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忘れてしまったあなたへ

某ライトノベルが原作となっているアニメーションに
普通の高校が舞台となっている作品があります。

千葉県が舞台なのにキャラクターの名前には
神奈川県の地名がついている

そんなユーモアにあふれた青春(?)の物語です。

主人公はなんともおへそが曲がった男子高校生。

その態度がキッカケとなり、その他の様々な個性的なキャラクターと
出会い、なんともいえない距離感の関係を築いていく物語です。

そんな物語の登場人物の1人に高校の先生がいます。

学校ですからそりゃあ当たり前ですよね。

物語はあくまで生徒である主人公主体で進みますので
あまり登場する回数が多いというわけではないのですが、
時に大事なことに気づかせてくれる
とっても素敵でクールな女性の先生です。

実は主人公が多くの生徒と関わるきっかけを作ったのもこの先生。

1人で生きていこうとする少年に対して
人と関わることの大切さを伝えたかったのでしょうかね。

一応そのひねくれた態度に対して注意しはしているものの、
過去に学校という場所にいた
子どもよりも大きな体と声で威嚇して、怖がらせるようなタイプではなく
理屈で説得しようとしてい部分はだいぶ良心的ではないでしょうか。


ここ最近は学校現場も大きく変わっているようで、
以前では当たり前に行われていた「指導」であっても
現在は立派な体罰、あるいはハラスメントになることもあるそうですね。

もちろんそのようなことは許されることではありません。

昨今では教員という仕事がとても忙しいことが様々な形で伝えられ、
メディアもその論調を拡散しているような気がします。

それを決して悪いことと指摘するつもりはありませんが
そのかいもあってか、公立学校の教員採用試験の倍率は
昔では考えられないほど低くなっているとか。

関東や東北地方では小学校の先生の倍率が2倍を下回っている……
なんて自治体もあるそうですね。

こういった採用試験では少なくとも倍率が3倍から4倍に達しないと
受験者の質の問題につながってきてしまうとか。

つまり質が低くても(試験や面接のスコアが低くても)
採用しなければ人手が足りないため採用してしまう……
ということが起きてしまうそうです。

実際に子どもを預ける側の立場に立ってみると
そんな状態の先生方・学校に預けるのが不安……
という声が聞こえてきそうですね。


確かに残業代も出ないですし、お仕事も忙しいです。
体育会系の部活などを担当してしまうと休みなんてあってないようなモノ
という部活もあるでしょうから
どうしてもブラックに見えてしまうのは仕方がないことだと思います。

ですが、そんな状況でも先生になろうと志し、勉強している人々がいるのも
立派な事実です。

冒頭で触れた物語でも触れていなくはないのですが、
やはり人間が成長する姿を近くで観ることや
一緒に学んでいくということは何よりも代えがたい感動を味わえるとか。

どんなに疲れていても
生徒の相談に乗ったり、休みを返上で働いていけるのは
そのような事実が根底にあるからなのでしょう。

だからといってその状況に胡坐をかき、
課題を何1つ解決しようとすらしないのも、問題だとは思いますが。

さて、ここまでつらつらと書いてきて
では実際にお世話になった先生のことをどれだけ覚えているか?
と問われると、どうでしょう?

過ぎ去った時間が長ければ長いほど、思い出せないのではないでしょうか。

忘れてしまうのは人間のサガですから仕方がありません。

けれど、相手がどんなに献身的に接してくれていても、
こちらはそうは思っていないどころか
「ウザいな」「話しかけてくんなよ」
みたいに考えているとむしろ覚えていなくて当然な気がしなくもないです。


それでも
そのような方々がいたからこそ、今の私たちがいるわけです。

記憶にこそ存在していなくても、与えられた影響はきっと小さくはなく
しかもそれは形はないですがいつまでもその人のどこかには残っているのだと思います。

それこそが
人は1人では生きていけないという何よりの証拠なのかもしれませんね。



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