息吹肇

演劇ユニットFavorite Banana Indians代表・劇作・演出・役者。 小…

息吹肇

演劇ユニットFavorite Banana Indians代表・劇作・演出・役者。 小劇場を中心に、社会派に近い「一捻りしたエンターテイメント」作品を上演している。 50代で訳あって出版社の正社員から転身(転落?)https://fbi.creatorteam.work/

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「息吹肇」と「柿沼直樹」の相違点〜自己紹介にかえて〜

はじめまして。息吹肇と申します。 突然ですが、僕のもう1つの人格は「柿沼直樹」と名乗っています。 世の中には、どちらかしか知らない人、両方とも知っている人、片方には面識があるけど、もう片方とは会ったことがないと思っている人がいます。 noteを始めるにあたって、この2つの人格がどう違うのかを解説していきたいと思います。なお、この2人が同一人物だと信じて疑わない方にも、是非この文章を読んでいただきたいと思います。 「柿沼直樹」の幼少時代 1960年代の半ば、柿沼直樹は東京の郊

    • 出演辞退の理由

      またまたお久し振りです。 確定申告やら何やらで、ここのところバタバタしています。なかなかコンスタントに記事が書けないのが辛いですが、まだ読んで下さっている方がいると信じて、不定期でも書き続けることにします。 ご存じのように、僕は演劇ユニットFavorite Banana Indians(FBI)の代表であり、脚本家・演出家でもあります。自分のユニットで公演を行おうと思ったら、まずは企画書を作り、脚本を書き、俳優さんやスタッフさんにオファーをします。勿論、先方にも都合というも

      • 「息吹肇第1エッセイ」構成案

        アメブロには書いたのですが、文筆家の橋岡蓮さんから、今まで書いたブログをまとめて、1冊のエッセイ集にして自費出版(電子書籍)したらどうですかと提案をいただきました。僕もそれは面白そうだと乗り気になり、同時に蓮さんも、新作に取り掛かることになったのです。 蓮さんは、新作のコンセプトとタイトルを決め、来週にもデザイナーさんと装丁の打ち合わせをするとのことですが、僕はまだ自分の本の構想すらまともに練れていません。ちょっと焦りを感じています。そこで、折角のnoteですから、ここでエッ

        • 朗読の奥深さ

          少しご無沙汰してしまいました。気が付けばもう2月。この分だと、1年なんてあっという間に経ってしまいますね。 さて、一昨日ですが、舞台や朗読劇で活躍するとある女優さんとお話をしてきました。3年程前に出会い、僕の舞台や朗読劇にも、これまでに3回出演していただいています。その他にも、たった2回しかやっていない「FBIが配信しちゃうよ!」という配信番組にもゲストで出ていただいたことがあります。 その彼女から「朗読」についてじっくり話を聞いてきました。というのも、2021年は、僕のユ

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        「息吹肇」と「柿沼直樹」の相違点〜自己紹介にかえて〜

          娯楽産業の自粛は自己責任か?

          今さらですが、新年おめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。 とはいっても、昨年もnoteは殆ど書いていなかったんですよね。僕の中でも位置づけが曖昧になってしまって、文章を書く間隔が開いてしまいました。今年は、もう少し盛り上げていけるといいなと思っています。 さて、僕の他のブログやSNSを読まれている方はとっくにご存じだと思いますが、僕が代表の演劇ユニットFavorite Banana Indiansは、今年の1月26日〜31日に、新宿のとある小劇場で公演を

          娯楽産業の自粛は自己責任か?

          戯曲を書店で手に取ってもらうには?

          昨日、読書好きの友人と話をしていた時のこと。共通の知人(やはり女性)がとある有名出版社からこの冬本を出版することになっているという話題がでました。ジャンルとしてはエッセイ(自叙伝)だと思います。小説やエッセイは間口が広く、多くの人が読者になる可能性があります。 それに対して、僕が書いている「戯曲」は、「詩集」と並んで売れないジャンルの典型です。その話をすると、彼女は「脚本なんて、誰が読むの?」と、一般の人としては至極真っ当な疑問を口にしました。 確かに、戯曲というのはかなり

          戯曲を書店で手に取ってもらうには?

          コロナ禍に公演を打つ

          またまたご無沙汰してしまいました。 コロナが全国に広まってもうだいぶ経ちました。今年の前半の第1波の時は、国が「緊急事態宣言」を出し、所謂「3密」になるような空間から強制的に人々を締め出しました。劇場もまた休業要請の対象になり、多くの劇団や団体が公演を中止や延期せざるを得なかったのは記憶に新しいところです。宣言が解除され、劇場もボチボチ再開し(潰れた所もありましたが)、でもウイルス自体がなくなった訳ではなく、当然のように第2波が押し寄せつつあります。 こんな時にも演劇公演を

          コロナ禍に公演を打つ

          大衆の無意識の飢餓感を射る

          先日、NHK総合の「日本人のお名前」という番組で、歌謡曲(J-POPではない)のタイトルを取り上げていました。非常に興味深い内容だったのですが、その中でも印象に残ったのが、作詞家の阿久悠氏のこの言葉でした。 「大衆の無意識の飢餓感を射た時、曲はヒットする」 正確ではありませんが、概ねこのような内容だったと思います。「大衆の無意識の飢餓感」という表現はなかなか興味深いですし、全体としても的を射た言葉だと思います。僕たちは日常生活の中で、それとは気付かずに何か飢え、乾いた状態

