分のことならいいが、他者にも勧めるのはどうか?
→青識さん:宇崎ちゃん本人が認可しないと宇崎ちゃんのポスターは作れないということ?キズナアイは中の人と企業が認可されたからOK?人工知能学会イラストも女性が描いている。お気持ち結構だが、オタク的には萌え絵が公共の場に出るのは嬉しいことなので擁護している。宮崎勤事件などもあったから。
→石川さん:お互いの気持ちが考慮されないと
→青識さん:正解。落としどころを探すようになるのだと思う。フェミニズムの友達たくさんよんでオタクと議論すればいい。
→石川さん:でも前提を考えてほしい。女性は被害を受けてきたのを知ってて宇崎ちゃんを使うか?わざわざ胸を強調した人を使うか?
▼反論:石川
(上記のような状態だったのでそのまま質疑応答に移ったようで、このブロックの議事録が全くありません)
▼質疑応答
①石川さんへ:主体性の問題を言ってる?グラビアは主体性があるからOK、キャラは主体性がないからNG?何もできなくならない?男性向け表現に女性が一人でもNGを出したら原理的に認められないのでは?
→石川さん:誰でも目にできるところに持ってくるのがよくないと思う。表現自体をなくせとは思っていない。存在していい。見ることを拒否れない場所に置くのが問題。
→青識さん:「主体性」実はモノ化の中核的な議論の要素。宇崎ちゃんの絵のどこに主体性がないのか。
→石川さん:広く見て、宇崎ちゃんは誰かに書かれたもの。
②石川さんへ:公共の場に出せないというのは大きな規制になってしまわないか?交通事故の被害者が車を見たくないといっても車を規制はしない。女性の性暴力被害は表現とは関係ない。
→石川さん:車を規制はできないが、絵を公共の場に出さないことは出来る。
→青識さん:車のポスターなら?
③石川さんへ:絵のおっぱいが大きいことは本当に差別なの?女性って一元化できる?おっぱいが大きいことを誇っている人もいる。セクシュアリティもさまざまだ。性の商品化というがあらゆるものが商品化されている(資本主義)、現状の商品は社会規範を参照している。青識さんのヌードグラビアには需要がないが、女性のそれには価値が発生する。そこに主体的になる場合はインセンティブがある。そのインセンティブについてどう思うか?ちょうどいいブスはNGなのに「吉本ブサイク芸人コンテスト」が男性だけ復活したのはどう思う?
→石川さん:胸の大きさを誇るのは関係ない話。
→質問者:では被害と広告は関係あるのか?
→石川さん:黒人差別の話と何が違うのか?被害に遭った方への配慮では?
→質問者:黒人差別はすべての黒人に対して存在していた。しかしレイシズムと女性の問題は違う。公的な差別があった。女性性がインセンティブの場合も不利益の場合もあるので、レイシズムと同列にはできない。
→石川さん:女性差別と宇崎ちゃんは同列、女性性を強調しているから。
→質問者:じゃあインセンティブは受け取るが、自分が差別だと感じたらNGだというのか?
→石川さん:インセンティブを受けたものと差別は別では?
→質問者:社会構造は一つですよ?
→青識さん:グラビアで仕事できることはインセンティブと差別のコインの表裏である←この先青識さんが割って入ってしまい「今(青識さん+質問者VS石川さんという構図の)2対1になってますよ!」という外野からの声が飛ぶ、また質問者が青識さんと面識があったため青識さんが質問者の名前を公開してしまい、会場がざわついて小保内さんから「あの辺の人ざわざわしないでくださーい!」と超ざっくりなエリアにホイッスル&イエローカードが掲げられる。
④これからの「フェミニズム」
▼先攻:青識
”フェミ”の問題点→差別やハラスメントというものは社会的地位を失うほど重たいものである
→フェミニストは「お前は差別主義者だ」と言われた相手がどう傷つくか、どうなるかを慎重に議論したのか?
