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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~161


「うん、そうだよ。だって、本当はとってもシンプルで、難しく考える必要なんて全然ない。でしょ?」

「そうだよね、ホントそう・・・変な理屈をつけて、問題を複雑にしているのは、私自身なんだよね・・・由希、いろいろ気付かせてくれて、ありがとう」

「そんな、全然。私はただ、思ったことを言っただけで、気付いたのはお姉ちゃんだから

私は、

買いたければ、買ってもいい

食べたければ、食べてもいい

痩せたければ、吐いてもいい

吐かずに済むのなら、吐かなくてもいい

そんな自分を許せるのなら、許してあげよう

自分が自分を許せなければ、誰も許してはくれないのだから・・・

ただそれだけのこと。とってもシンプルで、難しく考える必要なんて全然ない。

本当はとてもシンプルなのに、変な理屈をつけて、問題を複雑にし過ぎていたのは、私自身。

それは、確かにそう・・・理屈ではわかっているつもりだけど、頭で考えていることを、どうやって実践していくのか。シンプルなだけに、行動に移す難しさを、そこに立ちはだかる壁の存在を感じずにはいられなかった。

「でも、ここを乗り越えられなければ、摂食障害の克服には辿り着けないのではないか、過食嘔吐をやめて、みんなと一緒に(普通に)食べることは出来ないのではないか・・・あぁ、何か、やっとここまで来たのに、同じ場所で足踏みしているばかりのような気がする」

昨日までうまくいってたのに、今日になったらどうしてもうまくいかないことがあったり、わかったと思ったのに、わからなくなってしまうことがあったり、いい時と悪い時の波?みたいなものがあるんじゃないかな、って思うの。私は、病気のことは本で読んだくらいの知識しかないから、詳しいことはわからないけど、良くなったり、逆戻りしたりを繰り返しながら、少しずつ進んでいく、そういう感じの病気なんじゃないかなぁ・・・

由希は、そう言っていた。先生も確か、同じようなことを言っていた気がする。摂食障害とは、そういう病気なのかもしれない。ある日突然、素晴らしいことを思い付いたとしても、一日ですっかり良くなる訳ではないだろうし、

○○をすれば(○○をやめれば)、3か月で良くなります!

みたいなことも、ないだろうし。おそらく、摂食障害の克服には王道とか、必殺技みたいなものはなくて、先生の言うように、いつになるかはわからないけど、いつかきっと良くなる、と信じて今出来ることを続けるしか、一つ一つ積み重ねるしか、ないのかもしれない。

「そんなことは、頭ではわかっているつもりだけど、そのいつかを待てるかどうか、なのかもしれない・・・」


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