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ホップの育て方まとめ

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ビールの原材料ホップを育てる方法
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ホップを1年休める方法

自然災害やパンデミック等でホップの継続的な管理が難しい状況に陥った時のホップへの対処を記していきます。 一旦諦めて、また新たな株を購入するということも1つの考えとしてお考え頂いた上で、ここでは、【 株を枯らすことなく、管理する人の負担を出来るだけ軽減する方法 】を考えていきたいと思います。 ■株を休める上での基本的な考え・ホップは強いので大抵の事は大丈夫 根茎さえ生きていれば地上部がどうあっても割と大丈夫です。 ・鉢植えの場合は水だけは欠かさない 強いホップでも完全に水が

2019年ホップ相談報告会まとめ

東京で行ったホップ相談報告会、及びネット上で行ったホップ相談報告会を記していきます。 尚、このホップ報告相談会は2018年の東京での出張苗販売の好評を受け、2019年よりホップの育成相談報告に寄せた会として始めたものです。毎年、どこかの場所、及びyoutube上でも開催していきたいなと思っています。私のところにも来てほしい、こういう会をやりたい!という方はお気軽にご相談頂ければ幸いです ■東京虎ノ門 ヴルストハウス虎ノ門様でのホップ相談報告会 去る6月23日に、東京虎ノ門

ホップの育て方と作業一覧

■ホップとは6m以上ツルが伸びるツル植物(朝顔みたいな感じ)で、北海道でも越冬できる宿根草(冬は地上部がなくなり春に新たな芽が出る植物)です。主にビールの原材料として使用され、ビールの苦味や香り、泡立ち、抗菌作用という効果があります。 毬花という独特の実を結実させます。ビールの原材料に使われるのはこの毬花や毬花の中の黄色いルプリンを利用します。 このホップの苗を花の館では春に販売しております。 ■育てる前に ・ホップを育てる上で知っておきたい特徴 ・ホップを育てる準備、用

ホップの困りごとQ&A

■はじめに ホップを育てているうえで、様々な事が沢山あると思います。植物の姿は、良いことも悪いことも管理した日々の表れです。まずは、植物の日々の姿を観察し、物言わぬ植物からのサインを見逃さない事が、植物を元気に育てる第一歩です。また、ホップの育て方の記事を読んでみて、大きく逸脱している部分がないか、明らかな不足の管理はないか、照らし合わせていただければ植物の求めている事に近づくかと思います。この記事が、植物の健やかな生育のお役に立てれば幸いです。 【花、毬花でお困りの場合

ホップを育てる上で知っておきたい特徴

ホップを育てる上で、ホップの植物としての特徴を知る事は、栽培の基本となります。相手の癖や好きな事嫌いな事を知って仲良くなる人間づきあいみたいなもんです。ホップは結構変わり者なんですよ。 ■特徴その1:旺盛に伸びたいツル植物 ツルが6m以上伸びるのが必要な植物です。そういった伸びる場所や支柱などのツルが伸びる為の道具も必要で、ツルの伸びを支える根も十分にに伸びるスペースが必要です。ツルや根が十分に伸びる環境が無いと、成長が悪くなったり、病気の発生、毬花まで到達しないといった

ホップを育てる為に準備するモノ

まずは、苗を用意しましょう。苗はこの記事を書いている花の館にて春に販売しています。 次に、育てる上で必要なモノですが、これは育てる環境でちょっと違います。畑や庭に植える方、鉢植えで育てる方で、若干違いますので、それぞれご参考ください。 ■ホップを育てる準備【畑&庭】 ・支柱:6m位の高さで支柱や鉄線等で棚を組むとよいです。概ね単管パイプで組む方が多いようです。低くても可能ですが、その分、ツル下げ等の管理が必要となる。 ・ヒモ:ツル植物専用のヒモがあります。1株につき6m

ホップ鉢植え栽培のコツ

ホップはツルを大きく伸ばし、それと同時に根も大きく伸ばしたい植物だ。それを限られたスペースである鉢に押し込めるけど、元気に育ってくれという事自体、人間側のエゴなのだ。だが、誰しもが畑を持っているわけではないし、そんな広いスペースがある訳ではない。しかし、ホップは楽しみたい。毬花までなってほしい。そんな、相反する思いを胸に、どうにか育てた中でのコツを記していきます。 ■栽培の準備・用具などの準備:ホップを育てるために準備するモノの鉢植えの項を参照に準備の事。 ■育てる場所・

