アル__2_

書き下ろし小説「アル」 第8話

(淡々と更新をかけていく。ちなみにこの最初の日記みたいなのは、なろう小説さんを参考にした奴です)

第一話はこちら!

8


「俺の父親が資金援助ねえ」目の前の少女に聞こえない音で、俺は舌打ちをする。
「そう」こくんと沢田が頷く。

「あのケチな父がね……ふーん」
「ふーんなの」
「だが、俺と何が関係してるんだ。研究開発の資金援助をお前のパパとママにしました。それでおしまいだろ」
「そうそれだけだったら、良かった。でもね……」
その後、言葉を濁すようにして沢田がもじもじしている。
パパとママ……パパが医者。研究開発……。そして俺。俺なら助かるの言葉。
もしかして、と頭の中でひらめいた。

「まさか、お前のパパとママって事故にあってるのか」
「そうだ。パパとママがな……事故にあってしまって。事故というか、病気だけど。手術が必要だ」
「アイツの差し金かは知らないが、ここから出られるんならさっさと案内しろって!さもないと……」
「待て!!」と荒い息を吐いた、イーの声が聞こえた。
「その子の親は犯罪者だ……なにより、私や君の父親に大けがをさせているんだぞ!」
「え?」あいつが大けがをしているのに、なぜこの子の両親を助けなきゃいけないんだ。

なぜだ?
「事故を起こした張本人でもあるんだぞ!」イーが荒ぶる。

その時。



俺達は考えをまとめる間もなく。
どでかい音に驚いた。

その音は、沢田のパーカーから鳴っていた。

続く

この話や短編はこちらに全部入ってます。作品集は、クレジット入れてもらえたら、朗読OKですよー。


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