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在野のライターです。 まずは書きたいものをランダムにテーマをつけて書いていく予定です。…

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在野のライターです。 まずは書きたいものをランダムにテーマをつけて書いていく予定です。 よろしくお願いします!

最近の記事

忘れがたき私的名作漫画 『あさぎ色の伝説』

「泥がついていたが歳三はかまわず喰った。草モチをこんなにうまいと思ったことはなかった。」  実はそれほど幕末ファンではない。もっと言うなら日本史ファンでもない。  だって なんかあったら切腹で責任取る社会ってキツそう。 って思ってたから。  そりゃあそれくらい、主君とか使命とかに命をかけた人もいただろうし、そこまで思えるものを持てた生涯は、こんな私の危惧なんか無関係にある意味、充実して幸せなもんなのかもな、とは思う。  でも絶対、そこまで気持ちを持って行けない人だっていたと

    • 忘れがたき私的名作漫画 『ちょっと江戸まで』

      ◆「芸術とは この世は素晴らしい、生きるのに値すると語りかけてくるものではないでしょうか」  正直、ずっと芸術や文学や娯楽、といったものは生きていくためにはマストなものでも、最低限に必要なものでもない、という考え方に抗えずにいた。 そう、この『ちょっと江戸まで』(津田雅美:著)の物語に出会うまではー。  津田雅美さんといえば、代表作は庵野秀明監督が実写化した『彼氏彼女の事情』が真っ先に浮かぶだろう。  けれどこの話も津田さんの芯の通った哲学が光る、名作だと思う。  さて

      • 1冊だけ読み込みレビュー 『はい、泳げません』

         世の中には、いや、今の日本には幸いにも飽和するほど物語があふれている。 これは本においてはずいぶん前から見られた現象だし、今や、映画やドラマもそうだ。 (さもなくば、ドラマや映画は倍速再生が当たり前、になんかならないと思う。)  物語が好きな人たちは何だか今や、「読むべき」ばかりじゃなく「観るべき」作品にみんな、追い立てられているみたいだ。  と、こう書くとなんだかネガティヴな結論に落とされそうだけれど、私はこの飽和気味の物語の在り方って悪いばかりでもないと思う。  私

        • 忘れがたき私的名作漫画 『サイゴーさんの幸せ』

          「アキラさんが学校へ行く途中の道、お風呂屋さんの壁のちょうど目の高さにはまりこんで、待っていたんです。 誰かに見つけてもらってずっと後まで覚えていてもらうため。」 ◆それぞれの宝物  今回もマイナーな漫画と言っていいだろう。  作者のふくやまけいこさん自体は評価の高い作家さんだと思うけれど、この作品の名はそれほど聞かない(よう思える)。ので、書いてみたいと思う。    取り上げたセリフは、どういうわけか”ほぼ”人間になってしまった上野公園の銅像・サイゴーさんが、主人

        忘れがたき私的名作漫画 『あさぎ色の伝説』

        • 忘れがたき私的名作漫画 『ちょっと江戸まで』

        • 1冊だけ読み込みレビュー 『はい、泳げません』

        • 忘れがたき私的名作漫画 『サイゴーさんの幸せ』

          忘れがたき私的名作漫画 『緑の世紀』

          ◆「にいさんたちの名前のひとつひとつ お前が住んでたのだよ。」  今回は本気でマイナー作品である。  真乃呼氏の『緑の世紀』。  当時、ファーストガンダムが大ブレイクし、世の若い世代は男女問わず、SFブームに沸き立っていた頃。その波に乗ったいくつかのSF漫画誌の一つ、徳間書店刊の『リュウ』にて掲載された作品である。  全2巻、と話もそれほど長くない。だが、とーっても判りにくい物語なので、一読しただけでは理解しきれない。いや、今の子ども達なら私よりもずっと理解力が高いだろう

          忘れがたき私的名作漫画 『緑の世紀』

          忘れがたき私的名作漫画 『天使とダイヤモンド』

          ◆そしてあの場所の持つ意味を 俺がかえてあげる。  このテーマではあまり私の耳には入らなくなった漫画の中でも、私の心を支えてくれた名ゼリフを発信してくれた漫画について書いていこうと思う。 (まぁ、だいたいが古いんだけどね。)  第一弾は、那須雪絵さんの『天使とダイヤモンド』(白泉社)。当時の少女漫画としては珍らしい、応援したい女の子側じゃなく、甲子園に行きたい男の子、女の子側から物語を進めた野球漫画だ。 最初にこの作品の視点人物として登場するのは、「都立の星」と期待され

          忘れがたき私的名作漫画 『天使とダイヤモンド』

          嫌いじゃないわ。《登呂博物館》

           恐らく薄々、予想がついている人もいるかも知れないが、私はマイナー好きである。  博物館巡りもまだまだメジャーな趣味とは言い難いのだが、これも私の趣味だ。中でも更に全国ネットで名前が知られていない、マイナーな博物館も愛している。  そんな私が今回、行って来たのは静岡県静岡市駿河区にある「登呂博物館」。  ここは弥生時代の遺跡の横に建てられており、隣には地元の美術家である芹沢銈介美術館も並んで建てられている。もちろん、登呂博物館のテーマは登呂遺跡をメインとした、弥生時代の研