・Metoo運動のようにオタクも怒っていい。運動は「弱者と認められた人たち」の特権ではない。
・漫画を取り下げることは簡単にできるでしょ?と”フェミ”は言う
→できない、それ自体が「公共ではそれを見せてはいけない」というメッセージ性になるから。
・オタク文化もポルノグラフィも私たちのアイデンティティの一部だ
→極端にはムスリムがコーランを焼かれるのと同じ。人権侵害である。
・透明化された怒り。たかがエロ、たかが萌え、それがそんなに大事か?と透明化されてきた
→反撃手段は青魔法。FFに出てくる魔法。敵から受けた魔法を流用する。
→フェミニストの武器を使えばいい。これが#フェミハラ の産まれた経緯
・宮崎勤時代のバッシングの縮小版が現在
→フェミニストが批判する自由も表現の自由であるが、それをハラスメントと批判することもできる。
→Metoo? Youtooだ!
・どうしても男VS女という構図が大事だった時代があるが、今はそうではない。
→フェミニズムが権力を握ることによって傷つく人が出てきている。
・ヘーゲルの弁証法:お互いがちゃんと話し合って傷つかないジンテーゼを探せ。ブロックするな。
・性的モノ化を無毒化する方法→おっさんを美少女化し、美少女がインフレすれば性的価値が下がる。例:青識→ヴォル子さん
→性的モノ化された美少女表象をもってフェミニズムを深めるような動画を製作中。
・フェミニズムに悪いイメージが持たれているが「フェミのことは嫌いでもフェミニズムのことは嫌いにならないでください」
→透明化された怒り、弱者の怒りを拾ってきたのがフェミニズムだから。
▼後攻:石川
・この場があるのはありがたいこと。青識さんがしっかりハラスメント対策をしてくれた。
→プロ奢られヤーさんの件を鑑みつつ。ああいうのはどうかなと言ってくれた青識さん。
→ハラスメント対策を石川さん個人ではなくもっと広くできるといいなと思う。
・オタクさんたちはどう思ってるのかな?普段は敵だと思ってしまっているが、いろいろな思いを抱えていることはわかった。
→オタクは石川さんの行動を「攻撃」だと思っているのが噛み合ってないところだと思った。あくまでも「告発」のつもりである。
→告発をするときは自分が何か被害を受けているときである。石川さんが受けた攻撃とオタクが受けた「攻撃」は違うものであるはずだ。
→最初に殴られたからやめてと言ったら「攻撃」だと思われてしまうのはどうしたらいいのだろうか。
→青識さん:オタクの側もフェミニストから殴られたと思ってしまう。両方が殴られたと思ってしまう、主観的には両者Metooなんですね。これは、面白くてですね、面白いんです・・・面白いんですよ」←3回言った
・最初に青識さんと話したのは宇崎ちゃんの前、マガジンのグラビア表紙の話。表紙に水着の女性ってどうなんだろう?と考えて今日にいたる。アレはグレーゾーンじゃないか?女性が主体的にやってはいるものの、嫌な人も半々くらいいる、しかし女性差別や性暴力被害があるからとグラビアを禁止すると彼女たちの仕事もなくなってしまう。だから差別や性暴力をなくす必要がある。
→青識さん:それはみんなも思ってる。でもそれが本当に理屈として関係あるのか?お気持ちだとしたら、お気持ちで人を傷つけていいのか?ゲイをみて気持ち悪いと思う自由はあるが、それを言っていいのか?そこに理屈が通るべきではないのか?議論がなされるべきではないのか?宇崎ちゃんの何が差別的なのかみながしつこく聞いたのはそれが理由。お互いに相手を加害者だと思っているのがオタクとフェミの第一の溝である。
→石川さん:女性ばかりがお気持ちと言われがちでは?
