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ごめんよルンバ お前はすごいやつだった!! 田舎の公務員のハイテク

 「休みの日は1日1回更新する!もっと田舎や地方公務員の事情がわかって、ためになる記事を書く!」と決意していたが、休みまで仕事のことを思い出すのが苦痛で早々に挫折してしまった。
 まずはちゃんと記事更新できるようにライトめなネタから少しずつ頑張ります…

 で、1番に書かばならぬこと。
 それは、ルンバはすごく使えるやつだったということだ!!ごめんよルンバ。お前は偉い。

 ルンバは1日目は段差で止まり大量の助けを求め続け、2日目もバンパーを叩けと遠隔からSOSを出し続けていた。 
 しかし、3日目。センサーがこなれてきたのか、猛烈に働くようになったのである!!引っかかるようなところに行かなくなった。

 1番安い型の、一つ手前の型をセールで買ったので、マッピング機能などはない。ルンバは、搭載されたセンサーだけを頼りに未知の部屋で働いているのである。うう、健気なやつ。
 仕事も申し分なく、チロの毛がごっそりと取れている。偉いぞ、お前!!
 初動の働きぶり、あれがお主の本来の姿じゃったのか…。ごっそりと取れたゴミを見た僕は、奇跡を目の当たりにした老人となった。

 ルンバはその後も、汚名返上とばかりに働きつづけた。
 やるときは集中してやる!!しかし、無理はしない。中々の速度で部屋をガンガン周り、自分の限界を自覚して充電器に戻る姿はまさに令和の働きぶりであった。

 そして、ルンバによって1番変わったのは母であった。意外である。
 僕は、母に金遣いの荒いゲームオタクの子供部屋おじさんと認識されており、全くもってそのとおりのハッピーな生活をしている(仕事の時以外)。
 僕が住むゾーンの掃除機が壊れたこともあり、ルンバを買うと決めたのだが、事前に説明したら、また家事をサボることを考えだしたのかと説教をされた。

 サボるのではなく、要領がよくなるだけである。というか、選択肢があるなら手間を省くのは人類が選んできた道だ。
 たとえ、掃除をルンバがこなしてくれても、それがデフォルトとなり、人はさらに上のことを課せられていく。
 空いた時間は他のこと(ゲーム)ができるようになるし、していかなくてはならないのだと、説得したが、「あんたはほんとに怠け者だね。私は絶対に使わない」と黙り込んでしまった。
 「忍」で生き抜いてきただけあり、頑固である。「人類」まで引き合いに出して説得した僕は一体何だったのか。
 「ま、いーや」と買ってルンバが届いたときも、愚行に走る我が子を止められない怒りの炎が、その身から溢れ出ていた。 
 ルンバが失敗した時は、「これだからあんたは無駄金ばかりつかって」と鬼の首を取ったかのように僕を見ることは火を見るよりも明らかであった。

 しかし、「使わない」宣言をしていた割に、母は2日目にルンバをいじってみたくなったらしく、僕が仕事に行っている間に、サクッと居間に運び起動した。
 起動したルンバは持ち運びのせいか、ゴミを一気食いしてしまったショックか、SOSを発信し続けていたのであった。
 ちなみに帰宅した僕を待っていたのは「ルンバはやっぱり使えない」という一言であり、僕はルンバの受難を知った。

 そして、3日目。僕が調べてなんとかなるだろうレベルにしたルンバを母は起動した。

 次に僕を待っていたのは「ルンバが働いた」という喜びの声であった。
 母は一気にルンバ教に鞍替えし、ルンバの働きぶりを語った。言葉は少ないが興奮が滲み出ていた。
あれだけ掃除はしっかり自分がやるべきと言っていたのに「ルンバが働いている間に髪が染められた」と喜んでいた。
 人類の例えが少しは理解してもらえたのだろうか、それとも手が空いたら別の何かをするということは、人類が無意識にやってしまうことなのだろうか。
 ともあれ、母は苦労だらけの人生に少しの自分時間を、ルンバは実力で居場所を勝ち取ったのである。
「ルンバ買ってくれて良かった。ありがと」
 「お、おう」
 僕も母に似て言葉が少ない。照れてあまり何も言えなくなってしまった。
 ルンバよ、ありがとうな。

 そしてゴールデンウィーク。寝起きに何気なくスマホを見た僕は驚いた。
 1番安い機種が、1万円引きのゴールデンウィークセールをしていたのである。
 今買えば、今買えば、ほぼ同じ値段で現在の機種だったのにーー!!はぁぁぁぁあ!!
 恨む。僕はスマホ広告を恨む。せっかくいい気分だったのに。履歴見るなら購入した履歴があったらそれを抜け!買ったやつのさらにお得情報なんか見せんなよ!!

 ルンバを横目で見ると、うちに馴染みすぎてホコリだらけの傷だらけ。すでに歴戦の勇者のようになってしまっていた。返品できねぇなコレは…。

 ま、型遅れくらいが僕のうちにはあってるのかもしれないな。ルンバよ、これからもよろしくな。
 僕は、また春眠を貪った。

 
 


 

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