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仕事の心構え

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会社の方針や、見聞きしていいなと思った考え方を思い立つままに綴っています。 このマガジンの内容はKindle本でも好評発売中です。
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2021年11月の記事一覧

見えていない自分を見せてもらう

自分のことをきちんと認識していない人に限って、本来は社交辞令を含めて相手に言うようなセリフを自分に対して使用します。 それはあなたを実際に見ているこちらが判断しますよということになりますし、だいたいは「あー、まあ」としか返答できないような感じだったりします。 それから、これは仕方のないことですが就職面接などに際しては、職務経歴書にもいかに自分が優秀なマネージメントをしてきたかを書き連ねている人がいますが、不思議なのは何年それをやっていらしても特に昇格もされてもいないですし

自分のバイアスや思い込みを見直してみる

先日のコラムにて、ネガティブな思考の在り方のひとつとして、「思い込み」の弊害について触れました。 今回は、バイアスがもたらす自分の思考についての思い込みをテーマにしてみたいと思います。 あまり聞き慣れないカタカナ語、「バイアス(bias)」。 横文字はあまり好きではないのですが、直訳すると長ったらしくなる日本語の意味合いを包括的に文章内に閉じ込めるのには便利だからついつい頼ってしまうのですよね。 意外と長ったらしくはなりません(笑) 「認知バイアス」という心理学用語

ネガティブな思考の在り方

どこで読んだのか忘れてしまいましたが、ものの本に、誰でも知らず知らずのうちに陥ってしまうことがあるネガティブな思考パターンがあると、下記の項目の記述がありました。 1.ものごとに「白黒つける」よく、同じ拠点内において異なる部門の上長同士でありがちな事案です。 私が合っている、あなたは間違っている。 もしくは、私の案が良い。あなたの案は良くない。 すべてを「○か×か」で判断してしまう。 なんでも2択にしてしまうということですよね。 A案とB案の良いところを合わせて、「A案の

相手本位の本質とは

「物事に気づくということは、比較から生じる」とこれまでも何度か触れてまいりました。 正しい状態を知る人が、正しくない状態の変化に気づくことができます。 環境の面だけでなく、思考の在り方に対しても、正しい考え方を持つことによって、正しくない思考の状態に気づくことが可能となります。 もっと言えば、本来であれば「こうありたい」という理想の在り方を持っておくことによって、その理想からかけ離れている今の状態を俯瞰して、見つめ返すことが可能となります。 そして、その俯瞰する目は「

連絡と確認の在り方

以前あった話ですが、お店の予約をして了承されたにもかかわらず、ギリギリになって「やっぱりごめんなさい」とされた経験があります。 スタッフさん同士の連絡調整のミスとか、確認のミスなどが要因でした。 まずはお目当てのお店に予約連絡を入れたのですが、希望する時間だとこちらの希望する人数では入れないとのことで、そのお店から徒歩5分圏内にある系列店を案内されました。 では、そのお店の方に連絡し直した方がいいかと訊くと、「お店の方で調整しておきます」との回答が。つまり、この時点で希

事業計画作成の考え方

毎年年末が近くなると、そろそろ来期の事業計画の作成の時期に入ります。 幹部だけで作成してもいいのですが、やはり各拠点には所長がおりますし、第三者が作成して後から押し付けられる目標よりも、自身が作成に参画して腹落ちしている内容を一緒に目指していただいた方がいいですから、練習を兼ねてそれぞれにも作成してもらう機会を設けています。 ところが、毎年同じことを指摘してはいるのですが、やはり年に一回しか機会のない取り組みですから、ほとんどの所長の記憶はリセットされてしまっています。

日本におけるDXの推進の具体例

前回に引き続きDX(デジタル・トランスフォーメーション)の話題となります。 「デジタル化の推進により社会生活をより良くする」という考え方についてです。 前回の野口教授の話だと、日本においてデジタル化を推進していくためには、必要な技術を揃えたとしても組織や社会や国家の在り方が変わらなければ厳しいといったような論調の話でした。 そんな中で、かつての講演でオードリー・タンさんは「若い力の台頭」と「リーダーシップ」が必要と言われていましたが、今回の対談はその一例なのかなと感じま

