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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~168


そう、痩せたいだって、昨日より痩せたいを続けようとするから、限界があって、過食嘔吐に頼らざるを得なくなってしまった。痩せたいのハードルをほんの少し下げて、例えばBMI18.5より痩せていれば、たとえ昨日より太ったとしてもまあ良しとしよう、みたいな。そんな風に考えることが出来れば、完璧主義を手放すことよりは、そんなに辛く、苦しくはないのかもしれない・・・

「そう考えると、やめたくてもやめられない過食嘔吐をやめる、ということは、もしかしたら今と同じくらい痩せたいと思うこと、痩せていることを手放すことになるのかもしれない・・・」

冷静に考えると、それは確かにそうで、当たり前のことだった。だって、今の痩せたいは、過食嘔吐を抜きにしては成り立たないのだから。成り立たないからこそ、過食嘔吐を覚えて、それに頼って、縋って、やっとのことで維持しているだけなのだから。もう、今となっては、痩せたいが行き過ぎて過食嘔吐をやめられないのか、それとも過食嘔吐をやめられないから痩せていられるのか、どっちなんだか良くわからないけれど、でもとにかく、過食嘔吐をやめる、そこから抜け出す、ということは、今と同じレベルで痩せたいと思うこと、痩せていること、痩せ続けることを手放す、と同じことを意味していた。

「それでも私は、過食嘔吐をやめることを選びたいし、目指したいし、そこに辿り着きたい・・・もう本当に、過食嘔吐は辛いし、やめたいし、普通に食べたい。買い物なんて、本当は行きたくないし、甘い物や油ものだって、本当は食べたくない。野菜だって食べたいし、魚だって食べたい。それに、何が嫌だって、吐くのなんか嫌だし、もう吐きたくなんかない。普通に食べて、食べ終わったら普通にごちそうさまでした、って言って、歯磨きして、寝たい。ただそれだけ・・・」

私に残された課題、立ちはだかる壁は、いかにしてそれを実践するか、続けていくか、ということだった。それは、簡単なようで、実は人生最大の難問なのかもしれない・・・だけど今の私は、その難問に向き合って、諦めないで、何とかして取り組んで、その難問のに答えに辿り着きたかった。


ただ普通に食べたいだけなのに

ただ楽しく食べたいだけなのに

ただ美味しく食べたいだけなのに

ただみんなと食べたいだけなのに

ただもう吐きたくないだけなのに

ただそれだけなのに、そうする自分の姿は途方もない彼方にしか存在しないような、そんな気がした・・・


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