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子どもの自己肯定感を伸ばしながら自立を促す「能動的な聞き方」

 上の子が年中になり、少しずつ人間関係のモヤモヤを抱えることが増えてきたようです。友達と嫌なことがあった、先生に怒られた、などの子どもの訴えにどう対応するか?を、親業の「能動的な聞き方」で解説します。

親業とは

 親業とは、「親と子は対等」「子を信じる」ことを前提として、子どもといかに接していくかを学ぶもので、親と子は上下関係で指示命令するのではなく、対等の関係で対話をしていくことが基本となってます。

子どものヘルプのNGな受け取り方

 子どもが、友達と嫌なことがあった、先生に怒られた、お父さんに怒られた…等の訴えをしてきたとき、どうしていますか?
・あなたが悪かったんでしょ
・その先生ひどいわね
・次はこうしたら
 というような対応は、親業では「お決まりの12の型」といって、NGな対応とされています。
 「あなたが悪かったんでしょ」は、辛い気持ちを吐露してくれているのに責めたら行き場がなくなってしまうし、
 「その先生ひどいわね」は、共感しているようで友達や先生を一緒になって責めるのは相手との関係性を悪くするだけ、
 「次はこうしたら」は、解決策を提案していて良いように見えますが、子どもの気持ちを受け止めず自分で解決する力を奪ってしまいます。

能動的な聞き方のやり方

 親業ではこうした問題については「能動的な聞き方」で聞くことが示されています。能動的な聞き方とは、相手が話したことを鏡になってそのまま返してあげるやり方です。
 やり方は、
●言った言葉をそのまま繰り返す
●他の言葉に置き換える
●意図を汲んで別の言葉で言い換える
 だけ。ただし、イライラしたり、投げやりになったり、感情的に話すのはNG。フラットに話すことがポイントです。
 また、大前提として課題の分離の視点が大事です。「〇〇が嫌だったー」と泣いてる時、その問題は私(親)の問題ではなく、あくまで子どもの問題である=子どもが解決していけるように手助けする、という考えに立っています。

能動的な聞き方の効用

 ひたすらこの聞き方をしていくと、
●自分の気持ちを受けいれてもらえたと思う
●納得して気持ちが整理される
解決策を自ら思いつく
 といった短期的な効果が目に見えるように現れます。あるいは、言葉には出なくて一見何も伝わってないように見える時も多くありますが、自分の中では整理がついているということもあるようです。

 長期的には、自分の気持ちを受け入れてもらえたという気持ちが自己肯定感の向上につながるほか、言葉や感情の習得、考える力などの非認知能力の向上にもつながるそうです。

4歳の頃の実例

 少し長いですが、実際の能動的な書き方の例です。風呂場にて、ふざけてお湯をかけられそうになって私が怒った場面です。

子:もお!!あーー!!(言葉にならない怒り)
親:遊びたかったのに、お母さんがお湯がかかりそうで怖いって言ったから嫌だったの?

子:面白そうって思ったのに、かかりそうっていうから!!(少し言語化できた) 
親:面白そうって思ってやったのに、かかりそうって言われて悲しかったんだね。

子:怒ってるし!
親:〇〇ちゃんが怒ってるってことかな?

子:お湯がかかりそうってお母さん怒るから。かからなかったじゃん!
親:かからかったのに、お母さんがかかりそうで怖い、って怒ったのが悲しかったのかな?

子:そう。お母さんにお湯がかからないようにやってたのに。
親:そっか、せっかく気をつけながら面白くやってたのに、お母さんがかかりそうって怒ったから悲しかったんだね。

子:(すっかり落ち着いて)ごめんね。。。

習慣になると?

 この一年半、子どもが嫌なことがあって訴えかけてきた時には、子ども自身が問題を抱えているということを意識して、能動的な聞き方を心がけてきました。
 一番感じるのは、自分の気持ちをよく話してくれるようになってきたなということです。自ら解決までいくことはまだ少ないですが、私が下手に提案するよりも、自分なりに納得して出した答えでスッキリ前に進めているようです。
 続けるコツは、自分に余裕がある時だけしかやらないこと。フラットな気持ち・声で対話しないと逆効果になってしまうので、できるときだけ&大事な局面だけ、と思って続けています。

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