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ホップ鉢植え栽培のコツ

ホップはツルを大きく伸ばし、それと同時に根も大きく伸ばしたい植物だ。それを限られたスペースである鉢に押し込めるけど、元気に育ってくれという事自体、人間側のエゴなのだ。だが、誰しもが畑を持っているわけではないし、そんな広いスペースがある訳ではない。しかし、ホップは楽しみたい。毬花までなってほしい。そんな、相反する思いを胸に、どうにか育てた中でのコツを記していきます。

■栽培の準備

・用具などの準備:ホップを育てるために準備するモノの鉢植えの項を参照に準備の事。

■育てる場所

・概ね、半日陰の方が良く育つ
・2階のベランダ等、ヒモを高い位置に止める事が出来る環境の場合は、「2階ベランダにヒモを止めて育てる」を参照する
・鉢に支柱を立てて、鉢内でどうにかまとめる場合は「鉢内で低く仕立てて育てる」を参照する。
・日向と室内での育成は向かない

■2階ベランダ等にヒモを止めて育てる

ここでは、ツルが絡むためのヒモを鉢から伸ばし、2階ベランダ等にヒモを止めて育てる事が出来る環境の場合について、記していく。

この環境の場合、ヒモの長さを確保できるので、ツルの管理は概ね畑や庭の作業と同じ様に出来る。止める場所が低い場合は、ある程度斜めにヒモを張れば、長さも確保できるようになる。ツル下げの作業を行えば、ベランダに届くことなく、毬花までならせる事が出来るだろう。

注意点は、ベランダに届いてしまうまで放置する事。一度ベランダの手すり等に絡みつくと解くのが容易ではなくなる。また、雨どい等にも絡みつく事は避けた方がいい。
また、大きな鉢に植えたとしても、ホップをグリーンカーテンにして日除けにしよう、と考えない方がいい。庭植えでは可能だが、鉢植えでの強すぎる日差しは生育の妨げにしかならない。

■鉢内で低く仕立てて育てる

ここでは、ツルが伸びる場所を確保できない為、鉢内で株全体をまとめて育てる場合について記していく。

上記の図、大きなプランターに苗を植え、支柱で棚を組む。組んだ棚の高い所に、ヒモを止め、それにホップのツルを絡ませていく。
棚は高いとよいが、せいぜい2mがいいところ。あっという間にツルが棚の高さまで届いてしまう。

そこで、上記の図、鉢植え管理でのツル下げを行う。
ツルごとヒモを棚の頂点から外し、棚の下部分に巻き付ける。
外したヒモの先端に、新たにヒモを足し、棚の頂点に止め、そこに新たに伸びたツルが絡んでいく。

これならば、2mほどの棚でも、棚の頂点に届く度に、このツル下げ方法を行えば、鉢の中ですべてが済む。

■日々の管理

過保護か!というほど面倒みます。全力で。

・水やり:大雨の日以外は毎日。水不足はツル先端の枯れ、花芽の茶変に繋がる

・肥料:固形肥料を月一で必ず。土の中に混ぜる肥料を植え付け時に利用するとより良い

・脇芽は必ず取る:株元から1m位までの脇芽は切り取る。出たら即取る。

・葉の様子チェック:葉の色に変化はないか、斑点がないか毎日見る。異変があったら即薬剤噴霧。

■気を付ける事

・ツルの数は2本~3本まで:鉢の大きさにもよるが、15号以上で3本、それ以下のサイズは2本までにする。それ以外は剪定して除く。

・頑張ってもツル先が枯れる事がある。そういう時は、より日陰に移動する。脇芽が伸びてくるので、そのうちの1本を伸ばし、それ以外は剪定する

■最後に

ここまで色々工夫して、毎日手をかけて、頑張って頑張って、うまく毬花まで収穫できたとしても、毬花の収量は畑や庭よりもとっても少ないです。悔しい。
でも、その少しの収穫は、あなたとあなたのホップの努力の結晶です。
よくかんばりました。また、来年も頑張りましょう!

サポートは紹介した植物の苗の生産維持拡充、記事の充実に利用いたします。どうぞよろしくお願いいたします。