花の館の植物の育て方

岩手県で園芸店兼、花卉生産農家を行っています。日々の生産作業や、上手に育てられてるお客…

花の館の植物の育て方

岩手県で園芸店兼、花卉生産農家を行っています。日々の生産作業や、上手に育てられてるお客さん等のお話、また知り合いの農家さんからのお話を加味して、生産販売品目の植物の育て方をまとめています。

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ホップの育て方と作業一覧

■ホップとは6m以上ツルが伸びるツル植物(朝顔みたいな感じ)で、北海道でも越冬できる宿根草(冬は地上部がなくなり春に新たな芽が出る植物)です。主にビールの原材料として使用され、ビールの苦味や香り、泡立ち、抗菌作用という効果があります。 毬花という独特の実を結実させます。ビールの原材料に使われるのはこの毬花や毬花の中の黄色いルプリンを利用します。 このホップの苗を花の館では春に販売しております。 ■育てる前に ・ホップを育てる上で知っておきたい特徴 ・ホップを育てる準備、用

    • ホップ連絡相談会2022 in東京ヴルストハウス虎ノ門

       2019年から実に3年の時を経て、久しぶりにヴルストハウス虎ノ門さんの店先でホップ連絡相談会を行いました。今後も、同じ様にホップ好きの方達との交流の場を設けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ■概要・場所:ヴルストハウス虎ノ門 ・日時:2022年8月6日 14時ー17時 ・参加費:無料(店内で何かしら注文の事) ・内容:ホップの育て方と育てているホップの報告等  コロナ禍もあり、告知等は大きく行わなかったにも関わらず、ご盛況を頂き、また、感染予防にもご

      • ホップの気づいた事まとめ2023

        はじめに。 これは私が2023年にホップを育てたり、畑を見学したり、苗を買ってくれた方からご報告を受けたりして、私が感じた事、新たに知った事などを記載しています。 因みに全く学術的根拠とかはありません。殆どが何となくぼんやりです。私の頭の中をぶちまけ、整理する備忘録の様な感じです。 いやそこの話は、こう思うよ、違うよ、という部分があったらコメント欄にお寄せください。 ■ホップの育ち方ホップの育ち方に古い、新しいという感じ方があると、ホップ農家さんのお話を聴いて知った。 私が

        • ホップを1年休める方法

          自然災害やパンデミック等でホップの継続的な管理が難しい状況に陥った時のホップへの対処を記していきます。 一旦諦めて、また新たな株を購入するということも1つの考えとしてお考え頂いた上で、ここでは、【 株を枯らすことなく、管理する人の負担を出来るだけ軽減する方法 】を考えていきたいと思います。 ■株を休める上での基本的な考え・ホップは強いので大抵の事は大丈夫 根茎さえ生きていれば地上部がどうあっても割と大丈夫です。 ・鉢植えの場合は水だけは欠かさない 強いホップでも完全に水が

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        ホップの育て方と作業一覧

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        • ホップの育て方まとめ
          22本

        記事

          2019年ホップ相談報告会まとめ

          東京で行ったホップ相談報告会、及びネット上で行ったホップ相談報告会を記していきます。 尚、このホップ報告相談会は2018年の東京での出張苗販売の好評を受け、2019年よりホップの育成相談報告に寄せた会として始めたものです。毎年、どこかの場所、及びyoutube上でも開催していきたいなと思っています。私のところにも来てほしい、こういう会をやりたい!という方はお気軽にご相談頂ければ幸いです ■東京虎ノ門 ヴルストハウス虎ノ門様でのホップ相談報告会 去る6月23日に、東京虎ノ門

          2019年ホップ相談報告会まとめ

          ホップの毬花の利用アイディア

          ここでは、自家生産したホップの毬花の利用方法について、いろいろ試した事、見たこと聞いたことを書き記していきます。 ■ホップのツル、毬花を使ったリース チェコやドイツのホップの産地で行われる収穫祭で作られる、ホップのリース。 生のホップで作ったリース(画像)もフレッシュな香りがしてよいが、乾燥させると色もちが良くなり、長期間の鑑賞が出来るようになる。 ビールを扱う飲食店、酒販店、勿論ブルワリーからの反応が良く、ビール愛好家からも好評を頂いた。 ホップ畑でリースのワークショッ

          ホップの毬花の利用アイディア

          ホップほぼ100%リースの作り方

          チェコやドイツのホップの産地では、ホップの収穫祭にホップのリースを作り、祝うそうです。 土台はホップのツル、飾りは毬花というほぼ100%ホップで作られたリースの作り方をご紹介してまいります。

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          ホップほぼ100%リースの作り方

          ホップの病害虫とその対処

          作業時期:芽が見えてから枯れるまで ■病害虫対処と薬剤散布の基本・株の様子を毎日観察し、芽や葉、花の変化を早期に発見、対処すること ・使用する薬剤はホップに適用のある農薬を使用すること(適用のある場合、薬剤の裏の説明に「ホップ」の名称が記載がある) ※参照:農林水産省 農薬登録情報検索 ・薬剤散布は葉の裏を中心に株全体に噴霧すること。特にツルの重なりがある場合はその部分をしっかり散布する。 ・収穫時期を見極め、農薬の残留に注意する(薬剤毎に記載があります) ■薬剤散布スケ

