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紙切れの援軍/連載エッセイ vol.102

※初出:知事認可・岩手県カイロプラクティック協同組合発行、「姿勢ッコくらぶ通信 vol.104(2018年・第1号)」掲載(原文ママ)。

今年で本紙連載17年目に突入したこのエッセイ。
偶数月発行のスケジュール上、毎年毎年今更感アリアリではあるが……
親愛なる読者の皆様、あけましておめでとうございます!! 
今年も当組合及び当通信を宜しくお願い致します!! 

(特に……本来であれば、本通信と同じタイミングとなるべき全国版の『コスモス通信』の発行が、毎回遅延気味なので、それと合わせて手にする読者の皆様には……そのあまりな『時候ギャップ』に、重ねてお詫び申し上げる次第である!!)

さて…今年もまたワタクシ、新年早々、一般新聞の紙面を賑わす事となった。
今号の表面記事にもあるように、私が講師を務めた『第5回・岩手県民の健康を考える講演会』の模様が地方紙に報じられたのだ。

昨年7月に開催された『第4回』の際も同じく報じられたので、これで2回連続の掲載。

前回は私の全身が写る写真が記事に使用され、ファッションに興味のあるお客様からは、『さすがはセンセイ……コレ、いいスーツでしょ?? 紙面を通してもワカル!!』などという有り難いご指摘を頂いていたので、今回も同じく愛用のイタリ~ブランドの、実はペイズリー総柄なダブルのチャコールグレースーツを着用し講演に望んだのであるが……実際に記事へ使用された写真は『寄り』のものであった為、残念ながら『オサレ番長アピール』ならず……。

しかもそれが、壇上でのデモンストレーションにおける『姿勢チェック』をしているシーンで、毅然と前方を見据えるモデル役の参加者の方の目線と、さりげなく必死に両肩の変位差を探す伏目がちなワタクシの視線のコントラストが、非常に味わい深い一枚となってしまったのは……内緒である。

……と、ココまで冗談めかして文章を書き連ねてしまったが、一般の新聞に掲載して頂くというのは、非常に有り難い事である。

私がこの仕事を通して、初めて新聞に載ったのが、今から4年ほど前、県南地域にある某進学高校で講演をした際の事だった。

それまでも小中学校で講演をした事は何度かあったが、この時は学校側が報道機関に事前連絡(プレスリリース)をしていたらしく、結果的に地方新聞2紙に取り上げられる形となった。

初めて新聞紙面を通して、自らのファンキーな姿形に相対した際の不思議な感情は、今でも鮮明に覚えている。

その時に、まず心を過ぎったのは、『あぁ……自分がやってきた事が、ようやく一般新聞に取り上げられて貰える様になったんだなぁ……』という感慨であった。

このエッセイでも何度か触れているが、私自身、この仕事を始める際……というか、この仕事に関する勉強を始める事自体、家族の猛反対を受けた。

まぁ、今となっては両親の気持ちが痛いほど理解できる。

幼少時より教員になる事を目指して順調に勉学に励んでいた『無事故無違反』な息子が、大学4年にして突如、全く畑違いの事をやりたいと言い出したのだから。

しかもその分野というのが、我が国では法制化されていないダークグレーな業界。
そりゃ止めますわなぁ……。

まぁ、現在でもこの業界は相変わらずな側面はあるものの、『国際基準』というものが明確に存在し、また将来の法制化を目指して業界団体の代表者が集まり、国の担当官僚も出席するような会議(実は私もその代表委員の1人!!)も存在しているので、少し調べれば我々のような『まともな』団体の方向性を、清廉潔白にアピールできる情報素材はいくらでも準備ができる。

しかし当時は、そんなモノを準備できるような業界状況になく、必死で入手したのが『岡山県カイロプラクティック業協同組合・設立認可申請書』のコピー。

そう…『認可書』ではなく『申請書』である。

実は当時、すべての都道府県において『カイロプラクティック業』の知事認可組合の設立は許可されていなかった。
未だ『職業』として行政に認知されていなかったからである。

そこで私の所属する団体の本部がある岡山県の仲間達が、様々な手を尽くして、知事認可組合の設立に動き、やっと正式な『設立申請書』を行政へ提出できる段階までに至った……その証が『設立認可申請書』のコピーであり、その数枚のA4用紙が、全国の同志を鼓舞したのであった。

(その数ヵ月後、全国初の『カイロプラクティック業協同組合』として岡山県で認可が下り、それを契機に、他の都道府県でも相次いで組合の設立が認可された。
一方、私は家族への説得が不調に終わった事で方向転換を余儀なくされ、社会人として自立してから自分の人生の舵を取ろうと教員採用試験に臨み、永い雌伏の時を迎える事となる……。)

さて話題を現在に戻して……私自身が初めて一般の新聞記事に取り上げられてからは、毎年2~3回のペースで紙面上に自らの余所行きな佇まいを確認する事が出来るようになった。

この組合に所属している仲間達の分を合わせると、我々の活動が結構な頻度で新聞掲載されてきている。
あの頃に比べれば、まさに隔世の感を禁じえない。

だからこそである。この状況に甘んじる事無く、この状況を踏み台にして、この状況を如何に発展させていくのかを、今年は一層真剣に考えていきたい。

このトボけた顔が大写しになっている新聞記事を、もしあの時の自分が手にできたとしたら、どれだけの心の支えになり、どれだけの事を画策し、どれだけの事をしでかせるのか……。

過去の自分に誇れる今の自分であろうと強く願う、年初めな今日この頃なのである。


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