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RE: BIRTH の海 (poem)

自分の感情に気づくのが下手だ

扱いが下手だ

わたしの中は大抵いろんなものが溢れていて
朝から謂れもなくうきうきしたり
淀んで倒れこみたいような気分だったりする

わたしは多分とても扱いにくいこどもだった
わたし自身が自分の扱いに手を焼いているように

感情にはふたをする

由来も正体もしれないものには丁度いい

(でも限界だったんだよ)

感情は見えないけれどエネルギーだから
消えてなくなったんじゃないから

大切な人を傷つけてしまったという痛みと
傷ついた大切な人の痛みが
一緒になってわたしの全身を引き裂く

かたちを変えて肉体に残り続けたエネルギーが
一緒になって噴きだそうとくすぶりだす

(名前をつけて海に流そうか)

おまえは『うるさい』っていわれた時の痛み
いらないって言われた気がしたね
涙ひとつ つけて流そう

おまえは『そんなだから』って言われた時の痛み
価値がないって言われた気がしたね
涙みっつ つけて流そう

おまえは・・・『生まれなければよかった』って
自分で思ってしまったときの痛み
たったひとつのいのちを
否定してしまったときの痛み
そうしなければならなかったほどの
誰かの痛みを負いすぎた 痛み

追い詰められすぎて

そんなことないよ
大好きだよ
あなたがいてよかった
やりなおせるよ
なんとかなるよ
だいじょうぶだよ

・・・なみだがとまらなくて
言えなかったことばが自分を救うことはなくて

滝のように 川のように
ただ流れるままに

流れるまま

あのときはごめんね

取り返しがつかないかもしれないけれど
赦してほしい

嬉しかったよ、ありがとう
上手く言えなかったけど

わたしほんとうはあいしてるんだよ
わたしのなかに映るあなたを

ほんとうは。

海に流れ着いても
やっぱり感情は荒波で

寄せては返し 揺さぶられるばかり

寄せては 返し
よせては かえし

なみだも尽きて
ゆらゆらも波にシンクロして
疲れて 眠くなって

ふとみると
隣でラベルのつけ終わった感情たちも揺らいでいる
波のリズムで揺らいでいる

ああ、そうだったんだね、わたし。

そっと声をかけると 心なしか煌めいてみえた

気が付けば海はだいぶ凪いでいて
わたしは浜に打ち寄せられていて

まだ起き上がる気力のでないからだを
そっと砂に横たえる
波はからかうように くすぐりにくる

こころは からっぽ

なにも解決していない
なにも変わってない

でも なんの波も内側には起こらなかった
潮騒もいまは耳に届かない

《〈〈〈  静 寂  〉〉〉》


ここは ゼロ だ

すべてを自由に縛られずに始められるポイントだ

深く呼吸をつけば
静かに でも確かに 自分の感覚がある
誰かではない 自分

ゆったり深く
外でもなく 内でもない
右でもなく 左でもない
良くもなく 悪くもない
そんなポイントを縫うように呼吸して

わたしはじぶんのいのちに帰る
海を背に
『あい』を探すために

生きるために帰る

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