Hameeのみんなへ。 これからのHameeを一緒につくっていきましょう。
2021年7月29日付けで代表取締役社長に就任した水島です。
今回はHameeで働くメンバーに向けてnoteを書きたいと思います。
創業者兼オーナーであった現会長の樋口さんから社長を託される事が発表された4月から約3カ月間、「やっぱり、社長就任はなかったことに」と言われても大丈夫なように、気持ちだけは強く持って過ごしてきました(笑)
文章を書くのはあまり得意ではないのですが、
・私を知ってほしい(し、みんなのことも知りたいので気軽にチャット&話しかけてください)
・Hameeの未来に、みんなで一緒にワクワクしたい
・みんなへのお願いを伝えたい
ため、挑戦しようと思います。
こう見えて38歳です。
水島 育大(みずしま いくひろ)です。1982年生まれで、今年39歳になります。取締役であり同じく老け仲間の比護さんとは「実年齢に対してどちらが老けているか」を定期的にデイスカッションしています。
住むところは何回か変わっていますが、生まれてからずっと小田原市内に住んでいます。引きこもりです(笑)。最近は家の周りをランニングしているので、もしかしたら目撃している方もいるかもしれません。
趣味は剣道。小学校4年生(10歳)から始め、約30年間剣道を続けています。剣道については学生時代は大変だった思い出が多いですが、今ではやっていて良かったなと日々強く感じています。
ファーストキャリアには銀行を選びました。銀行員としては正直あまり優秀ではなかったと思いますが、上司や先輩にはすごく恵まれました。仕事への向き合い方や社会人としての在り方みたいなものを、仕事やプライベートを通してたくさん教えていただきました。今でもすごく感謝しています。
Hameeへの転職
きっかけは、銀行に入って3年目の夏に、中学・高校時代に通っていた塾の先生から家に電話があったことです。久しぶりなので会いにいったところ、その場に樋口さんがいて、当時のStrapyaNextに入らないかと誘ってもらいました。
銀行を辞めるつもりも毛頭なかったところに、いきなり会社の説明を始めたのでびっくりしましたが、なんとなく銀行員としてやっていくことに違和感を感じていたこともあって、その後数回会ったり、会社を訪問したりするうちに、「この会社で働いてみるのもありだな」と思うようになりました。しばらく考えて、その年の秋に、樋口さんに来年からStrapyaNextで働きたいと伝えました。
Hameeに入社してから上場まで
Hameeでは最初は経理を担当しました。樋口さんからは3年後に上場すると聞いていたので、それなりの管理体制があることを想定していたのですが、いざ入社してみると必要最低限のメンバーだけがいる状態でした。
「ちょっと少なくないかな?」とは思ったものの、自分も若く、他の上場準備会社を知っているわけでもなかったので、こんなもんなんだろうと思い、あとは自分でやるしかないなと受け入れました。今思えばかなり楽観的な見通しで業務を始めたのを覚えています。
社内からは、「銀行からスカウトされて入社したやつだ!」と思われていたみたいですが、実際は社会人4年目のただの若造。そのギャップを埋めるべく、自分の業務以外の会社全体の業務の内容も聞きまくったり、実際にやったりしました。
専門的な内容を相談されて「知らない、わからない」と言えない状況で、結構大変でした。ですが、あの時の経験が会社全体の事業内容の深い理解につながり、本格的な上場準備に入った後もすごく役に立ったと思います。
今でも、間接・支援部門のメンバーには「事業・業務理解を深めることが一番大事」と言っているのですが、それはこの時の経験がもとになっています。
入社後、リーマンショック、東日本大震災と日本を揺るがす大きな出来事があって、株式市場の状況が安定しなかったこともあり、本格的な上場準備をなかなか始めることができなかったのですが、それでも周囲には必ず「Hameeは上場するんだ」と言い続けました。
社内からは「水島=上場するために入社した人」と思われて(いたと思って)いて、社外の人からも、また家族や知人からも、「StrapyaNextを上場させるために銀行を辞めた」と思われて(いたと思って)いたので、(勝手に)引っ込みがつかなくなっていたというのもあります。
誇れるような動機ではありませんでしたが、毎日の激務に耐えるには十分でした。持論ですが、人が何か大きな目標に取り組むときに、立派な理由は必要なくて、自分で決めた目標・理由かどうかが重要だと思っています。
本格的な上場準備期間に入り、監査法人や証券会社など、自分よりも年齢も経験も、知識もスキルも数段に上の人たちと一緒に仕事をすることになりました。この時はすごく面白かったです。
