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演劇レビュー

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星組『ロミオとジュリエット』

星組『ロミオとジュリエット』

語らずにはいられないすごいものをまたもや見てしまった…

元々星組でやると決まった時から、期待しかしていなかったものの、それを余裕で超えてきた感覚。

今まで宝塚のロミジュリは何回か映像で見てはきたものの生観劇は初。それでも以前のロミジュリと比べて大きく変わったなと思う部分を中心に考察していこうと思う。

ジュリエットを中心とした、娘役が動かすストーリーライン宝塚と言えば、確固としたトップ男役制度

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『チョコレートドーナツ』@PARCO劇場

『チョコレートドーナツ』@PARCO劇場

2020年の観劇納めは『チョコレートドーナツ』。

後半は仕事も忙しく、なかなか見たい小演劇も観劇できなくて、(持ってたチケットも公演中止で飛んで行ったりして)やっと観劇できたのがこの作品。

2014年に公開された原作の映画は見たことがなくて、でも『同性愛者のカップル』『ダウン症の子供』、そんなワードだけが取り沙汰されていたのは覚えている。あれがもう6年前なのか、それからこの世界では何が変わった

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『赤すぎて、黒』@萬劇場

『赤すぎて、黒』@萬劇場

演劇やアートが大好きな私にとって、コロナ打撃はかなりのダメージをもたらしていた。

休日に行ける場所もない、新たなアートを学ぶ場所もない、自分に活力をくれる芸術がこんなにも触れにくいものになってしまうなんて、思いもしなかった。

いつも、どんな田舎でもどんな都市でも文化芸術はちゃんと生きていて、息をするようにアートを摂取していた私にとっては、監獄に入ったようなものだった。

そんな中、萬劇場で先日

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私たちは何も知らない@東京芸術劇場シアターイースト

私たちは何も知らない@東京芸術劇場シアターイースト

日本のフェミニズムの歴史を探っていくと、必ず行き当たる人物。

それが「平塚らいてう」。

日本文学史、日本史の教科書で見かける超有名人だから知らない人は少ないだろう。本名「平塚明」。明るいと書いて「はる」と読む。明治19年、東京の麹町で生まれた彼女がここまで知られているのは、「青鞜社」という女性による女性の覚醒を目指すための文学団体の発起人であったからだ。

この「青鞜」編集部を舞台にした作品が

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「ビジネス」@ザムザ阿佐谷 12/11-18

「ビジネス」@ザムザ阿佐谷 12/11-18

ずっと時間がなくてレビューを書けなかったので、この機会に。

去年の年末、衝撃的な演劇体験をしてしまった。

戻りたくても絶対に戻れないような、そんな感覚。

現代アートや映画を見て、あまりの衝撃に動けなくなったことは度々あった。感情が揺さぶられて気持ちの整理ができなくなったこともあった。

全ジャンル満遍なく鑑賞しているつもりだったけれど、小劇場の演劇を日本で見たのはこれがほぼ初めてだった。だか

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