→青識さん:黒人差別でもお気持ち案件はあるはずだけど、フェミニズム案件だけが目立ってしまっている。ブラックフェイスが一律差別的表現でもないはず。一律NGなわけないはずなのだから「何が差別なのか?」が議論されるべき。
→石川さん:何が差別か決まってないのが問題?
→青識さん:そういうことが大事。何が差別なのか議論が欠けていた。
→石川さん:ではどうなったら差別でないのか、何が差別なのか、どうして差別でないのか、などの話がKutooでもあまりなされなかった。今はそれをみんなで話し合いをする段階だと思うのに「差別じゃない!」と取り下げられてしまう。
→青識さん:ドレスコードが差別か問うたのはそういう理由。スカートを履くことそのものが差別か?全部撤廃しなければならないほどのことか。
→石川さん:男女の制服を選べるようになっているのはどう思う?
→青識さん:いいことである。しかし「選べないから差別」と言えるか?社会を革命しどくさいスイッチ発動しても社会はよくならない。改善を積み重ねることでしか進歩しない。
▼質疑応答
①次回の予定はあるか。
→青識さん:これは始まりに過ぎない。今回は「やったらできる」ということが分かった。ちょっとずつ共通の語彙が生まれて溝が埋まっていくことを期待したい。
→石川さん:やはり対面で話すと言語化できないこと、文字の方が冷静に返せるが140字では厳しいことも分かっているのでこういう場は大切。もやもやするけど言えなかったことは持ち帰って次回議論出来たらいいなと思う。しかし「歩み寄る」はちょっと違う。実際に被害に遭っているので「被害者ぶってる」わけではない。寄り添ってほしいという認識は違うと思う。
→青識さん:それは当然ある。お互いに。ディスコミュニケーションになるのではなく「何を被害だと思ったのか」を詰めていく必要がある。強力な被害の歴史があったのはフェミニストは忘れないのである種の非対称性はある、その認識はオタクサイドに必要。
②シャルリエブド襲撃事件、日本だと「悪魔の歌翻訳殺人事件」など、「自由社会には信仰をめぐって他人の気持ちを侮辱する権利がある」(他人の信仰をおちょくってもいい)とフランス大統領が発言したが、表現の自由はどこまでを認められるべきか。
→青識さん:お互いにお互いの表現は侮辱かもしれないが、それを認容しなければお互いに話し合うこともできない。しかしそれが侮辱だと言われたら耳を傾けて改めることで進歩してきたのではないか。信仰に対する侮辱を禁止するのは革命の思想である。一歩ずつ進歩してきたことで今の多様な社会がある。
→石川さん:青識さんはヘイトスピーチも認められるべきだと思っているのにこの場についてセカンドハラスメント発言はだめだといったのは何故?
→青識さん:この場に限って制限するのも表現の自由だから。公権力がやったら独裁。しかしこの場に限って「石川さんと話をしたい、それを聞きにきたい人のために」ということであれば表現の一種である。これらの上に多様な見解のある社会が作られてきたのではないか。
⑤まとめ
・青識さん
→いい会になった。思ったよりディスコミュニケーションにならず、気づきがあったのがお互いにとって予想外だったのでは?新しいフェミニズムの一歩になったのではないか。
・石川さん
→怖いという気持ちはあった。怖いと思うのは当然だが、その中で「行って話を聴かないと何故そう考えるのか原因がわからない」と思った。被害者意識がお互いにあること、表現規制への懸念があることを知れたので今後は自分の課題としたい。今度は「何故そう考えるようになったのか」まで知りたい。
→次回はまた大きな炎上があったら?←会場笑う
→しかし簡単に炎上をエンタメにするのももうよくない気がするのでそれこそ「配慮」がいるのかもしれない。青識さんが石川さんにしてくれたような配慮がもっと広まれば変わっていくのかなと思う。
・小保内さん
→扇動するのはよくないので、今後対立議論するときに2項ではなく3,4項くらいでいきたい。
