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仕事の心構え

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会社の方針や、見聞きしていいなと思った考え方を思い立つままに綴っています。 このマガジンの内容はKindle本でも好評発売中です。
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2021年10月の記事一覧

部下に一任してみる

個人としての能力の高い人物が、必ずしも上長として優秀であるかというと、決してそういうわけではありません。 その人の仕事ぶり自体は素晴らしいものがあるのですが、その人の仕事の素晴らしさが目立てば目立つほど、その下にいる人たちは何をしているのだろうという疑問が湧いてきます。 上司が全ての荷物を持って、先頭に立ってどんどん山を登っていってしまうので、部下たちは手持ち無沙汰な感じでゾロゾロとその後を手ぶらでついていきます。 どこを目指すのか、そのために何をすればいいのか、全て上

「上長の在り方」が拠点の環境となる

またこれまでの焼き直しのような内容になってしまいました(-_-;) 「環境整備」という自己啓発の考え方によれば、「環境とは心のあらわれ」。 会社が赤字になっているのは、トップの社長が「赤字にしよう」と決めているから。 営業所の環境が荒れているのは、所長が「それでいい」と決めているから。 ところが荒れている拠点では、居心地を悪く感じるスタッフの退職が続出しますから、当然人材不足となります。 そこで、何とか人を採用してくれということになり、応募してくださった方の中からや

コミットは誰に向けてするものか

いつの間にか会議の場面などで普通に使われるようになった言葉に「コミットする」というものがあります。 有名なプライベートジムの「結果にコミットする」というキャッチコピーで定着した感もあります。 コミットは動詞で、名詞だとコミットメント。 英語では、委託や関与や参加、公約・約束・言質、また責任といった意味合いを持つ言葉です。 仕事においては、業務や業績目標に対して「責任を持った確約」とその言質を取ることというニュアンスでしょうか。 個人的には、「ここで決めたことをやり切る

「弱者の戦略」は個人でも活かせる

先日のコラムでは、中小企業が生き残るために、大手のナンバーワン企業にどのように対抗していくのかという話をしました。 その際に取り上げたのが、「ランチェスター戦略」の第一法則である「弱者の戦略」についてでした。 局地戦の勝利に必要なのは「選択」と「集中」。 まずは勝てる分野を選択すること。差別化を図ること。 そして、一点集中。自社(自分)の強みを知ること。 これらの勝利への必要条件は、個人的な目標達成にも活かすことが可能です。 よく社内で会話をしていると、「もう何年

備える習慣

これまでも何度もこのコラムでは「環境整備」について触れてまいりましたが、その中に「安全」という項目があります。 安全はすべてに優先します。 現在の感染症が蔓延する世の中において、一番意識する必要のある項目です。 当社においては、これまで以上にこの方針を拡大解釈し、「異常なほどに備える、また備蓄をする」と新たに定義付けて徹底してまいりました。 ある程度の規模間をもって全国展開していきますと、都市部と過疎地域とでは当然ながらインフラ整備の差もあったり、行政の対応速度の差も

やりたいことは自分で決められる

子どもたち二人も大きくなりました。 上の娘は、「保健師になる」と親元から離れた大学で勉強しています。 下の息子は、「農業をやる」と県立の農業高校を選んで、今後の進学先も自分で見つけてきました。 こんなこと言ったら身も蓋もありませんが、私は何もしていません。 実際に8年間も離れて暮らしている身ですし、一緒に暮らしていた時でさえ出張ばかりでしたから子供の勉強に関わったことは自慢じゃないですが一度もないくらいです。 ただ、大事にしてきたのは関係性でしょうか。 人に迷惑をか

場の空気をつくるのは誰?

