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「来年になったら、あったかい敷きパッドを買い直すの」 そう言って、眠ったところだった。 わたしのあったか敷きパッドは、敷布団に対して少し小さくて、左右が余っている。 たまたま見つけて勢いで買ったもので(買って本当によかった。幸福度が増した)、グレイで(わたしはグレイの毛並みを愛している。昔飼っていたハスキーに似ているから)、小さいと言っても、わたしの身体に対しては充分な大きさだった。 大きさは足りているのだけれど、寝相には対応しておらず、パッドは右に寄ったり左に行ってしま
せっかくだから、という生き方を愛している。 それは、「ついでに」というのとだいたい同じで ついでに、郵便局に行こう、とか 郵便局にだけ行くのは面倒なのに。 百均に行くついでに、と思うと、なかなかいいぞ、という気持ちになる。 * 引っ越してからベランダが広くなったので、外でラジオ体操をするようになった。 惹かれるように、窓を開ける。 寒いのに、わかっているのに。 今朝はまだ暗い時間で、指先は真っ赤になった。 「今日はマイナス17度で」と書かれたハガキが、北海道から届いたば
書きたいことがないのか 時間がないのか、よくわからない。 朝、そろそろ仕事に行かなくてはならない。 そして、この朝のうちに1本は書くのだ。と決めていた。 毎日更新の、昨日分。 * 昨日は、帰ってきてごはんを食べて、そのまま眠ってしまった。 何度か目が覚めたけれど起き上がることもせず、部屋の電気を消すこともなく、気づいたら朝だった。 きちんと、朝に目覚ましをかけていた。 のろのろと起き上がって、ストレッチをして、シャワーを浴びて ほんの少し、時間に余裕がある。 ような気
今朝は、ぎゅんと寒い。 床もテーブルも、水も、ぜんぶが冷たい。 寒さに支配されて、 眠いのか、おなかが空いているのか、やる気が出ないだけなのか ぜんぜん区別がつかない。 寒い。 朝のストレッチが終わったあと、ヨガマットに転がっていたら寒くてびっくりした。 何に驚いたかって、この部屋は夏には暑かったことだ。 家の中で、いちばん暑かった。 それなのに冬には寒いって、残酷すぎやしないか。 困ったなァ。 * ベッドの横の、薄い黄色のカーテンをめくる。 冬になると、どきどきめく
朝、もにゃもにゃとパソコンの前に座る。 出勤前に、書いて、弾いて、を終わらせたい。 別に、朝が得意というわけではなくて 夜が眠かっただけで わたしはここに座っている。 * ものを書く能力の半分くらいは、適切なBGMを選ぶ能力である。 というのを、わたしは何度も噛み締めている。 書きたいことがあるから書いている、ということは稀で だいたいはどこかから、引っ張り出す。 ようやく書くことが決まっても、うまく集中できないことも多い。 没入の手助け、が音だと思っている。 *
早起きしよう。 が、いつもうまくいかない。 家を出る、とか 電話をする約束があると、とか そういう確固たる何かがあれば、ぜんぜん起きれるんだけどなあ。 「できれば」っていうときはだめ。 多くは、「できれば朝のうちに日課をやろう」ってやつ。 「絶対やらなくちゃ」のタイミングだと、起きれるんだけどなあ… まどろみながらも、その判断は見誤らないから結構すごい。とすら思うほど正確に。 * 「もうちょっと早く起きられたら」と思うことはある。 たくさんある。 掃除は終わったけど
すうっと、抜けるような感覚だった。 または、ふうっと落ちるような感覚。 何かがいなくなって ここにはいられなくなって 大きく欠いた、と思う。 大きく欠いた。 でもそのあとの行動や決断は、きちんと自分に委ねられていた。 悲しむのか、怒るのか 追うのか 唇を噛むことすらできずに、一度静かに見送った。 いつか帰ってきてくれればいい、と思ったけれど、そんなに易しい話ではない。と悟る。 煙草を辞めてしまったことが、時折寂しい。 ほんとうはいつも寂しかったはずなのに、いまでは時折
