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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~228


「摂食障害になってしまったことは、私にとって不幸なことでしたが、自分自身とじっくりと向き合ったり、今までの自分を見つめ直すきっかけにはなったと思っています。もちろん、摂食障害という地獄の苦しみのような経験ではなくて、別の形でそうしたかった、とは思っていますけど」

まあ、それはそうだと思います。しかし、既に摂食障害になってしまった以上『転んでもただでは起きぬ』ではないですけど、そこに自分なりの意義を見出して、自分自身とじっくりと向き合うことや、今までの自分を見つめ直すことについて、改めて考えてみる、ということも大切なことだと思います。

「そうですね、私にとって摂食障害は、長い長い時間と、たくさんのお金がかかっていますし、精神的にも身体的にも耐えられないような負担と苦しみの連続でした。それに、もし摂食障害になっていなかったら出来たことや、やってみたかったことがあったかもしれないし、出会えた人がいたかもしれません。それだけいろいろなことを犠牲にしてきたのですから、ほんの少しでもいいから自分にとって意味があったと思いたいし、そうであってほしいです」

なるほど、摂食障害という長い長いトンネルに迷い込んだりしなければ、今とはまた違った人生があったのではないか、ということですね。

「その通りです。ただ、摂食障害になってしまった事実は変えられないし、なかったことにもならないし、辛く苦しい経験ではありますけれども、それもまた私の人生であることに変わりはありません。先生のおっしゃる通り、自分自身とじっくりと向き合うことや、今までの自分を見つめ直すことについて、私なりにいろいろと考えた時間もたくさんありました。今はまだ完全に『痩せること』や『食べること』に対する拘りがなくなった訳ではありませんけれども、今までたくさん考えたり試したことを、何か一つでも今後に活かすことが出来たらいいなぁ、今後に繋がってくれたらいいなぁ、って思います」

本当にそうですね……あなたなら、今までの何もかもが今後に繋がると思いますよ。それだけいろいろなことをお考えになりましたし、ご自身と向き合うこともなさってきたし、ご自分を見つめ直すこともされてきた。確かに、摂食障害はあなたにとって非常に辛く、苦しい経験であるとは思いますが、それにも負けないくらい、真摯にこの病気と向き合い、戦ってきたのですから。


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