蕎麦屋が好きです。 正確には蕎麦屋で飲んで、〆に美味しいお蕎麦を食べるのが好きです。 有名な杉浦日向子さんによる「ソバ屋で憩う―悦楽の名店ガイド101」という本がありますが、美味しいお蕎麦屋さんの酒の肴はこれも間違いなく旨いのです。 高松に越してきて残念なのが、なかなか飲める蕎麦屋がないこと。 少し遠出して水の綺麗なところに行くと、美味しいお蕎麦を出す店はちらほら見つかるのですが、皆さん車で出向くため、とにかく肴が少ないのです。 やはりうどん文化なのですよね。 と

思ったことを口にしてしまう人

以前、「言わない美徳」というコラムで、「わざわざ言わなくてもいいことを悪気なく言う人」について触れました。 プライベートな関係であれば、なるべく関わらないように距離を置けばいいですが、サービスを受けたり提供したりする際に、こういった人と関わるとトラブルが発生します。 お客様の心証を悪くする、ということですね。 先日、年に一回の健康診断を受けました。 受付に係の方がいらして、提出物を確認後、今のご時世ですから体温を測るのですが、私の額が光って上手く測れずに、腕で検温をし

プロフェッショナルとは何か

おかげをもちまして、このコラムの連載もとうとう200回目を超えました。 大した文章書きでなくとも、読んでくださる相手がいてくださるというのは、とても励みになるものです。 いつも読んでくださいまして、ありがとうございます。 さて、きりの良い回ですので、ここらで原点回帰を。 今回は「プロフェッショナルとは何か」ということについて。 以前、「ひいきをしない」というテーマで書いた時にも、プロフェッショナルの考え方については少し触れさせていただきました。 NHKのドキュメン

遠くに御旗を立てる

ケネディ大統領の有名な演説のひとつです。 目指すべきところを明確に強烈に示すことで、誰もがどこに向かって進めばいいのかが共有できるようになりますし、道に迷った際にも、見上げれば常に向かうべき指針となる場所がどこなのかがはっきりします。 「いつか登って制覇してやる」とそびえ立つ山のてっぺんを眺めつつ、着々と準備を進めていくという感じでしょうか。 向かうべき場所、進むべき道が明確になれば、人間の脳はそこに向かうためのプログラムを構築していきます。 つまり、「どうやったらそ

帰納法と演繹法(えんえきほう)を使い分ける

帰納法と演繹法。 普通に生活している中では、まずあまり縁のない単語ですよね。 それでも、実は自然と日常や仕事の中で活用していることが多かったりします。 しっかりとした解説は、ネット上でいくらでも検索できますので、ここでは大雑把な説明をさせていただきます。 ✅「法則を見つけること」が帰納法。 具体的な事実Aと事実Bと事実Cを並べて見たときに、同じ特徴があるのを発見したら、その特徴が法則となります。 カラスAは黒い。 カラスBも黒い。 カラスCも黒い。 これら事実や

話がとっちらかって上手く伝えられない人

会議などで報告を受けていると、話している内容があっちこっちへと行って、話がとんだり、話がそれたり、話が散らかる人がいます。 話がとぶと、相手の中には「なんでそうなるの?」という疑問が生じます。 話がそれると、相手の中には「訊きたい(聞きたい)ことはそれじゃないんだけど?」という不満が生じます。 話が散らかると、相手の中には「なにが言いたいの?」という不安が生じます。 つまり、話がとっちらかってしまうと、聞いている相手の頭の中に「要するに何なの?」と「?」を生み出します

礼節の効能

観たことがない人でも、「孤独のグルメ」についてはご存知の方が多いかと思います。 松重豊さん演じる主人公、井之頭五郎が様々な町でフラッと見つけたお店でただただ食べるというドラマです。 役者の松重さんは、ひょろっと背が高く、優し気で剽軽な雰囲気で演じていらっしゃいますが、実は原作はどちらかというともう少し硬派な感じなのです。 2巻まで刊行して、作画家がお亡くなりになられたので、残念ながらもう漫画版は終了してしまっているのですが、絵のタッチはまさに劇画調であり、主人公にもハー

人の相談に乗る

昔からよく街で声をかけられます。 今では頭髪もほぼ無くなりましたし(泣)、筋肉もついて身体の見た目もいかつくなりましたので以前ほど声はかけられなくなりましたが、かつてはそれはよく声をかけられておりました。 逆ナンの話とかではないですよ。 「すみません、写真撮っていただいてもいいですか。」 「ちょっと、道を訊きたいのですが。」 といったお手伝い的な役割もあれば、ねずみ講的な勧誘をするきれいなお姉さんや、「あなたの幸せを祈ってもよろしいでしょうか」と頭に手を当ててくるよう