          嫌いじゃないわ。《登呂博物館》

          嫌いじゃないわ。《ゼロ章・このタイトルの由来》

           このテーマも一段落したので今回は、テーマ名「嫌いじゃないわ。」について話そうと思う。  この言葉を引っ張って来たのは『仮面ライダー オーズ』の話中のセリフからである。  こう言われれば熱量有り余っているマニアの多いこの分野、すぐにピンとくる人も多数いると思われる。 「嫌いじゃないわ。」 ーそう、このセリフは姉ヘの執愛(もっともこのお姉様も中々に性格に難あり、なのだが)に心をこじらせた真木博士に、仮面ライダー バース1号(と言っていいかな?)こと伊達さんがかける言葉なのだ。

          嫌いじゃないわ。《ゼロ章・このタイトルの由来》

          嫌いじゃないわ。《鉄矢》

           タイトルではインパクトと親しみやすさを優先して呼び捨てで表記してしまったが今回、ここに書くのは俳優の武田鉄矢さんについてである。  この人も好き嫌いが分かれる。もちろん、プライベートは知り得ないので、俳優やコメンテイターや、バラエティのお仕事についての感想だ。  「あんまり好きじゃない。」とか、私の周りではハッキリと嫌い、という人までいる。主だって『金八先生』のキャラに準ずる。この先生、生徒に寄り添う、と言えば聞こえは良いが、暑苦しい接し方をする人でもある。そのため、こ

          嫌いじゃないわ。《鉄矢》

          嫌いじゃないわ。《カラス》

           これについては好き嫌いがハッキリ分かれている上に、好きな人は割と情熱的に好きなので、このカテゴリーに入れるかは迷ったけれど、トライしてみようと思う。  カラス。この鳥が嫌いな人の意見に耳を傾けると、一言で言って「不気味」。  確かにクチバシ、羽色、足の先までが漆黒。美しいとは言えない鳴き声。ゴミだけでなく、死肉にも群れで集(たか)る映像もよく目にする。映画やドラマでも曇り空を背景にコイツらがギャアギャアと鳴けば、それだけで不吉な展開の幕開けであることを観ている側に印象づけ

          嫌いじゃないわ。《カラス》

          嫌いじゃないわ。《公園ランチ》

           公園ランチ族である。  私の好きなパーソナリティ・伊集院光さんは高校の頃、学校に行きたくないのにお母さんはお弁当作りに情熱を注いでいたため、それを「要らない」などとは到底言い出せず、一人、公園を渡り歩いて弁当を食べたのだそうだ。  でもって、そうやって弁当を食べた経験は、ひたすら寂しいものだったらしい。  フツウはそうだよね。それは私にだってその感情に覚えはある。 人の笑い声やほんのりとした人々の熱気の中で食べるランチって楽しい、と思う感覚も持っている。  が、たくさん

          嫌いじゃないわ。《公園ランチ》

          嫌いじゃないわ。《ラジオ》

           まずは能登を中心とする皆様に降りかかった、とんでもない天災について、心よりお見舞い申し上げます。  どうかできる限り多くの方の命がご無事でありますよう、お祈り申し上げます。  さて。  最近、女性雑誌にまで特集が組まれることもあって、同志もわりと居ることも知ったのだけど、ラジオ好きだ。 しかもオシャレな音楽を主に流すFMじゃなく、AMラジオが好き。  そんなマイナーなメディアを、という人はもちろん居るし、私もつまんないラジオ番組、あるなぁ、とも思うこともよくあるのでこのテ

          嫌いじゃないわ。《ラジオ》

          嫌いじゃないわ。《生物という科目》

           バリバリの文系である。  物語がいつもそばにあったし、物語によって魂のレベルで救われたことも何度もある。だから書くことを、常に仕事に据えて来た。  故に、というかその流れで、というか。学生時代から理数系の成績がからっきし伸びなかった。1+1=2 は理解できても、世の中そんなに単純に物事が運ぶわけないじゃん、と小学生当時でも疑いながら学んできたのだから、まぁ、上達はしない、成績も上がらない。  高校に入学して初めて理科が細分化された。で、その中の物理も似たような理由で伸び悩

          嫌いじゃないわ。《生物という科目》

          嫌いじゃないわ。《冬》

           自分の中に、みんなの共感は得にくいしおっしゃることもご尤も、という事象でも、そう心の中で声がするものがあるので、それについて書いてみようと思う。  その一つがこの「冬」という季節。  もちろん冷え込む朝に起きるのは結構、気合いが要ることもある。 この季節の中で、指をかじかませながら大掃除の窓拭き、とかもキツイ。 でも、好きなものもある季節。  それが冬。  晴れの日が多く、雪も滅多に降らない、太平洋側の街に住んでいるせいもあるけどまず、空が格段にきれい。  乾燥して水

          嫌いじゃないわ。《冬》