先方からしたら、30歳になるかならないかくらいの上場準備を経験したこともない人間が責任者で、たまったものではなかっと思いますが、この2年くらいの準備期間は、おそらく最も成長できた2年間だったと思います。
監査法人、証券会社、その他IPOを支援する様々なプレイヤーそれぞれに立場と目標があります。それを十分理解した上で、自社の意思を伝え実現していく仕事を通して、自分やHameeの実力や強み、将来の可能性を深く理解することができました。この時、一緒に仕事をしてくれた社内外の人たちには、本当に感謝しかなくて、今でも戦友だと思っています。
あと、上場についてもう一つ話しておきたいことがあって、HameeがIPOを目指した理由です。
もちろん、知名度の向上や、柔軟な資金調達等、一般的に言われるIPOのメリットへの期待はもちろんありましたが、そうではないHameeだけのIPOの理由です。
樋口さんは「Hameeをこのままどんどん大きくして樋口帝国(笑)にするつもりはないんだ」と私によく話していたのを覚えています。そして「みんながベンチャーマインドを持ったまま、潰れずに長く成長し続ける会社にしたい」とも言っていました。
それが実現できる最も可能性の高い方法が、IPOだったと思っています。メンバー一人ひとりが会社の歯車になることなく、ベンチャーマインドを持ったまま、上場企業としてあり続け、かつ進化成長し続けるためにはどうすればいいか、その想いは私もしっかり引き継いで実現させていきたいです。
事業も順調に成長し、業績も右肩上がりで、いろいろ課題もありましたが、なんとか乗り切ってマザーズへのIPO、東証一部への市場変更を実現しました。
上場を果たしたのに
ここから2年間くらい、スランプというか、ちょっとした迷走期に入ります。「自分なら何でもできる」という危険な自信と、一方で取り組むべき大きな目標を設定できていなかったため、そのパワーの行き場がどこにもなく、自分で勝手に突っ走ることが多くなったことが原因です。
そんな中、管理側から事業側にポジションを変更しないかという提案を樋口さんからもらいました。自分自身、行き詰まりを感じていたので、これはチャンスだと思いました。
自身で事業を作っていく、数字を伸ばしていく。支援する側から、される方へ。同じ会社で仕事をし続けているからこそ実現できるキャリアだと思いました。そして、その時、目標を「Hameeの社長になる」としました。不安はあったけれども、新たな一歩が踏み出せたようで、すごく嬉しかったのを覚えています。
役職に就くことを目標にするなんておかしいって思う人もいると思うし、正直自分も「これでいいのかな?もっと世の中を変えるような大きな目標を立てなくてはいけないんじゃないか?なんか格好悪くないか?」と思ったこともあります。
でもこの時は、この目標が一番自分を奮い立たせ、自分の力を発揮させてくれると思ったし、いつの頃からか、もうそれでいいと割り切りました。
もしかしたら大きく目標を立てられずに悩んでいる人もいるかもしれません。しかし目標を持つこと自体は、今の自分の力を最大限発揮させるための手段でしかないと思うので、あまり悩む必要はないと思います。
管理部門から事業部門へ
事業を担当するようになって、最初の一年は空回りの連続でした。「何か新しいことをやらないと」という変な力み(りきみ)も入ってしまって、かなり悶々としていました。
それが変わったのが、ポジションチェンジをした翌年からです。自分の得意な分野に立ち返り、会計や数字を見て、そこから何か気づいたことを発信したり、業務を改善したりを繰り返しました。すると、だんだんと事業の全体像や取り組むべき課題、進むべき方向がうっすらと見えてきたのです。
周囲からも相談やお誘いが集まってきて、業績を含めた成果が出てくるようになりました。うまくいかないときは、自分の強み・今できることを改めて見直してみる、これがすごく大事だと思います。
その後も、韓国(HameeGlobal.Inc)に行って、現地で働くと宣言したのに、コロナで行けなかったり(引きこもりは卒業できなかった(笑))、いろんな課題やトラブルはたくさんありました。しかし、信頼できる仲間たちとともに乗り越えながら、なんとかやってこれました。
そして社長へ
事業を担当して約3年がたった2021年の正月、樋口さんより「社長をやってほしい」と言われました。「社長になる」ことを目標にしていたので、もしそういう打診があったら即答で「やります」と答えるつもりでした。
悩まないわけではないのですが、迷う→決める、という順番ではなくて、私は、先に決める→途中で迷うこともあるけど、すでに決めてるから前に進む(しかない、そういう状況に自分を置くのが一番いいと思っている)、という感じなんだろうと思います。
社長に就任して今は下記のようなことを考えています。
・Hameeの存在意義をどのように表現し、どうやって伝えるか?
