書き下ろし小説「アル」 第9話
私信になります。キャラクター設定について色々悩んでましたが、アドバイスを受けて、ちゃんとキャラクターとして生きていると納得できたので、自分の中で良かったなって。あ、それと後数回で完結しますー。
第1話はこちら
9
「おいどうした!」俺が沢田に尋ねる。
「これ……。パパとママが死んでしまう!!」
極小の通信機器を見つめ、沢田が俺の袖をぎゅっと握りしめて言った。
「パパとママの病状がヤバい状態って事か」
「そうだ」
袖を掴む手は、容易に引き剥がせそうにない。俺の身体なら動けは