弱くなりたい
とある人気マンガに、「無敵の超生物」が担任のクラスが舞台の作品があります。
生徒達と先生の関係性は、まさに暗殺者とターゲット。
ちょっと(?)変わった場所ですね。
さて、ここからはネタバレになってしまいますので、
注意して読んで欲しいのですが、
その超生物の「先生」は、元々はニンゲンでした。
色々なことがあり、ニンゲンとは違う生物になりましたが、
その理由は「弱くなりたい」と願ったからだとか。
「強く生きていかなくてはいけない社会」に生きている現代社会の方々にとっては、あるいは「強さ」がある種キーワードになるジャンプ系の作品が好きな方々にとっては、違和感があるかもしれません。
ですが、少なくともこの文章を書いている中の人は、
なんだかステキな考え方だと思います。
この世界はなんだかんだで、ニンゲンが中心の社会です。
それはどんな形であれ人と関わっていかなくてはいけないということです。
職場の同僚と仕事上でも、休憩中などのプライベートでも何らかの形でかかわるのはもちろん、友人やクラスメイトと話すこと。
もっと広くとらえれば、コンビニなどのお店で店員さんとお話しするのも、立派な「人と関わること」です。
でもたまぁーにお店に行くとみかけることがありませんか?
お店の店員さんにそれはそれはお怒りになっている方。
接客業で働いたことがある方は、言われた方の経験があるかもしれません。
もちろんお店側が悪い場合もあるでしょうし、
間違ったら謝るのは大事です。
ですが、それにしても「この人怒りすぎでは?」と思う瞬間もあったりします。ニンゲンなんですからミスとかするのは当然だと思うんですが、それでも「お客様」に対してそれをしてしまうと、それはもう怒鳴り散らす方、観たことありませんか?
たしかに不快な気持ちにはなったかもしれません。
ですが、それを許すのも大事だと思うんです。
それを何分も怒鳴り散らして、しかも後ろには待ってる人もいるのに……
お店の方からすれば、とってもかわいそうに思います。
最近では「カスハラ」なんて言葉も出てくるくらいですので、そのような場面に遭遇することはだいぶ減ったと感じますが……
何が書きたいのかというと、自分が不快になったからといって、それを理由に店員さんなどの立場の弱い人に何をしてもいいのか、ということです。
もしも自分が逆の立場なら……
そんなに強い言葉を長い時間かけられ続けるのはイヤだと、
少なくとも私は思います。
どんな相手であれ、相手の気持ちを考える。
その余裕があれば、世界ってもう少し平和になると思うんですよね。
相手が傷つくだろうなぁと思うのであれば、そういうことは言わない・あるいは伝え方を工夫するだけで、救われるということもたくさんあると思います。
それは相手を中心に考えろと書きたいのではなく、相手の気持ちを察する工夫はしたほうがいいんじゃない?ということです。
そもそも全くの部外者でも、クレーマーがクレームをつけている場面に遭遇すると、やはりいい気分はしませんしね。
まぁ、そういうことができない、
常に自分が中心で、自分だけよければいいという人がそれなりの数いるからこそ、世界って理不尽で不条理なのかもしれません。
接客業に携わる店員さんって、最低賃金のアルバイトの方という場合も多いです。
安いお給料でそんなイヤな思いを比較的短いスパンでしていると、人手不足の理由もわかる気がします。
そろそろお客様が第1という考え方をやめて、お互いが対等という認識を持った方がいいと思うんですけどね。
きっと日本では難しいでしょう。
冒頭で示した物語では、色々な意味を含みますが
「弱さ」というのも、またキーワードになるでしょう。
様々な弱さを抱えた登場人物たちが、それを乗り越える……
否、そこまではしないまでも、向き合う物語です。
そして、相手の弱さを知ることで、
多くのことを学ぶ物語でもあります。
フィクションの世界を引き合いに出してくればるのもアンフェアな気がしなくもないですが……
ニンゲンには弱さがある。
この事実を噛みしめて、理解して、
生きていきたいものです。
今よりちょっとだけ、いい世界になることを祈って。
※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
素敵な画像をありがとうございます。
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