見出し画像

毎朝のわたし

朝は、眠い。

わたしはだいたい眠いし、眠るのが好きだし
朝はみんな眠いものでしょう?って、思うわたしもいるけれど。
かつて泊めた女友達が、起床3秒後から「今日見た夢がね!」ってふとんをたたみながら、いつものテンションで語り始めたことがあったので、どうやら朝が苦手じゃない人種もいるらしい。
と、そのときに知った。
それは、信じられない光景だった。
あれから何年経っても、わたしは朝が苦手だし、起床後30分以上経たないと、夢の話はできないと思う。

それでも朝には起きる。
もぞもぞと動き出して、観念してふとんを蹴飛ばす。
ラジオ体操をしているのは健康のためでもダイエットのためでもなくて、効率よく目覚めるためだった。
それでも眠い。
何時間眠ったあとでも、わたしは眠い。

顔を洗って歯を磨いて、窓を開ける。
遠くの空に見える日差しが、わたしを後押しする。

「こんなに気持ちのいい朝に、絶望的な気分になるのはバカらしい」

晴れている日は、そんなふうに思うようにしている。

眠れなかった次の日とか、
調子が上がらない日の朝は、お気に入りのピアスをつけることにする。
友達が「かわいいパーツを見つけたから、作っちゃった」と言って譲ってくれたピアスが、いまいちばんのお気に入り。
赤いいちご、緑の葉っぱ、白いお花。
見ているだけでしあわせになれる色彩を、わたしは耳にまとう。

「お気に入りのピアスをつけたんだから、今日は良い日だ」
わたしの心は、それだけで浮上する。

曇っている日もある。
そのことがちょっと寂しい気持ちで家を出たはずなのに、「寒さが気持ちいい」と思って背筋が伸びてしまったときには、もう笑ってしまった。
厚手のコートを着ればよかったとか、そんなことを思う前だった。

なんだわたし、なんでもしあわせになっちゃうじゃないの。

だって、雨の日はお気に入りの傘を振り回すし、防水の靴が仕事をしてくれているような気がして、ちょっと嬉しくなる。


だから、今日も良い朝だね。

調子の出ない日も、眠すぎてしまう日もあるけれど。
「しあわせな自分」は確かに存在している。
ねえ、それだけで充分だよ。





スタバに行きます。500円以上のサポートで、ご希望の方には郵便でお手紙のお届けも◎