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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~351


私は摂食障害という長い長いトンネルから抜け出せなかったことを、なかったことには出来ないし、なかったことにはしたくない。これだけ必死に、真剣に、人生の全てを懸けてきた摂食障害という『病』を無駄にはしたくないし、無駄には出来ない。決して『摂食障害になって良かった』とは思わないけれど、何かしらの『意味』があったと思うことで、今までの自分を否定したくないし、認めてあげたい。

過去や起きてしまった事実を変えることは出来なくても、私にとっての意味合いや受け止め方を変えることで、もしかしたら過去だって変えることが出来るのかもしれない。辛く、苦しいだけの『地獄のような日々』だって、私にとっての意味を変えることは出来るのかもしれない。

それから、過去の自分も、今の自分も、これからの自分も、どの自分もどこかの時点できれいさっぱりリセット出来る訳ではない。生きている限り、過去の自分が今の自分を成り立たせているのだし、今の自分がこれからの自分に繋がっていくのだと思う。自分は自分、過去も今もこれからも、死ぬまでずっとずっと続いていくのだし、繋がっているのだから。

それに、もし自分のことが嫌で、きらいで、イライラして『自分をやめたい』と思ったとしても、完全に自分を脱ぎ捨てて、憧れの、理想の『誰か』になれる訳でもない。痩せて、痩せて、痩せ続けても、理想の『私』にはなれなかったし、憧れの『誰か』になれる訳でもなかった。そこにはただ、自分の限界を超えた『痩せたい』を追求し続けた代償として『食べたい』に押し潰されて、どこにも逃げられない無限のループにはまってしまった『私』がいただけだった。

回り道どころか、同じところを行ったり来たりしていただけの私だけれど、結局今出来ることを一つ一つ積み重ねて、ほんの少しずつ変えていくこと、諦めないでなりたい自分を目指すこと。ものすごく地味かもしれないけれど、時間はかかるかもしれないけれど、そういうことを続けるしかないような気がする。


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