→TLでも言われているが青識さんが石川さんを褒めたりレベル差をアピールする感じがあるのが気になる。次回やるならやめたほうがいい。
※事後小保内さんに確認、この「気になる」は「過剰にアジテーション的で、対等な討論としてはよくない」というお考え。
→ジェンダー(社会的性役割)とセックス(身体的性別)のトピックは分けるべき。
→青識さん、胸と大胸筋はミラーリングしない←会場笑う
→石川さんは法整備と自由意志は選ばなくてよかった
※事後小保内さんに確認、法整備と自由意志は相互補完では?いずれにせよ二択で一方を選ぶ必要はないと思う、というお考え。
▲議事録ここまで
以下、感想
「ネット論客さんのくだらない口喧嘩ショー」という表現について、石川氏青識氏両名ともに「基本的にツイッター以上のものがなかった」以上、まさにその通りであると思います。
登壇された両名、参加者ともに次回を期待する声が聞こえましたが、次回も今回と同様の構成を想定しているなら残念ながら「参加しなくて良い」という評価は妥当だと判断せざるを得ません。少なくとも今回と全く同じことをもう一度やるなら当方は参加を見送るかなあと思います。
石川さんに対しては「パンプスを履くことで健康被害が出ている」という線で押すなら「パンプスかフラットシューズか選べるように義務付ける」なんて選択肢は企業にはなくて「パンプスは禁止する」もしくは「原則パンプスは推奨しない」になると思います。何故なら「健康被害が確認されているが、個人の裁量に委ねる」ものの代表例が煙草だからです。
健康被害があることが確認されているため職務上着用を義務付けるのはNGだが個人の着用の自由はある、という石川さんの立場に僕も同意します。不健康だからと禁止する必要はないですね。しかしその結果いま喫煙者がどれほど肩身の狭い状況になっているかには目を向けた方がいいと思います。結局トップダウンで「パンプスは足に悪いよ」と言ってしまうと「足に悪いと分かっているパンプスを履いてる女は馬鹿だ」という別の規範がポップアップしてきそうだなとは思います。っていうか上野千鶴子先生の「ハイヒールを好むなんて野蛮だ」という発言はまさにそれですよね。そこまで分かった上のの主張なのかな?というところはちょっと気になる。
また「男女でドレスコードが分かれていることは差別である。LGBTの人とか困ってるし」というお話についてですが、多分Tの話ですよね。
T=トランスジェンダーというのは「生まれ持った性とは異なる性の性役割を好む人」です。つまり、「男性、女性の性役割を肯定した上で自身の生まれながらの性ではない異性の服装を好む人」なのです、もちろん昨今の男女平等・ジェンダーフリーの潮流の中で表立って「性役割固定万歳」と主張するトランスジェンダーはそうそう居ませんし、「ジェンダーフリー!誰が何着てもいいよね!」という価値観の方が結果的に自分も異性装をしやすいので支持はします。しかし「生まれ持った性と異性でありたい」という要望が根底にあるので必然的に性役割を温存してしまう立場なのです、トランスジェンダーの個人が望む望まないに関わらず、本来的には。
当方もトランスジェンダーですが、石川さんと同じように「男女で男はスラックスに革靴、女は化粧してスカートにパンプス、と決める必要はない」という立場です。石川さんと同じようにスラックス履きたい女は履いたらいいし、スカート履きたい男は履けたらいいね、というジェンダーフリーの価値観は前提としてもちろんあります。
しかしトランスジェンダーとしてその立場である理由は「生まれの性が女/男性であり、女/男性の会社員として働いているが、異性の服装をすることで職務上の不要な心理的苦痛が緩和され、職務の効率が上がると考えられるから」であり、「スラックスを男性の服装と決めつけるのは差別だから」というジェンダーフリーの立場では(根本的には)ないのです。これは石川さんと同じ主張をしながらその動機は180度逆ですよね。石川さんはこのロジックまでご存じの上で当日触れなかっただけかもしれませんが、この機にあの場にいらした参加者の方々には一旦はこのロジックを頭の片隅にでも放り込んでおいてほしいです。
