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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~388


私の心の中は、相変わらず『痩せること』と『食べること』で支配されていて、ここ何年も大して変わらないのに、街や世間をゆっくりと眺めてみると、時間も季節も当たり前のように変わっていく。

「私も、変われるのかな。あっ、ほんの少しずつでも変わっているのだからそれでいいんだよね。それでいい、それでいい……」

『街並みとかお店とかをもっと良く見る』と言っても、どうしても飲食店や食べ物を売ってるお店ばかりを目で追いかけてしまう。私の心の中はそれほどでもないけれど、街の雰囲気が『クリスマス!』一色という感じなのもタイミングが悪かったのかもしれない。

「何だかなぁ……せっかく家に一人で籠って考え事するよりはいいかと思って出かけてみたけれど、これじゃあ世間の誘惑に押し潰されてしまいそう」

このままではいけない、と思い、この前行った公園にでも逃げ込むことにした。

「ちょっと今日は寒いから、コンビニでホットコーヒーでも買ってから行こう」

公園では相変わらず子供たちが元気に、楽しそうに走り回っていた。この前来た時には、確かそんな子供たちが羨ましくて、自分のことが惨めになってしまったんじゃなかったかしら。

「いっそのこと、私も走り回ってみようかな」

バッグからスマホと財布を取り出してコートのポケットに突っ込んで、コーヒーとバッグをベンチに置いた。ちょっと大き目な公園だったので、軽く一周するつもりで駆け出してみた。

1分も走ってなかったと思うけれど、膝がガクガクしてきてしまった。そういえば、ここ何年も運動らしい運動はしていないのだから当たり前かもしれない。心臓もドキドキするし、ちょっと危険な感じがしたので走ることは諦めた。

「いくら20代でも、摂食障害で運動不足じゃあ走ることも出来ないのかも」

私は、今出来ることを淡々と、一つ一つ積み重ねていくだけ。無理は禁物。そうやって諦めないで、今出来ることを続けて、ほんの少しずつ進んでいくしかないのかもしれない。


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