          大衆の無意識の飢餓感を射る

          自分の「趣味」「好み」に縛られない創作が、自分を本当に生かす

          coconalaというサイト(アプリ)があります。一応説明しておきますが、「スキルのフリーマケット」というキャッチコピー通り、デザインやイラストから占いまで、実に様々なスキル(それを持っている人達)が登録されています。例えば僕が名刺のデザインをしてくれる人を探しているとすると、デザインのスキルを持っている人を検索し、サイト上でお仕事をお願いすることができます。そこに僕も2つのスキルを登録しています。その1つである脚本執筆に、先日依頼がありました。岐阜県で活動されているアマチュ

          自分の「趣味」「好み」に縛られない創作が、自分を本当に生かす

          「身の丈」を伸ばす

          久し振りの投稿です。ここのところ僕は自分の演劇ユニット・Favorite Banana Indians第13回本公演「Milky Way, Faraway〜七夕伝説異聞〜」の準備で忙しく、ブログどころではありませんでした。今宣伝の手段がSNSかブログに限られているというのに、それができなかったのは痛かったです。勿論、出演者はやってくれていました。しかし、積極的な人とそうでない人に別れていたのは事実です。それは動員数に如実に表れました。今回の出演者の中にはメディアに出ている人が

          「身の丈」を伸ばす

          批判の中にこそヒントがある

          「クレーマー」という言葉があります。言わずと知れた、商品やサービスについて文句(クレーム)を言う人達のことです。僕は演劇公演という形でお客様にお金を払っていただき、舞台をお見せしているわけですが、当然好意的な反応ばかりではありません。公演では毎回アンケートをお客様に書いていただいています。お褒めの言葉がある一方で、厳しいご意見やきついお言葉が書かれたものも多々あります。芸術作品ですから好み問題が絡んでくるのは致し方のないことですが、それだけでは片付けられないものもあります。

          批判の中にこそヒントがある

          クリエイターの4つのテーマ その4

          令和初投稿です。それがどうした!という感じですが…。 これまで3回書いてきましたが、神奈川県厚木市を拠点として活動する「クリエイターズ!エンタテインメント」の配信番組「クリエイターズ!エンタテインメントFM」の平成最後のゲストとして、演劇にフォーカスしたクリエイター事情を話してきました。今回が最終回です。 【テーマ4 クリエイター活動をする上での資金の話】 これは前回もしていたのですが、この回ではかなり具体的な数字を挙げて、どんなことにどの位のお金がかかっているのかをお話し

          クリエイターの4つのテーマ その4

          クリエイターの4つのテーマ その3

          神奈川県の厚木にあるNPO法人の配信番組「クリエイターズ・エンターテインメントFM」に、今月のゲストとして出演しています。1週間に1回、合計4回の出演です。大きなテーマはズバリ「クリエイターについて」。今月は僕がゲストなので、演劇(小劇場)にフォーカスした話題になっています。 番組中話しきれなかったこと、整理しておいた方がいいこと等を書く企画の3回目です。 【テーマ3 リエイターをしていて苦労していること】 実際の番組では、すぐにお金の話になって、そのまま15分終わってしま

          クリエイターの4つのテーマ その3

          クリエイターの4つのテーマ その2

          前回の続き、クリエイターズ・エンタテインメントのFM番組で話したクリエイターについてのお話です。実際の放送(配信)は間もなくでしょう。 あの時に話し切れなかったことをこちらに書くという企画の2回目です。 【テーマ2 クリエイターをしていてよかったこと】 …と言われてもねぇ、と一瞬絶句した質問です。気が付いたらなっていたという感じでしたから、今でも「クリエイターになったんだ!」という実感が実はあまりないのです。区切りがなかったというか。これはきっと、僕の書いたもの(脚本なりエ

          クリエイターの4つのテーマ その2

          クリエイターの4つのテーマ その1

          お久し振りの記事です。 先日、NPO法人クリエイターズ・エンタテイメント(略称クリエン)が4月から配信を開始するFMラジオ番組の収録に行ってきました。いつも経営コンサルやFavorite Banana Indiansサイトの管理等でお世話になっている、小塚ツルギさんが関わっている、厚木にあるNPO法人です。週に1回配信される予定ですが、それを1ヶ月分まとめて録ってきました。週ごとに1つずつテーマが設定されていて、合計4つのテーマについて話してきました。時間の関係もあって、割と

          クリエイターの4つのテーマ その1

          「王道」と、受け入れられる「尖ったもの」

          2019年初めてのnote 投稿です。本当に今更ですが、今年もどうぞ宜しくお願い致します。 記念すべき2019年第1回目のテーマに相応しいかどうかは分かりませんが、先日ある女優さんと話していて考えたことを1つ。彼女は劇団四季やディズニーが好きという、僕とはまったく正反対の人です。その人が誘われてとある人の芝居に出ました。僕が書くくらいですので小劇場の芝居です。その作品はかなり尖っていて、表現方法も特殊。自分のお客様からは「分からなかった」と言われたし、実は演じている彼女自身も

          「王道」と、受け入れられる「尖ったもの」