日本におけるDXの推進に必要な要素

個人的な興味もあり、DX(デジタル・トランスフォーメーション)については、これまでも孫正義さんやオードリー・タンさんの基調講演や対談を取りまとめてまいりました。 DXとは、平たく言えば「デジタル化の推進により社会生活をより良くする」という考え方です。 今回は、別の企業セミナーであった一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏による「日本のDXの在り方を考える」というテーマの講演について。 まずは、機能していないオンライン行政についての話がありました。 一番分かりやかった事例は、コロ

ケアの再定義

何度も繰り返し述べてきたことになりますが、あらためて「ケア」について。 「ケアする人」の定義については、あおいけあの加藤社長が以前とても分かりやすく説明をしてくださっていました。 健康に問題のある人に対して、 のが私たち介護職の仕事となります。 また、③については、本来は①や②の後に来るものではなく、それらを網羅する「ひとりの人間として向き合う」という条件でもあります。 寄り添う人間がいなかったり、寄り添う人間の意識が変化したりすることから認知症当事者や障害を持つ当

奢らないこと

「お客様は神様です」という言葉があります。 そして、その言葉についての賛否両論もあります。 まず思うことは、これはサービスを提供する側が口にする言葉ということ。 相手が神様かどうかを判断するのは敬う側であり、「私は神様」などというお客様がいらしたら、大体そういう人は結構な問題のある性質の方であり、最終的にサービス提供する側としては「この人はお客様ではない」という判断のもと対応をしていくこととなるでしょう。 ただ、私たちが生計を立てることが出来ているのは、間違いなくお客

コミットすることの効能

以前のコラムでは、「コミットは誰に向けてするものか」というテーマで綴りましたが、今回はコミットをするその行為自体の効能について。 私は、コミットというのは「自分がやると決めたことを自らに向けて宣言する」というような意味だと解釈しています。 本来の英語の意味とは変わってしまいますが、もっとシンプルな表現に変えてしまうと「言葉にする」ということが一番肝心なのだと思っています。 自分の中だけにフワッとしたイメージであるだけ、それだけなら単なる夢と同じです。 夢を夢物語で終わ

相手に求めるからイライラする

会議などでやり取りをしていると、いつまでもやることを決められない人がいて、周囲の人たちをイライラさせることがあります。 そもそも会議は、 ・ 情報交換と意思統一のため ・ 目標を達成するため に開催するわけなのですから、この先の目標達成のために何をするのかという「意思決定」がなされる場でもあります。 ということは、会議に参加するのは「意思決定をする人」でなければなりません。 だから周囲をイラつかせてしまうのは、そういう場にもかかわらず、そして自分のことや自分の担当す

失言の多い人の特徴

テレビやネットニュースなどで度々政治家や企業のトップの失言が取り上げられています。 話題に取り上げられると目立ちますが、こういった人は意外と身近にいるというか、会議の中や事業所の中の人間関係においても小さな爆弾が日々バラまかれています。 本人の弁や本人に近しい人たちの言葉では、「誤解されやすい人」なんてオブラートに包んだ表現をされることが多いですが、そもそもそれが間違いであって、「浅慮な人」であるだけなのだと思います。 浅はか、つまり「デリカシーがない人」ということです

部下を叱れない上司

最近相談されたのは、相手の反応を考えてしまうと部下が叱れないという悩みについて。 以前のコラムで「叱る」と「怒る」の違いについて触れたことがありました。 叱るのは「相手への指摘」が目的、怒るのは「自身の感情の発露」が目的、そう分けて考えるという内容のものでした。 この相談者は、別に自分の感情を発露したいわけではなさそうでしたが、「相手に嫌な思いをさせたくない」という叱ることに対する負のイメージを持たれていました。 まずは、なんのためにその相手を叱るのか、ということから