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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~212


「やりたいことがあるから、したいことがあるから摂食障害を克服したい、でもいいのかもしれない。理由なんて、何でもいいのかもしれない。とにかく摂食障害を克服するモチベーションを維持すること、諦めないこと、今出来ることを一つ一つ積み重ねること、それらのことを続けること、そのことに集中する。ただそれだけでいいのかもしれない」

私がやりたいことって、何だろう。やりたくないことなら、たくさんあるのだけれど。例えば過食材の買い物、過食嘔吐、『食べること』や『痩せること』に囚われて、考えることをやめられないこと……

そういえば、亡きおばあちゃんと約束したことがあったっけ。

おばあちゃん、お菓子も食事も、美味しいね、美味しいねって、これ食べると元気が出るねって、みんなで一緒に食べると楽しいねって、そうやって食べるものだよね、そうやって食べたいよね。
今までみたいにおばあちゃんと一緒に楽しく食事出来るようになったら、またみんなでお腹いっぱい美味しいものを食べようね、約束してね……

思い出してみると、これらは吐かずに食べたり、『普通に』食べたり、誰かと一緒に楽しそうに食べたり、と今まで思っていたことと同じだった。

「結局今の私は、摂食障害の『その先』よりも、過食嘔吐のことを考えないで『普通に』食べることが一番やりたいことなのかもしれない。それはもう、随分前からそう思っていたのだから、やっぱり私は『普通に』食べたい、ただそれだけ、なのかもしれない」

そう、『普通に』食べること……こんな当たり前のことが、今の私にとってどれだけ大変で、遥か遠い未来なのか。けれども、『普通に』食べることが出来れば、友達と会うことも、一緒に遊ぶことも、会社の飲み会も、(今はいないけど)彼氏とのデートも、何もかも、少なくとも『食べること』を気にしなくても行動に移すことが出来る。『普通に』食べることが出来れば、人とのコミュニケーションで悩むことが格段に少なくなる。食べることは、美味しさを噛みしめることであり、食べたい物を食べて心も身体も満たされること。そして、人と美味しさや楽しさを分かち合うコミュニケーションの大切なツールでもある。だとすれば、今の私は『普通に食べたい』を手に入れるために摂食障害を克服する、そんなシンプルな理由でもいいのかもしれない。


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