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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~196


自分自身の考え方や頑なな価値観から自らを解放させることが出来るのは、誰でもない自分自身なのですが、がんじがらめに硬直してしまった思考回路や感覚を一つ一つ解きほぐす作業には、他者の介入やサポート、有益な情報に触れる、ということが必要になってくるのです。そして自らも、摂食障害を克服することを諦めない、今出来ることを一つ一つ続ける、そういった姿勢を持ち続けることが必要で、大切なことなのです。

「自分の考え方や価値観を変えることが出来るのは、最終的には自分自身である。けれども、そのためには摂食障害や自分のことを良く理解してくれている人との繋がり、サポートが必要になってくる。自分一人の力だけでは、摂食障害を克服するのはなかなか難しい。だからといって、諦めてしまっては、克服へ辿り着くこと、自分自身を苦しみや辛さから解放することからは、ますます遠ざかってしまう。いつか必ず辿り着くことが出来るとしても、いつになるかわからない未来のことを思って途方に暮れるくらいなら、今日、この1時間、1分、1秒を大切にして今の自分の足元をしっかりと見つめる。その上で、今出来ることを一つ一つ積み重ねる。結局は、それしかないし、それが全て。そう信じて、気持ちを切らさずに持ち続けること。それが、摂食障害を克服する唯一の方法なのかもしれない……先生、そういうことなんですよね?」

そうですね、正におっしゃる通りだと思います。それともう一つ付け加えるとすれば、必ずしも頭で考えることが、思い描いた通りに出来る訳ではなくて、なかなか思い通りにいかない、うまくいかないことが多い。それでも、うまくいかなくて当然、失敗して当たり前だと思って、気持ちを切り替えて、今出来ることに集中する。そして、今出来ないことを、無理して追求し過ぎない。

だって、摂食障害になってしまった時点で、完璧でも何でもないし、抑えられない食欲と、それでも痩せたいという思いを、過食嘔吐という手段を使わなければ維持出来ないのだか……

ということですよね。

「そうです、そうなんです。先生、あのう、今話をしていて思ったのですけど、

摂食障害当事者は患者であるけれども、その克服の方法を知っているのは、そして克服のノウハウを持ち合わせているのは、他でもない自分自身なのです

とか、

自分でもどうしたら克服出来るのか、克服のノウハウは何なのかに辿り着くために、良き理解者によるサポートが必要になってくる

ということを忘れないこと、克服を諦めないこと、そして今出来ることを続けること。そして、これらを常に意識する、忘れない、思い出す、心掛ける、ということが考え方や価値観の変化に繋がっていく気がするのです」


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