それから、石川さんは常時「不利益」「被害」「セクハラ」「性犯罪」という言葉の意味や価値を並列させていたように見えましたが、不利益と犯罪の被害は一旦別レイヤーに分けた方がよかったと思う。少なくとも「実際に性犯罪の被害に遭ったこと」と「宇崎ちゃんを見て性犯罪の被害に遭ったことを思い出してしまうこと」は並列すべきでないと思います。何故なら「犯罪」の意味や価値が軽くなってしまうから。
そして、あまりツイッターのハッシュタグでは触れられていませんが、青識さんの「ブルマかシャネルか」という二者択一に最後まで乗らず「余計なお世話だし、自分がどう活動するかは自分が決める」と言い切った石川さんの発言にフェミニズムを見たと僕は思います。上から目線の「よくぞ言った拍手!」みたいな気持ちではなく、本当にあの瞬間の石川さんは格好良かったと僕は思う。
青識さんについては「無駄に感じ悪い」がすべてです。理論武装ばっちりでした。どちらがより説明的だったかという観点では完全に青識さんに軍配が上がります。なので無責任な立場から好き勝手に厳しいことを言います。
「よくぞ来てくれました拍手!」といった発言や石川さんの反論ターン、質疑応答に割り込むという振る舞いは果たして石川さんに敬意を表して行ったことなのでしょうか。僕の目には石川さんに対してパターナリズム的に振舞っており、まるで先生のように接していると映りました。それは不誠実ポイント加算にはなりませんか?
たとえ石川さんの言ってることが論理的でなかろうが、石川さんが墓穴を掘ろうが、持ち時間いっぱい石川さんに話をしてもらうべきだったのではないでしょうか。「ここまでしなければ対等な話は出来ない」という態度そのものの対等性はどのように担保されるのでしょうか。参加者に言われるまでもなく青識さん自身労力を費やし葛藤されたことだとは思いますが、だからこそ疑問を呈します。「青識さん、そこまでして行う対等な話は果たして本当に対等な話でしたか?」
※以上については青識さんの振舞いへの批判自体がトーンポリシングであるという批判もあるかと思いますので、疑問を呈するに留めています。
また、小保内さんのご指摘通り、ブルマかシャネルかという二者択一を迫る必要はどこにもなかったと僕も思います。ただこれについては、石川さんのKuTooアクションについては(他のインターネットで話題になるフェミニズムのアクションと比較して)妥当性が高く成功した部類に入るので、批判をしようと思ったらあの二者択一の線から迫るしかなかったのかな? とは思っています。
あと質問者と石川さんのやりとりに割って入って質問者のターンを奪うのは質問者に対しても失礼かと。前へ前へ出過ぎ。若手芸人か?
小保内さんには「アレ止めなくてよかったの?」という疑問がありつつ「しかし司会が強い権限で話を止めることを期待するそれ自体が結局青識さんが石川さんの話に割って入るのと同種のパターナリズム的価値観なのでは」という自問もあり、そうなるとタイムキーパー以外ほぼ放置気味だったスタンスは表現の自由の観点からもフェミニズムの観点からも正解だったのかもしれない、とも思います。
質疑応答について「○○さん(各登壇者)に質問のある方」と分けられると石川さんへの集中砲火やざわつきを回避しやすかったかと思います。これは他のワークショップやディスコミュニケーションでよくある進め方だと思います。
そして「これが2項対立の構図だからこの展開になったまでで、3~4名呼んでパネルディスカッションにすれば解決できる、その方式でなら次回もいいんじゃないか」という意見には賛同します。石川さんが信頼をおいて司会者に指名したのも頷けましたね。
以上となります。青識さん、石川さん、小保内さん、スタッフ、参加者各位お疲れさまでした。
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