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真夜中の知謀戦士/連載エッセイ vol.38

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.40(2007年6月)」掲載(原文ママ)。

親愛なる読者の皆様にとって、長距離の移動交通手段といえば、真っ先に何を思い浮かべるであろう?

鉄道だろうか?
はたまた飛行機であろうか?

実は最近の新聞等の報道によれば、『第3の路線』として『高速(深夜)バス』が定着してきているとの事。

人気急上昇の第1の要因として挙げられているのが、その『低価格』。

激戦区の東京・大阪間では片道2100円という激安席も登場し(但し『補助席』)、まさに価格破壊の真っ只中にある。

女性の利用者が多いのも近頃の傾向で、某インターネット旅行代理店の高速ツアーバス予約に於ける女性の割合は55%に上ったとか。
各社、女性専用車や女性エリアを設けている事も、この状況に拍車をかけている様である。

斯く言う私も高速バスの愛用者であり、関東方面で講義を担当する場合や会議に参加する時は、必ずといっていい程お世話になる。

この選択には経済性よりも、時間的利便性が大きく影響しており、新幹線移動だとどうしても朝一の打ち合わせに間に合わなかったり、夜間の会議を途中退出せざるを得なくなるケースが多くなってしまうからである。

決して経費をケチっている訳ではない。
そこんとこヨロシク…。

さてこの春から、『仙人道路』開通に伴い新しい路線が開通する等、岩手の高速バス事情も活性化している様であるが、皆様の中には、興味はあっても利用に二の足を踏んでしまう、もしくは数回利用したが快適に過ごせなかった、という方々がいるかもしれない。

そんな『ビギナー』諸氏へ、今回はこの『高速バス☆マスター(?)』のワタクシが、『深夜を10倍快速に過ごす方法(当社比)』を伝授したいと思う。
パンパカパ~ン!!

『枕の準備』や『膝掛の持参』といったガイドブックに書いてある様な通常の説明はこの際、省略させて頂く。

数え切れない程の夜を、高速バスという戦いの最前線で過ごしてきた私は敢えて断言しよう!!

『リクライニング・シートを制する者が、高速バスを制する』と!!

つまり自席周辺のリクライニングの主導権を握る事が『深夜快速』への一番の近道なのだ。

勝負は乗車時から始まる。
極力、車内には一番乗りして頂きたい。

そして目指すは自席、まだ誰も乗り込まないうちに目一杯リクライニングし切ってしまう…、なんて事は周りを考えない『アマチュア』のする事。

『マスター』はまず自席の1つ後ろの席を目指す。
そして無人のシートを予め適度に倒しておいてから、1つ前方の自席に座りシートをゆっくり倒すのだ。

こうする事で自席を多少深めに倒しても、後ろの客人が着席しにくいという事態を招かず、いち早く自分もリラックス体勢へと突入できる。
この作戦が成功した時点で既に『深夜快速』は手に入れたも同然である。
おやすみなさい。

一方、自席に辿り着いた時、既に後方の客人が着席していた場合、気付かれない様にソロリソロリとシートを倒していくのも『アマ』レベルの芸当。

『マスター』を目指すなら、ここは一発笑顔で振り返り、「倒していいッスか~?」と直球勝負で愛想良くお願いするのがベストだ。

人間、堂々とお願いされると、そう断れるものではない。
期待以上にシートを深く倒させてくれるケースが意外に多いのが、この作戦の特徴である。

また番外編として、前席の客人が既にリクライニングしまくった不届きな状況で寝に入っており、自分が座りにくいという戦況を打開する『よろめく振りしてボディーアタックおはよう大作戦』という荒業も存在するが、倫理上問題がある場合も多く、ここでは割愛させて頂く。

兎にも角にも上記の作戦を胸に『第3の交通手段・高速バス』へ臆せずにチャレンジしてみてもらいたい。
場数を踏めば案外快適な旅となる事請け合いである。

そしてどこかの戦場で私を見掛けたら…、そっとしておいて下さい。
喋り疲れて『ボディーアタック大作戦』を食らっても目覚めない位に爆睡しているハズですので…。
南ぁ~無ぅ~。


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