          ホップの病害虫とその対処

          ホップの枯れツル処理

          作業時期:年内に整理 着花枝以外の部分を地際で切り出来れば焼却処分する。病害虫予防が目的。雪深い地域は、翌年の株こしらえの為に、棒を立てる、主幹の一部を長く残す等、雪が降ってもわかる様に目印を立てること。 ■暖地での枯れツル処理について 冬季の温度が高い地域は、”冬場もツルが枯れずツルがそのまま”、もしくは”地際からツルが休まず出てくる”といった状況になるかと思います。 以下の事を心掛け冬季の処理を行ってください。 ・~12月から年末まで ツルは枯れなくともすべてのツ

          ホップの枯れツル処理

          毬花の乾燥と保存

          作業時期:収穫後その日のうちに 温風を当てて乾燥させる。保存性を高める目的。45度スタート、4~5時間後には55度位に(60度以下)。トータルで10時間以上。水分量は5~6%、毬花上部にある茎がポキンと折れる状態まで乾燥。のちに自然放冷し、封が出来る袋に入れ冷凍庫で保存。少量の場合は食品乾燥機や布団乾燥機を工夫した機器で個人でも乾燥可能だが、乾燥できない場合は、自然乾燥等を行うよりも、乾燥しないで封が出来る袋に入れ直接冷凍庫に入れた方がよい。(但し、乾燥のものに比べ日持ちは

          毬花の乾燥と保存

          毬花の収穫

          ●収穫の判断 毬花の形を成し、毛花の残りが落ち、中にルプリンが生成、充実したら収穫してもよい。畑の場合は開花から40~45日後が目安。鉢植えの場合は1週間ほど早まる。早く咲いた花ほど早く充実し、早く収穫期を過ぎ茶変が見られるのでそういった茶変が現れたら収穫はもうギリギリの時期だと判断。 ●収穫作業 晴れた日に行う。地上から2mぐらいの高さより上の着花枝(主幹から脇にでた実の付いた枝)を切り収穫する。半分から上ぐらいに大体着花する。着花枝を日陰に下ろし、枝と毬花を手で分け

          ホップのツルを横誘引

          作業時期:開花期にツルが棚の頂点から30cmぐらい伸びた時期に随時。 ツルを横方向に誘引する。棚の頂点で横方向にツルを誘引することで、主幹の生育の抑制と併せて側枝発生の促進による収量増、毬花への日当たりの確保、ツル折れ防止、収穫作業の簡略が目的。ツルは横方向には自力で絡まず、どうしても上方向に行こうとするので頻繁なチェック、誘引が必要となる。棚が小さい場合は、棚から紐を足し、横方向に延長してそこへ誘引するとよい。尚、農家さんでは鉄線を使っているが、紐等でも構わない。

          ホップのツルを横誘引

          ホップの脇芽を切り落とす

          作業時期:ツルが旺盛に伸びている時期~開花まで随時 茎の節の葉の上から出た脇の枝及び芽を切る。余分な養分消費を防ぐ目的。地上1.5m位までの脇の枝は全て元から切りおとす。 ※脇芽って何?

          ホップの脇芽を切り落とす

          ホップのツル下げ

          作業時期:棚や支柱などの頂点到達前。棚が低い場合は都度行う ツルを引き枝の頂点の位置を下げ、ツルの下の部分を輪状にまとめる。ツルを引くことが出来ない場合は、紐の頂点を解き、紐を足して枝の頂点を変える形でも構わない。開花が棚の頂点になる為の調整、棚以上に伸びたツルの折れ防止が目的。下げる量は、開花から15日~20日に頂点に達する様に調整する。株元から1.5m位までは開花しにくい場所の為、その部分位の量は下げてもよい。棚が低い場合は、この作業を細かく頻繁に行うとよい。猛暑日に下

          ホップのツル下げ

          ホップのツル上げ

          作業時期:ツルが30cm~50cm伸びた時期 紐にツルを絡める。病気予防や生育遅延防止に繋がる。1本に1ツルが基本。この作業後も定期的にチェックし、外れている場合は都度絡める。ヒモを斜めに張っている場合は、元気に伸びた後でも、外れたり絡み切れなかったりするので、注意が必要。 この時、元気に伸びているツル1株あたり3~4本に絞り(鉢の場合は2~3本)、予備の数本は地面に置いておき、メインのツルが元気に絡み伸びたのを確認した後、予備のツルは株元から切り落とす。

          ホップのツル上げ

          土寄せ

          作業時期:選芽後とツル上げ後 株元に土を山に盛る。根の発達を助け、乾燥及び湿潤防止、風によるツル折れ防止、水の停滞防止に繋がる。畑の場合は株こしらえ後の土を戻す作業、及び株の周辺を株方向に畝上げする機械であるく作業がこれに当たる。 鉢植えの場合も株元にある程度土を盛りバークや敷き藁などで株元を覆う作業を行った方がよい。