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薄楽俊
2024年2月11日 00:02
たぶんジブラルタルまで俺は共産主義者だがこのトラックを盗んだその理由がけっさくだつまり、オンボロだったんだわかるかい 小僧廃棄するんだとさまだ六十キロは出せるのに書類に印鑑が押されたんだ だから俺はこの相棒と一緒に党を辞めたのさことわっておくが俺は今でも共産主義者だぜ運転手はそんなことを陽気に言った夕立があがると彼は窓を開けてタバコを吸いながらどこへ行くのかと聞
2024年2月4日 03:14
やっとひとりになれた夜 おれは波止場の見える安ホテルの一室で 情交の名残りでもあるかのようにシーツに落ちていた あの時の一本の縮れた女の陰毛を思い出していた湖水を染める晩秋の夕焼けはとっくに終焉しもうじき窓には無影灯のように青白い女の貧相な乳房が姿を見せるだろうおれが女をはじめて抱いたのは いや 抱かされたのは どうでもいいような研修会のあとの五階建ての薄汚れたこのホテルだった 初