タカラノツノ 第10話 #創作大賞2024#ファンタジー小説部門
《ふたたび城へ》
次の日の朝、女にあつくおれいを言って、タカは里を出た。「行くあてはあるのかい?」とたずねた女に、タカは「あっちだ。」と、城のある方を指さした。すると女は城下町まで行くという商人を道づれにつけてくれた。「この国ははじめてだろう?とちゅうまででもいっしょに行くといいさ。」というのがその言い分だった。タカはかさねて礼を言って、たびじについた。
しかしタカは、と石をかりて捨丸の山刀をとがせてもらうと、みじかく礼を言って、すぐに商人とはわかれた。城に向かうことを知