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ついでに、良い朝

せっかくだから、という生き方を愛している。

それは、「ついでに」というのとだいたい同じで
ついでに、郵便局に行こう、とか
郵便局にだけ行くのは面倒なのに。
百均に行くついでに、と思うと、なかなかいいぞ、という気持ちになる。

引っ越してからベランダが広くなったので、外でラジオ体操をするようになった。
惹かれるように、窓を開ける。
寒いのに、わかっているのに。
今朝はまだ暗い時間で、指先は真っ赤になった。
「今日はマイナス17度で」と書かれたハガキが、北海道から届いたばかりだった。
それと比べれば、ぜんぜん平気だ。

ラジオ体操をしながら、「ついでに」と思う。
ついでに、窓を開けて換気をしてしまおう。

換気は好きだ。
どこが好きかというと、いつも正しいところだ。
「換気しないほうがいいよ」という状況は、なかなか存在し得ない。と思っている。

窓を開けたついでに、キッチンまで行って換気扇を回した。
ごうごううるさいけれど、まあいいだろう。

空が明るくなるのを見ながら、換気をした。
ばかみたいに良いことをした気分になって、朝の空の色を知った。
べつに仕事には行きたくないけれど、いい朝で、悪くない人生だと思った。
「仕事に行きたくない」と思えるときは、ほんとうに面倒なのだけれど、心身が健やかである証だと思う。
「仕事に行かなきゃ」と思いつめられるわけでもなく
家にいづらいということでもないわけだから。

だからやっぱり、良い朝だと思う。





※now playing




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