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ひろめねば/連載エッセイ vol.114

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「姿勢ッコくらぶ通信 vol.116(2020年・第1号)」掲載(原文ママ)。

今年で本紙連載19年目に突入したこのエッセイ。
偶数月発行のスケジュール上、しかも場合によっては、年度末近くに受け取る方もいるであろう中、毎年毎年、今更感アリアリで恐縮だが……親愛なる読者の皆様、あけましておめでとうございます!! 
今年も当組合および当通信および当エッセイを宜しくお願いいたします!!

さて今年は、例年より少し長い年末年始の「店舗閉鎖期間」を経て(決して「長期休暇」といえないところに……「閉店日=休日」ではない自営業者の悲哀が!?)、新年の店舗ご祈祷にお供えした肉厚の鯛を、お客様でもある住職より思いがけず頂戴した事から、アクアパッツァ(魚介の煮込み)deイタリ~な薫風を受けての幸先良い仕事始めとなった。

そしてここ数年、最初の講演活動は、当組合内の「岩手県姿勢調整師会」が主催する「県民の健康を考える講演会」として、地元みちのくでスタートするような流れができている。

この講演会が始まったのは、2015年末。その年の夏に、私が博士号を取得したのを踏まえて、徒手療法業界の現状と課題、今後の展望を伝える事を目的に、行政や医療保健、報道関係者を招いて講演したのがきっかけであった。

(ちなみに今では地域のスローガンとなっている、「みちのく郷土を姿勢医学の先進地域に!!」という言葉は、この際、地元新聞社の記者からインタビューを受けている時に閃いたものである。)

その後、それまで組合員を対象に、識者を招いて開催していた研修会を、私との「ダブル講師」という形で一般市民にも参加を開放。

その運営を、当時、当組合内の「青年部」という形で、全国に先駆けて結成されていた「岩手県姿勢調整師会」に託した事で定期開催化。
今では年始と初夏という年2回の恒例大型企画となっている。

ありがたい事に、一般有料参加者数も、姿勢調整師会の面々による日々の啓発活動の成果もあり、毎回100名前後で安定。
この講演会をきっかけに、姿勢調整に興味を持った……という方が、今やスタッフ側という話も珍しくはなくなってきている。

また、継続は力なりとはよく言ったもので、数年前からは、夕方の人気地元情報番組で毎回、「生イベント告知」をさせて頂けるようにもなった。

素性を明かさず行きつけとしている、デカ盛の大衆食堂や、商業施設内のクリーニング店でも、店員の方から、「もしかしてTVで宣伝していた……?!」などと声を掛けられた際には、さすがに「もう……悪い事はできないなぁ……」などと思ったり思わなかったりしなくもなくはなかったりもする今日この頃である……。

そんな訳で今回も、本通信の表面記事にあるように、「第9回」として講演会が盛大に開催。

欧米で根付いている「足病(医)学」が最近、徐々に日本でも紹介されてきている現状を反映してか、事前のチケットの売れ行きは順調。
当日は、会場駐車場に車を停められず、泣く泣く引き返した方も出る程の盛況となった。

ただ、それだけであれば、単なる「流行への便乗」。

講演は、第1部にて、大学教育としての「姿勢科学」と、それに基づく徒手療法である「姿勢調整」について十二分に踏まえた上で、第2部は、よく発生する足部トラブルについて、足の「局所的な観点」からの分析や間違ったセルフケアの解説、そして姿勢という「全体的な観点」からの発生メカニズムについて説明。

質疑応答が、予定時間を過ぎても終わらず、県内各地で同様の講演を希望する声が挙がるなど、非常に大きな反響を頂戴した。

講演会に参加できなかった読者の皆様も、少しイメージしてみて頂きたい。

確かに「土台(足部)」のバランスが崩れれば、その上の「建築物(姿勢全体)」は歪んでしまうが、例えば、そのアンバランスが長期に及んだ場合、仮に「土台」だけを整えても、「建築物」の歪みが解消しきれない事から、再び「土台」の崩れが誘発されたり、逆に「建築物」の歪み自体が先に発生して、「土台」の崩れを後から招く可能性がある事は、それほど想像に難くないであろう。

だからこそ、足部に限らず、身体各所の局所的なトラブルに対応しようとする場合、「学問としての姿勢」という全体的な観点からなる分析処方と処置がなければ「片手落ち」になってしまうのである。

(なお、更なる詳細な解説は紙面の都合上、ここでは割愛するが、もしこれを読んで姿勢科学/姿勢調整に興味をお持ちになられた方は、次回の講演会を待たず、是非とも我々の開催する直近の講座やセミナーにご参加頂きたい。
目からウロコ……必須!!)

さて講演も終わり、調整師会のメンバーが個別相談会を開催している陰で一休みしていると、取材にこられた地元新聞紙の記者の方が挨拶に来られた。

氏が私の講演を聴くのは、確か3回目。
たまたまテーマもその都度、「高齢者の寝たきり予防」や「こどものスポーツ障害予防」など、バラける形となっていた。そして氏の開口一番の言葉に、私は思わず身体を打ち奮わせたのだった。

「センセイ……これは広めなければ!!」

曰く、地元紙という性質上、初めて案内が来たイベントには極力顔を出すようにしているが、その殆どに「2回目以降の取材」はない。
特に「健康系」のイベントは、見るに聞くに耐えないものも少なくない。

そんな中、姿勢科学/姿勢調整は聞く度に発見と納得がある。
しかもそれが、地元で行なわれている。
メディアの責務として、これからも取材していくので……「これを広めましょう!!」と。

私が活動し始めの時、師匠から言われた事がある。

お客様を作るのは大切。
だがもっと大切なのは、一緒に広めてくれる同志を募る事。
その先に、我々の目指すものはある……。

まだまだ道は半ばである。
私自身にも足りない事だらけだ。
しかしながら、その先の希望を確かに感じられた年始の出来事であった。

……いざ!!


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