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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~255


家に居られなくて、あてもなく電車に乗ったこと

考え事をしていたら、先生のところの最寄り駅に着いたこと

お昼の時間帯で、どこのお店にも入れなかったこと

仕方なく歩き回っていたら、木陰のある公園を見つけたこと

公園の子供たちを見て、お腹が減ったらおいしいものをたくさん食べようと思ったこと……

これらは全て、偶然の出来事だった。偶然が重なっただけだったけど、結果的にはおいしいパフェを食べることが出来たし、吐くこともしなかった。

「うまくいく時って、案外そんなものなのかもしれない」

昨日の出来事は、先生からの宿題である『成功体験』を積み重ねたことになるのだろうか。始めから、パフェを吐かずに食べると決めていた訳ではなかったけれど、いくつもの『偶然』が重なって、結果的には何年かぶりに、いかにもカロリーが高そうなパフェを完食してしまった。そして、その後過食するのかとか、吐くのかとか、いつもは目まぐるしく考えを巡らせることを考える余裕もなくて、疲れてしまって家に帰った。ただそれだけだった。

「でも、意図したことを始めから思い通りにこなせることなんて、摂食障害になってからというもの、ほぼほぼないに等しいのだから、それはそれで『結果オーライ』ってことでいいんだよね」

今の私は、特に『痩せること』や『食べること』については、綿密に計画を立てたとしても、あるいは何回も頭の中でシミュレーションを繰り返したとしても、思い通りにいかないことがほとんどなのだから、偶然が重なった結果だとしても『吐かずに食べる』が出来たのであれば、それは『成功体験』と言ってもいいのではないだろうか。自分の力だけでは、自分のことですらどうにもならないことばかりなのだから、結果としてうまくいったのならば、それはそれでまさしく『結果オーライ』だし、何なら自信を持ってもいいのではないだろうか。

「それにしても、お腹が空いている時に食べるものって、どうしてあんなにおいしいんだろう」

お腹が減ったらおいしいものをたくさん食べて、喉が渇いたらカロリーや糖質のことなんて気にしないで好きな物を飲んで……そんなこと、もう何年も忘れていた。だけど、そんな日常のほんの些細な出来事が、今の私にとってはとてつもなく大きな出来事で、大切なことで、幸せなことなんだって、そんなことに改めて気付くことが出来た。

「あてなんて、何にもなかったけれど、それでも行動したことが良かったのかもしれないなぁ」


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