朝、雨が降ると家の中はしっとりと暗い。 身体を起こして、部屋の電気を点ける。 わたしの部屋、わたしだけの秘密基地が目覚めてゆく。 キッチンに出ると、窓から雨の気配が漂ってくる。 わたしはそれをたっぷり吸い込んで、見つめる。 まだ、キッチンには明かりを灯さない。 雨にも、光があると思う。 水の光、 静かに輝いてる。 夜の暗闇とは違うそれに照らされる小さなキッチンは、まるで潜水艇のようだった。 ゆっくりと漂う。 家だから動くはずはないし、わたしは潜水艇に乗ったこともない
そろそろ、いいかもしれない。 充分、満足した。 そんな気持ちで、ふとんを蹴り上げた。 * 眠ってしまおう、と思う。 ときどき、そう思う。 「少し休もう」ではなく 「もういいよ」と思って、眠りにつく。 「あれもこれもやらなくちゃ」とか、 「今日の日課も終わってない」とか、 「掃除もしてない」とか いろいろ思うけれど、まあまあ、落ち着きたまえ。 眠ってしまおう。 今日のところは、それでだいじょうぶ。 * そんなふうに眠ると、朝が来る。 “相当”寝すぎない限り、最終
夜もいい、と思う。 やっぱり夜がいい、と思う。 最近、朝にエッセイを書いたり、日課をこなしたりする日々を過ごしていた。 日課を朝にすれば、夜には何も考えなくていいし、そのまま眠れるのがいい。 朝、仕事に行く前の限られた時間、“妙に”研ぎ澄まされた空気。 それは、朝だけの特別な時間だった。 朝にしか動かない器官がわたしの中には備わっているようで、「朝はいいな」と思っていた。 同時に、夜が恋しくなった。 朝がいい、ということは「夜はよくない」ということではない。 朝もよく、夜
夜は、眠ることにした。 「朝起きてから日課に取り組むこと」にハマっている。 これまでは、「夜眠るまでにやろう」と決めていた。 今日中に、という気持ちが強かった。 でも、「朝でもいいんじゃないか」と思えたら、暮らしの速度が少しずつ変わった。 夜は、眠ろう。 なにも考えず、倒れるように。 そして、朝のわたしに託そう。 きちんとパジャマを着て、コンタクトレンズを外して わたしは、堂々と横になる。 目覚ましを、朝6時にセットしたら、もう何も考えない。 わたしはベッドと睡魔に呑まれ
朝は、眠い。 わたしはだいたい眠いし、眠るのが好きだし 朝はみんな眠いものでしょう?って、思うわたしもいるけれど。 かつて泊めた女友達が、起床3秒後から「今日見た夢がね!」ってふとんをたたみながら、いつものテンションで語り始めたことがあったので、どうやら朝が苦手じゃない人種もいるらしい。 と、そのときに知った。 それは、信じられない光景だった。 あれから何年経っても、わたしは朝が苦手だし、起床後30分以上経たないと、夢の話はできないと思う。 それでも朝には起きる。 もぞも
箱を捨てられない、と思う。 箱だけじゃなくて、プレゼントのリボンとか、スターバックスの紙袋とか。 手にした瞬間のときめきを、一緒に残したくなってしまう。 最近はようやく、選べるようになった。 残しておいても最後は捨てるだけ、とわかっている。 そしてときめきは、残念ながら明日にはもう消滅している。 だから、できる限りその場で捨てるようにしている。 どうしてもむり、と心が叫ぶものを除いて。 リボンのいくつかは、ぬいぐるみの首に巻かれる。 そして箱のいくつかには、何かを詰めて
起きてすぐ、洗濯機をまわしてバスルームに飛び込む。 そうしないとわたしは、もう一度眠ってしまう。 髪を乾かして、洗濯物を干して、掃除をする。 妙にテンションが上がって、「このあとはどうしよう」と意気込む。 そうね、コーヒーでも飲みましょう。 冷蔵庫には、ドリップしたコーヒーが眠っている。 家で飲むコーヒーは、牛乳と半分。 冷たい牛乳に、コーヒーを落とす。 このまま飲んじゃおうかなあ、と勇むような気持ちのわたしに、 もうひとりのわたしが「待てよ」と肩を叩く。 冬だもの