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「探究」イベントに行ってきました

私は歴史好きな社会科なので、総合的な学習とか探究とか、本来あまり興味はないのですが、


やらなければならないなら、ある程度形にしたいという思いもあり、模索しています。


今日は学校ではなく、外部機関で探究を行っている子どもたちの成果発表会に行ってきました。
高校生がメインということで、中学生としてのゴールの姿を見てみたいという動機でした。



まずは、発表のステージがアーティストのライブみたいで、Appleの新作発表会のようなお洒落な舞台でした。
普段学校でやっているなにげない発表の場も、ライトや音響で演出を付け足せば、本気の発表の場に変わるように感じました。



探究テーマのために県外や外国に行けたり、生成AIなど有料アプリを使ったり、実際に調理をしたり...

学校の限られた資金と時間では、なかなか難しかしいのですが、助成金や多くの企業さんのご協力で外部機関ではここまでできるのか、と驚くことばかりでした。


学校ができることは、アイデアを持つための基盤づくりぐらいだと思います。様々な教科で膨大な基礎的な知識と、教科ごとに必要な思考力を身につける。それを持ちいて、自分自信や社会的課題を解決するためのアプローチを考える。


学校では、出来上がったアイデアを、小規模で試す、あるいは企業や自治体などしかるべき機関にプレゼンする、または外部機関に繋ぐ、ぐらいしかできないと思ってしまいました。


学校では、やはりお金と時間、それからいろいろな制約が子どもたちの意欲を邪魔してしまうように思います。


様々な制約について思ったことを書きます。


①海外も県外すらも調査に行けない。県内も難しく、ほとんどの学校では校区内から出られない。生徒が自主的にやってくれれば、と思っても、あくまで自主的な活動になるので、資金も出せないし、聞かれない限りは具体的なアドバイスもできない。


②企業と繋がるには、先生個人がプライベートな時間を駆使して、繋がりを生み出す努力がいる。
私の性格的な問題もありますが、自分から積極的にいかない限り、教員ってなかなか繋がってもらえない印象です。


③資金はほとんど無く、頑張って1グループ500円程度。何か創造的なアイデアが浮かんでも、難しい。今まで実際使えたのは折り紙、画用紙、ポスターなどの印刷物、ラミネーター、布、木材ぐらいです。
とすると、出来上がる成果物はポスターやパンフレットが7割ぐらいで、後はWEB上の動画やホームページぐらいです。イベントをするにも、食べ物はもちろん、飲み物すら出せず、集客が難しいです。


④授業時間外での活動や教員の引率なしの活動は基本行わない。働き方改革とかの関係で、どうしても必要でなければ、授業時間外は活動しないように言われています。どうしても授業外に活動する場合は教員から保護者に連絡を入れるとのことで、さらにハードルがあがります。

⑤使える機器は、一人一台のタブレット端末。パソコンは頑張ればPCルームのものなら使える。
高度な動画編集ソフトなどは使えないし、アップルペンシルすら使えない。生成AIも有料バージョンはもちろん、現段階では保護者の同意なしで
は使うことができません。

⑥併走する大人は1クラス、40人あたりに1人。外部機関では、1人子どもに様々な会社や立場の複数の本気な大人が関わっていた印象です。
教員は起業や会社経営のノウハウは全くない。さらに、日々の自分の教科の授業や業務プラスで関わるので、やりたい気持ちはあっても心の余裕がない。

⑦子どもの健康や安全を守るために許可されないことが多い。
例えば、学校の屋上でイベントとか、給食で余った食材を放課後に夜ご飯として食べよう!とか、飲食イベントとか...。子どもからでたアイデアとしては面白いのですが、学校という場である限り、不可能だと分かってしまいます。特に飲食系は子どもたちが興味をもちやすいところではありますが、感染症やアレルギーの問題等もあり、気軽に許可できない部分ではあります。


まだまだありそうですが、これらの制約があって子どもたちの創造的で探究的な学びを生み出すのはなかなか限界だと思いました。

制約ばかりあげても仕方がないのですが、本気で探究するなら、その制約をひとつでも多く取っ払う必要があるように感じています。

GIGAスクール構想のように、探究学習用に莫大な資金がおりない限り難しいのではないかと思ってしまいます。

とはいえ、総合的な学習や社会科の授業で探究的な活動の時間が持ててるだけ良いのでは?とも言われます。いまだに進路学習や行事準備で時数を全て使ってしまう学校も多いようです。


制約に気づくことができたという成果を得たという意味で、学校という場でとりあえず探究的な学習をやってみること自体に意味があったのかもしれません。

これができたらな、あれができたらな、と教員としてかなりモヤモヤしますが、
子どもも恐らく同じ様にモヤモヤしていて、

例えば外部機関に出向いて学校でできなかったことに挑戦したり、大人になってからなんらかの形で再チャレンジするかもしれません。


中途半端で不完全な形でも、学校ですべての子どもたちがやってみる、という機会があることが大切なのかもしれません。

ただ、今の子どもたちは一度失敗したら、もうやらない!となりがちです。
もう一度やってみるように促したり、やりたいことができそうな外部機関や、進学先などを紹介する、繋ぐ役割が求められるように感じています。

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