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1年間の探究学習のまとめ

一年間の総合的な学習の時間のまとめに入ってきました。現任校では、探究学習に力を入れています。
生徒の探究のまとめが終わり、気づいたことを記そうと思います。

まずはじめに、総合的な学習の時間のねらいを確認します。

総合的な学習(探究)の時間は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしていることから、これからの時代においてますます重要な役割を果たすものである。

文部科学省HPより

文面から読み取れば、

変化の激しい社会に対応できるように
課題を見つけ、
様々な教科で得た力を駆使して
解決していきましょう!

という時間です。

実際は、職業調べ、地域調べ、高校調べ、修学旅行先調べと、やたら調べて…
模造紙かレポートか、最近であるならばスライドにまとめている印象でした。
調べているだけで、課題解決はしていないんですよね...

それを、ちゃんとした探究をやりましょう!と多くの時間を使ってやっているわけですが…大人も子どもも答えがなくゴールも見えないことに取り組まなければならないので、本当に大変でした。

今年度の子どもたちの成果発表会から感じたことです。

子ども達の成果

1 質問力の向上

発表する機会がこれまでも何度もあったのですが、昨年度あった「それ聞いてどうするの?」的な質問は今年はありませんでした。

アンケート結果の数値がおかしい、結論に根拠がない、目的と活動内容があっていない、相手側の目線に立った評価がない、など鋭い指摘が多く見られました。
また効果があった点について詳しく知りたい、といった前向きな質問もありました。

2 私たちらしさの追究

いくつかのチームだけではありますが、「中学生である私たち」だからできることを考えたとか、「○○中学校の生徒らしさ」を取り入れたという言葉がありました。
総合でも社会科でも何でも課題の解決策を考えると、ポスター作りがちで、最近だとPR動画作りがちなのですが、その中身にオリジナリティがあれば良いと思うのです。

大人な作りそうなものや、既にありそうなものではなく、中学生である自分たちだからこそ!とか、自分たちの住む地域や学校の特色を活かしたものになると、自然とオリジナリティが生まれるかと思います。
解決策を考える前に、「私たちらしさ」を考えて見る活動をいれても面白いと感じました。

3 トライ&エラーを重ねる

自分の仕事の仕方もそうですが、完璧なものを作ろうとして時間をかけすぎているチームが多々ありました。物は完成したけど、成果の検証できなかったので、まとめも「効果を確かめることができませんでした」になってしまいました。

試作品を作り、まず5人に聞いてみるとか、完璧なものでなくても、とりあえず仮にできたものを試すことが大事だと思います。

失敗が怖いからこそ完璧になるまで、または時間切れになるまで試せない。試せないまま終わってしまうもったいないパターンです。


1回も試せないチームもあった中、中身が濃い発表をしていたチームは、試し打ちを3回以上していました。改善を重ねる中で形になっていく様子が分かり、生徒たちも次はどう変えてくるのか、興味津々で発表を聞いている様子が分かりました。

4 自分目線と相手目線と

生徒の質問に、「自分たちの評価は分かりましたが、相手にとっての評価はどうなんですか?」というものがありました。
確かに両方必要です。はっとしました。
学校にしても地域にしても課題は相手があるものなので、確かに解決できたかどうかは相手にも聞いてみる必要があります。
常に視点を両方もつことが大事だと分かりました。

子ども達の課題

1ポスター作りがち


これは社会科でもそうですが、課題の解決策としてやはりポスター作りがちなんですよね...。
振り返りにもポスターしか思いつかなかった、なんて書いてあります。
毎日通る校舎の階段にあるポスターなんかは見ることもありますが、ポスターを見て何か行動することってほとんどないんですよね。

2指示を待ちがち


先生に言われたから動くパターンが多いです。私は生徒に頼まれたことはするけれど、できるだけ指示しないようにしていました。
するとなかなか進まなくなります。
報告はいるけど指示はまたなくて良いよと伝えたいものです。

教師側の課題

1 担当テーマが多すぎる

他の学校の実践を見ていると、1クラスで同じテーマ、先生は1テーマに向きあえばよいパターンが多いです。
今回私が担当したのは5つ。
同時にいろんなことを頼まれてキャパオーバーになることもありました。
少なければもっと1つ1つに向きあえたかと思っています。

2 どこまでできるか問題

ベテランの先生はわりと思いきって動いていますが、我々若手はルールを気にしてしまいます。探究的な活動はわりと思いきって動く必要がありますが、私なんかはきっと管理職に駄目だと言われると思って動けないことが思いです。

経験の少ない教員でも動きやすいように、全体で基準があると良いと思います。


例えば、放課後や休日の活動、決められたエリアを越えたフィールドワーク、生徒が飲食を伴う活動などです。このあたり、良いのか悪いのか明言されていません。


あと人材も先生個人の繋がりを頼りにして活動しているので、経験年数の低い先生が不利になります。どの教員でも関われるように、システム化したら良いと思います。人材バンク的なイメージです。

本格的な探究学習に関わって2年目。去年より並走者として頑張れたとは思いますが、やはり積極的に指導される先生が担当するチームは得たものが大きいような気がしています。

そのあたりのさじ加減を先輩教員から勉強したい思いがあり、年度当初に担当教員2人体制を提案したのですが、いろいろ事情があり、提案した私だけほぼ1人体制という事態になってしまいました。それは仕方がないことなのですが、元々上手くできていなかったのに、自分が提案した体制がさらに自分を苦しめてしまった1年間でした。

さて、来年はどうしようかな...他の学校の実践を見たり、いろんな人と話したりして自分の立ち位置を研究したいと思います!


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