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取材ライターとして記事を書きたいなら『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』を読もう!【読書感想文+お仕事事情も】

「取材の勉強をするなら、どの本がおすすめ?」

もうタイトルで結論を言ってしまったのですが、ちょうど今、古賀史健さんの本『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』を読んでいます。

取材に関して「おすすめの本は?」と聞かれたら、間違いなくこの本です。もう読んでいらっしゃる方も多いかなと思いますが、私なりに感じたことをまとめますね。

※一部、内容にふれているところがありますので、ネタバレを避けたい方はブラウザバックでお願いします。それでもOKな方は続きをどうぞ!

取材のことなら、どの本よりもこの1冊を

本の感想に入る前に少しだけ、私がこの本と出会うまでの話をさせてください。

私はこの2年ほど、「取材の仕事をやれるようになりたい」「より良いコンテンツを書いていきたい」と思うようになって、何冊かの本を読んできました。インタビューの本、話の聞き方本、編集者さんが書いた文章講座本。

参考にはしてきたけれど、でも、どれも物足りない。ずっと「どうしたら取材のことが、もっとわかるんだろう」と思っていました。ライター向けのセミナーに参加したり、身近で話せる人に聞いたりもして。

そんなモヤモヤがある中で、読み始めたのが『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』でした。私にとっては、今知りたいことはほぼこの本に集約されていました。

取材とは、なにをする場なのか?

とくに強く心を惹かれたパートがあるので、紹介しますね。第2章で語られていた、取材において「ライターの自分を切り離す」という考え方です。

インタビュアーの仕事は、原稿の素材集めではない。取材という一期一会の機会を、「お互いにとって」実りあるものとすること。それがインタビュアーの仕事だ。そこでおこなわれた取材をどう原稿にまとめていくかは、あとからライターの古賀史健が考えればいい。

「はあ〜なるほど、そういうやり方もあるのか!」と。夜眠れなくなっちゃうくらいの大発見でした。だって、そんなこと誰も教えてくれなかったから(笑)。

でも、確かに言われてみると、プロフィールに「ライター・インタビュアー」と書いて名乗っていらっしゃる方もいるんですよね。「あれはそういうことだったのか」「聞き手と書き手を分けて考えているのか」と合点がいきました。

このとき、私は自分の中に「インタビュアーの私」がいないことに気がつきました。……そんなはずないと否定したかったけれど。恥ずかしさと焦りで、どこかに飛び出したくなるような心境でした。

本を読んで、ライターの私が思ったこと

インタビュアーとしての私を、育てたい。ずっとふわふわしていた「何かが足りない。でもそれが何なのかわからない……」と思っていたものが、やっと言葉にできた瞬間でした。

今はそんなふうに思っていて、本を読む前と読んだあとでは、これが大きな変化でした。

じゃあインタビュアーとしての私って、どうしたら成長していけるのか。それは果たして、私にもできることなのだろうか……。そんな不安もよぎりました。

でも、その方法についても、日頃から実践できるトレーニング法が書かれています。知りたい方は、ぜひ本で確かめてみてください!


ちなみに、少しだけ補足しておくと、この本は「ライターとしての考え方を学ぶ本」です。初心者さんが「取材の流れを知りたい」と思っても、当日の流れや必要な道具などは書いていないので、それはまた別の方法で知る必要があります。

たとえば「取材 流れ」とかでGoogle検索してみたり、実際に取材にかかわっているライターさんや編集者さんに話を聞いてみたり。私の場合もだいたいそんな感じなのですが、以前に書いたnoteでも「どうやって取材ライターになったか?」について触れているので、よかったら参考にしてみてください。


【おまけ】取材ライターは需要があります!

ここだけの話ですが、note経由で私のところに来るご依頼の多くが、取材案件だったりします(大手出版社さんから、Webメディア、企業・教育関係者さんまでさまざま)。

やっぱり、取材ができるライターは貴重ですからね。もともと執筆だけのつもりが、急に「そういえば、取材記事って書けます?」みたいに話を振られることもあります。

そういう事情もあって、「取材ができたらもっと書く仕事ができるな」「やるからには、良い記事を書きたいな」と考えていました。

今回紹介した本は、私のように「取材についてもっと知りたい!」という現役ライターさんはもちろん、これから取材ライターになりたい方、スキルアップしたい方にもおすすめです。よかったらぜひ、読みたい本リストに加えてみてくださいね。


私にとっては「今後も何度も読み返しては、伝わってくる熱量に自分を重ねて、泣いたり唸ったりするだろうな……の本」でした。

1回読んだだけでは、到底実践しきれる情報量ではありません。これからも「ちゃんとできているかな?」と自分を試していくような、まさに教科書として使うだろうなと、そんな予感がしています。

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