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向暑はるの日常 2022年

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2022年の日常です。
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#大学生

”休日”は明日のことを考えない

”休日”は明日のことを考えない

明日から仕事だよと愚痴をこぼしていた地元の友達。

あの時は、理解する気もなく適当に同情していたけど、今となれば毎週日曜日の流行語大賞となっている。

そんな愚痴をこぼしてしまう日は大抵休めるわけもなく、実質”休日”として機能しているのは1日に過ぎない。

せっかちな人間にとっては休日は2日間では足りないのかもしれない。

次の日のことを考えるだけで心が休まない。

例えば、小学生の頃の夏休みは大

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変化の中で生きるエンドロール

変化の中で生きるエンドロール

結局、帰りも家の近くまで送ってもらってしまった。

気づけば0時を回っていて、いつもの向暑はるなら夢を見ている時間である。

まだ心の中はふわふわとしていて、頭の中にはずっとソラニンが流れている。

ここまで送ってもらった彼に感謝の意を込めて、コンビニのカフェオレを奢った。

メガサイズはやりすぎたかもしれない。

自分の分も買って、コンビニの前で一息つくことにした。

カフェオレを口につけて、顎

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住み慣れた部屋はもう誰かのものになっていた

住み慣れた部屋はもう誰かのものになっていた

とりあえず大学を車で一周した。

見た目も雰囲気も何も変わっていなかった。

でももうこの”中”に入ることはないだろうし、ここの住人ではないことの現実を突きつけられた気がした。

たった4年間。だけど4年間。

時間の隙間を埋めてくれる場所だったと改めて知る。

正門を通ったけど、そこは何も感じなかった。

向暑はるの家は正反対にあったから、正門を潜って大学に行くことは一度もなかった。

今考える

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親友は死んで、そして生き返った

親友は死んで、そして生き返った

ふと大学生活を思い出すとき、必ず”あの人”が向暑はるの隣にいつもいた。

それは元恋人でもない。

先輩でもない。

もちろん教授でもない。

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向暑はるの大学生活は、周りに何も頼ることのできない”0”の環境から始まった。

メールの設定も講義の選択もパソコンの設定も全部一人でやった。

だから講義も一人で受けていた。

想像していた華のキャンパスライフとはかけ離れた位置にいて、この先の4

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