・事業をどうやって生み出し、進化・成長させていくか?
・どうやったら「Hamee」と「Hameeで働く仲間たち」の力を最大限発揮させることができるか?
Hameeの存在意義を、どのように表現し、どうやって伝えるか?
今、会社や事業は「何のために存在しているのか?何のためにやっているのか?」を強く問われていると感じています。これを明確に伝えていかないと、お客様からの支持も得られないし、新しい仲間も集められないし、今の仲間との信頼関係も築くことができない時代になったと思います。
これは「クリエイティブ魂に火をつける」というミッションと、自分たちが全力で取り組んでいる事業、サービス、プロダクトをしっかり紐づけて発信していくことで実現できると考えています。
Hameeのステークホルダーにはいろんな人がいます。Hameeの将来成長を信じ、企業価値で判断する投資家様、Hameeのサービスやプロダクトが大好きなお客様、Hameeのことを信頼して、一緒に仕事をしたいと思ってくれているお取引先様、Hameeという組織を愛してくれているHameeの仲間たち。
価値観や捉え方は様々なので、Hameeのいろんな面を見てほしいと思うのですが、共通して「何のためにHameeは存在しているのか」「何のためにこの事業に取り組んでいるのか」ということは強く発信していきたいと思っています。
経済が右肩上がりで成長をする前提の、貨幣価値のみで評価され、自分(達)以外の何かと比較し、比較されながら、相対的な優位性を感じることを目標とするような生き方では、もうヒトは幸せを感じることができない時代になっています。
社会的な存在としてのヒトは、本来、誰かのためになりたい、何かの役に立ちたいと思い、そうすることで幸せを感じる存在だと思います。
ありもしない「自分探し」をするのではなくて、今ここにいる自分の気持ちを大切にして、「自分はこれがやりたい」「自分はこうありたい」を追求し、自分らしく誰かの何かの役に立つことで、成長や幸せを感じられるような生き方ができる世界を創りたい。Hameeが「クリエイティブ魂に火をつける」を追求し続ければ、そういう世界が実現できると思うのです。これが今の私の目標です。
そのために、まずは自分たちが、ミッションについて考え、何のためにHameeという会社が、事業が存在しているかを理解し、それらをプロダクトやサービスにどうやったら表現することができるかを考えることが必要です。
もしかすると、プロダクトやサービスそのものだけでは伝わらないかもしれません。それらが生み出される過程や、それらに込めた想いも合わせて表現していくことが必要だと思います。
そんなHameeのプロダクトやサービスを使うユーザーが、それらに影響されて、「もっと自分らしく生きたい」と思ったり、Hameeと一緒にビジネスをするお取引先様が、そんなHameeを見て「自分たちもこんな風に働きたい」と思ったり、そんなHameeを見て「もっとHameeに頑張ってほしい」と思って投資してくれる株主様が増えていっている状態、そんな状態が理想です。
事業をどうやって生み出し、進化・成長させていくか?
