見出し画像

摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~218


私が、私自身を幸せに出来るかもしれない。笑顔にすることが出来るかもしれない。キラキラ輝かせることが出来るかもしれない。楽しくさせることが出来るかもしれない……希望の光が、こんな私にも差し込む日が来るのかもしれない。その日まで、私は諦めない。私は、諦めない。

昨日は、サラダチキンを食べたところまでは覚えているけど、その後の記憶が曖昧だった。ただ、テーブルの上に残っているお皿や、ごみ箱を見てみると、どうやら追加の買い物には行っていないようだった。そんなに急ピッチで飲んだ記憶はないけれど、パンを味わって食べながら泣いてしまって、その後は嬉しさもあってか、自然とお酒が進んだようだった。スイーツもアイスも、食べた後の容器が捨ててあったから、しっかり食べたようだった。ただ、味わって食べたかどうかは覚えていなかった。

「私、食べたら吐かずにそのまま寝てしまったのね。はっきりとした記憶はないけれど、胃の感じからして、確実に吐いてはいないはず。何か、夕飯を吐かずに食べたのなんて、何年ぶりかしら。胃の中に食べ物が残っている感じはちょっと嫌だし、許せないけど、でもある意味吐かずに食べることが出来たし、味わって食べることも出来たのだから、それはそれで良しとしよう」

お酒の力を借りてでもいい。たった一回だけでもいい。とにかく、今の私には『吐かずに食べることが出来た』『味わって食べることが出来た』という『成功体験』が何よりも大切な気がした。そして、それを一つ一つ積み重ねることも大切なことだった。

「昨日出来たからと言って、今日も出来る訳ではないかもしれない。明日はまた、過食嘔吐に逆戻りしてしまうかもしれない。それでもいい、私にも出来る、ということを自信に繋げて、諦めないで続けていく。それでいいのだと思う。それしかないのだと思う。それが全てなのだと思う」

今出来ることを一つ一つ積み重ねること、そして今出来ないことは、無理してやらないこと。これらはつまり、

今の自分の限界を認めて

今の自分の状態を見極めて

ありのままの自分を否定することなく

無理をしないことで自分を大切にする

ということに繋がっている……それでいいし、それしかないし、それが全て。

私は、何となくではあるけれども、摂食障害の克服に向けて、ほんの少しだけ先へ進むことが出来た、そんな気がした。


今日もありがとうございます。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

私の作品紹介

よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、今後、摂食障害で悩む方々のサポート活動に、大切に使わせていただきます。