ホップを育てる基本

・日当たり出来るだけ日があった方が良い。日が当たらないと茂りすぎやツルの軟弱化からくる病害虫の発生のしやすさ、毬花の質の低下につながる。鉢植えの場合は半日陰の方が管理しやすいので、管理状況に合わせるのも手段の一つ。 ・水やり極端な乾燥を好まないがあまりにジメジメした場所ではよく育たないのが基本。潅水の悪い畑や庭の場合は水はけの改良を必要とし、干ばつの場合は潅水も必要。鉢植えの場合は、鉢の底から水が出てくるまでしっかり与える。生育期には毎日、乾くようであれば1日2回の水かけが

ホップの株こしらえ

作業時期:秋の落葉後か春先 根株の周りをスコップなどで掘り起こし、地表近くの地下茎の除去、脇に伸びた枝などを取り除く。若い茎の乱立を防ぐ目的。どのような株の状態でも大きく横に伸びた地下茎等は全て切り落とすが、株がまだ若いもの、小さいものは、全体を浅め切り中心部の塊根(根が肥大した部分)周辺を整理する。株が古い場合は中心の塊根を握りこぶしの様な形まで深く切り塊根周辺を整理する。この際、土を直ぐに戻さず日光にある程度当てておくと消毒効果がある。 鉢植えの場合は鉢から株を抜き、土

糸下げ

作業時期:芽が出る前 棚や支柱から芽が出る位置まで紐を張る。ツル植物は糸に絡んで伸びる事が必要な植物なので遅れない様に必ず行う。尚、棚を低くしか用意できない場合は、糸の角度を60度~40度までの間で斜めに張ると幾分ツルの生育が抑制され育てやすくなる。尚、斜めに糸を張った場合は角度により自力で絡みずらい場合があるので毎日のチェックが必要

ホップの選芽

作業時期:芽が出てきた時期(遅れないように気を付ける)、ツルが元気に伸びるあたりまで ある程度萌芽が出そろった時点で、余分なツルを基部から抜き取る。養分の過分消費を防ぐ目的。抜いても次々芽が出てくるので、残したツルが元気に伸びる辺りまで継続して行う。尚、1、2番芽は取った方がよい。畑の場合は1株あたり予備を含め7本位までに抑え、鉢植えは予備を含め多くても2~5本に(大きい鉢なら数が多く、小さい鉢なら数は少ない) 選芽前と後の比較

土寄せ

作業時期:選芽後とツル上げ後 株元に土を山に盛る。根の発達を助け、乾燥及び湿潤防止、風によるツル折れ防止、水の停滞防止に繋がる。畑の場合は株こしらえ後の土を戻す作業、及び株の周辺を株方向に畝上げする機械であるく作業がこれに当たる。 鉢植えの場合も株元にある程度土を盛りバークや敷き藁などで株元を覆う作業を行った方がよい。

ホップのツル上げ

作業時期:ツルが30cm~50cm伸びた時期 紐にツルを絡める。病気予防や生育遅延防止に繋がる。1本に1ツルが基本。この作業後も定期的にチェックし、外れている場合は都度絡める。ヒモを斜めに張っている場合は、元気に伸びた後でも、外れたり絡み切れなかったりするので、注意が必要。 この時、元気に伸びているツル1株あたり3~4本に絞り(鉢の場合は2~3本)、予備の数本は地面に置いておき、メインのツルが元気に絡み伸びたのを確認した後、予備のツルは株元から切り落とす。

ホップのツル下げ

作業時期:棚や支柱などの頂点到達前。棚が低い場合は都度行う ツルを引き枝の頂点の位置を下げ、ツルの下の部分を輪状にまとめる。ツルを引くことが出来ない場合は、紐の頂点を解き、紐を足して枝の頂点を変える形でも構わない。開花が棚の頂点になる為の調整、棚以上に伸びたツルの折れ防止が目的。下げる量は、開花から15日~20日に頂点に達する様に調整する。株元から1.5m位までは開花しにくい場所の為、その部分位の量は下げてもよい。棚が低い場合は、この作業を細かく頻繁に行うとよい。猛暑日に下