新しい事業をどんどん生み出すために必要な環境としては、組織として、多様性を大切にし、Hameeの仲間一人ひとりの「自分らしさ」を大切にすることが、一番重要なのではないかと考えています。
過去の延長線上でやれるときは、皆のやることがそろっている組織でうまく行くこともあると思うのですが、様々な不透明さや変化がある環境では、「自分らしさ」が生かせ、いろいろな形で自発的にチャレンジする人が出てくる組織こそが、これからも進化成長し続けられる組織になると思います。
今までHameeを見てきて、時代の流れとともに、いろんな「自分らしさ」を持つ人が、その時々で活躍し、その積み重ねによりHameeの成長がありました。
人にはそれぞれの「自分らしさ」があり、同じ方法でやっても同じ結果にはならないです。自分にとって良かった方法が、全ての人に良いとも限りません。また、一見無駄だと思えた事柄も、実は大切だったということもありました。
同一化するのではなく、もっと一人ひとりの「自分らしさ」を生かす組織を作ること、それが事業を生み出す、進化・成長させることにおいて最も重要なことだと考えています。
既存事業の進化成長に取り組みつつも、新しい事業をどうやって生み出していくか。これはHameeだけでなく、今全ての企業が試行錯誤しながら取り組んでいる課題です。
私もこれまで、社内外で新規事業の創出を支援したり、スタートアップ企業の投資に関わって、新規事業が生まれる様子を見てきましたが、成功する要因は様々で、「これをやれば必ずできる」という魔法のようなメソッドは存在しないと思います。
会社の制度や文化、人材採用や教育、外部組織との連携などなど、たくさんの要素をしっかり押さえつつ、組織全体で一丸となって取り組んでいくことが重要だと思います。
新規事業創出は、今後のHameeにとって重要な要素の一つでもあります。
新規事業創出の具体的なアプローチとしては、特定の組織内で既存事業の強みやノウハウを活かして発生させようとする動きと、組織にとらわれず、社内外で技術やノウハウを連携・共有させながら発生させようとする動き、両面からのアプローチが必要だと思います。
Hameeで言えば、各事業部で取り組んでいる事業開発を推進していくことと、新しい新規事業の仕組み「クリ魂キャンプ」を始めとする、組織にとらわれない新規事業創出の取り組みを会社全体で支援させていきます。
そして現在準備中であるクリ魂→事業プロジェクトとも連動させ、クリ魂ミッションとのつながりも強化していきます。
新規事業を絶対に成功させる魔法のようなメソッドはありませんが、重要だと思うことは、新規事業を生み出そうとする全社の取り組みをやり続けることです。最初はうまくいかないこともあると思いますが、自分も覚悟をもって、この取り組みを推進していきたいと思います。
どうやったらHameeの、Hameeで働く仲間たちの力を最大限発揮させることができるか?
これは、自分自身も含めて、
・自分で自分の行動の理由を考えられること
・仲間を信頼し、思いっきって任せること(各自が裁量をもち判断できる状態を作ること)
・一人でやるより、チームで実現した方がいいものができると強く信じること
が必要だと思います。
かつての自分自身の「自分ならなんでもできる」という誤った自信の反省も強くあります。一人でやるよりチームでやった方が大きな成果が生み出せるし、経験値もみんな上がるし、成果が出せた後の幸せ感も何倍にもなる。
一人でやった場合、一時はうまくいくかもしれないですが、それでは長続きしないだろうと思います。スピードは大事ですが、一過性のものであっては意味がない。50年後、100年後までHameeが進化・成長し続けるためには、この考え方を浸透させていくことが一番大事だと思っています。
全力を出してやりきる環境を作っていくことも大切だと思います。そうすることで、自分達の今の本当の実力がわかるとともに、結果がどうあれ、次につながる一歩が踏み出せると思うからです。
全力を出さないと、「全力を出さなかったからできなかった」という言い訳が、言わなかったとしても心のどこかに出てきてしまう。そうなると「次は全力を出そう」という振り返りにしかならないと思うのです。
私からみんなへのお願い
Hameeのメンバー全員が、事業部門や管理部門といった区分けをせずに、新しい事業、新しいサービス、新しいプロダクトに常に主体的に関わっている状態にしたいです。
Hameeのメンバー全員に、世の中に新しい価値を提供する喜び、楽しさを感じてほしいと思います。それがどのくらい出来ているかが、クリエイティブ魂に火がつけられているかどうかを測る指標になるのではないかと思います。
そして、全員が「クリエイティブ魂に火をつける」というミッションに心を通わせ、今の自分がやっている仕事とつなげて、どうすればもっとクリエティブ魂に火がつけられるかを考えて発信していってほしいです。
このミッションが、どんなルールや制度よりも大切な、これからの自分達をつなぐ大切な言葉になると思っています。
Hameeはこれからもクリエイティブ魂に火をつけ続けます。
クリエイティブ魂があふれる世界を創るために、みんなの力を貸してください!
◆記事を書いた人
PROFILE:水島 育大(みずしま いくひろ)Hamee株式会社 代表取締役社長
1982年生まれ。神奈川県小田原市出身。大学卒業後、銀行勤務を経て2008年に入社。CFOとしてIPOに向けた管理体制の構築を主導し、2015年に東証マザーズへのIPO、2016年に東証一部への市場変更を達成。2018年より事業担当取締役、2020年からはHameeGlobal Inc.の営業担当理事も兼任し事業成長をリード。M&A、スタートアップ企業への投資事業にも携わる。剣道五段。