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MET the TOP/連載エッセイ vol.11

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「ほねっこくらぶ通信 vol.13(2002年10月)」掲載(原文ママ)。

自分の志した世界のトップの人と相対峙する。
そんな機会を人は一生のうちに何度持てるのだろうか。
もしかしたら、そんな機会を1度も持つ事なく、物事を終えてしまう人が大半なのかもしれない。

わたしに関して言わせて頂ければ、初めてそれと似たような経験をしたのが、小学5年生の時であった。

当時のわたしは、毎日稽古に勤しむ相撲少年。
痩せている体のハンディを補うため、小学生ながら冬場はウエイトトレーニングを取り入れる、今考えれば、かなりマッチョテイストな子どもであった。

そんなわたしが憧れ、自身を懸命に投影していたのが、「小さな大横綱」の異名を持ち当時最強を誇った、千代の富士関だった。

あれは夏の暑い日、大相撲の巡業が地元に訪れていた。
わたしは地元関係者の計らいで、力士の控え場所になっているエリアにこっそり忍び込むことに成功した。
気持ちは迷う事なく憧れの千代の富士関のもとへ。
しかし番付が一番高い横綱の座する場所は、当然の事ながら一番奥。
珍入者であるわたしが辿り付ける距離ではなかった。
泣く泣くわたしは近寄れる限界の位置に爪先立ち、カメラの望遠を構え、シャッターに指をかけた.。
(人はこれを「ミーハー」と呼ぶ…。)

その瞬間――。

彼がわたしの方を見て微笑んだのである。
後日現像したその写真には、胡坐をかき、チャンコを頬張りながらも、しっかりとしたカメラ目線の憧れの人が、枠の中で微笑んでいた。
(これって「対峙した」というより、単なる盗み撮りのカメラ小僧だなぁ…。)

何故ゆえ今回はこんな話を長々書いたかといえば、つい先日、正真正銘「自分の志す世界のトップと相対峙する」経験をしたからである。
場所は、CSCプログラム集中講義の講義室。
相手は、元WFC会長であり、現ACCE教育コンサルタントのDr.スウィニー。

数年前のWFC東京大会では「壇上の人」だった彼が、休憩時間に雑談している後ろにいるよ~、みんなにテキスト配ってるよ~、わたしのテスト上から覗き込んでるよ~、ってな具合だったのである。

まして同じ部屋の中に、昨年度アメリカのカイロ教育者として、最高の賞を受けたDr.アダムスまでいたりなんかして、もうすごいことになっていたのだ。

思えば軽い気持ちで始めたカイロの勉強。
まさかここまで来るとは思ってもみなかった。
この感激に身震いしつつ、支えてくれている患者さん達に感謝感謝の第1回CSCプログラム集中講義だった。


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