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仕事の心構え

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会社の方針や、見聞きしていいなと思った考え方を思い立つままに綴っています。 このマガジンの内容はKindle本でも好評発売中です。
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2021年6月の記事一覧

引き継ぐものの大変さ

以前このコラムで、中国の古くからの帝王学の書「貞観政要(じょうがんせいよう)」を取り上げました。 リーダーには持つべき大切な三つの鏡(関係性)があって、その中でも一番得難く大切な存在であるのが「諫言してくれる部下」であり、「上司を諫める部下がいなければ、その組織は滅びる」と記されていることについて触れました。 今回は、その同じ書物にある言葉、「創業は易く守成(しゅせい)は難(かた)し」について。 新しく事業を興すことよりも、その事業を衰えないように維持することはい

10歳になる娘に伝えたこと

あまり家族のことには触れてきませんでしたが、子供が二人います。 8年間も離れて暮らしていますが、その分、反抗などもされずに今に至っています。ひとりで育て上げてくれた妻に感謝ですよね。 以前になりますが、海外のライターがブログに綴った「10歳になる娘に伝えたい10のこと」というのを見て、それを下敷きに自分の娘の10歳の誕生日に手紙を送ったことがあります。 この4月からひとり暮らしを始めましたが、これまで真っすぐ育ってくれたのも、妻の育て方と、9年前に渡した手紙も少しは役立

ファシリテーターの役割

前回のコラムで、会議の回し方の下手な人について触れました。 前回は会議を開催する立場としての前提条件についてでしたが、今回はもう少し会議を具体的に回していくために必要な考え方について。 会議の司会をするのは決して下手ではないのですが、かといって良い会議の回し方をしているかというと少し疑問符がつく人がいます。 そうした人の特徴として挙げられるのが、会議参加者よりも自分が話す時間の方が圧倒的に長くなってしまう、という点です。 2時間の会議中、開催者側が1時間45分喋りまく

会議の回し方の下手な人

仕事をしていると、毎月定例の会議などもあるかと思います。 私も立場的には会議の開催者側ではあるのですが、会議の取りまとめ役というか司会進行役は人に任せています。 任せてはいるものの、やはり気になってしまうのは、会議の回し方の上手い人と下手な人の違いについて。 今は、「ファシリテーション」とか「ファシリテーター」とか、横文字文化の役割名が輸入されてきておりますが、ここではそこまで難しいことに触れるのではなく、もっと初歩的なことについて。 会社の方針としては、会議の目的は

真・善・美 - 社名の由来

今さらですが、「セントケア」という社名の由来について。 昭和58年に創業した際には、まだ「日本福祉サービス株式会社」という社名でした。 当時は介護保険が始まるずっと前ですから、まだ社名に「福祉」の文字が入っていたのですよね。 介護保険が始まって、私たちがする仕事は療養上のお世話である福祉事業ではなく、お客様の自立を支援する介護事業になりましたから、2002年に「セントケア株式会社」という名称に変更しています。 その後、法改正が進み、各自治体の権限が大きくなり、地域とし

物事を正確に観る

✅電子書籍のありがたみを今更ながらに感じています。iPadを使用するようになった際に、Amazonプライムなど定額制のコンテンツに電子書籍のサービスもあったため、興味の持てる本が無料閲覧できるようならと少しずつ活用し始めました。 一番の魅力は紙の本のセールはほとんどないにもかかわらず、電子書籍は結構な頻度で半額以上の割合でのセールが実施されるという点です。 先日は、半額分のポイント還元セールが2万冊以上の本を対象に実施されていたため、2万円分くらい購入してしまいました。

部下から指摘されること

今回も中国の古くからの帝王学の書「貞観政要(じょうがんせいよう)」について。 乱世を治めて、太平の世を築いた皇帝の日々もマンネリ化しつつありました。 そんな上長を見るに見かねた部下が「災いの芽が大きくならないうちに」と命を賭して指摘した上司の失策・失政についての諫言十箇条が次の項目となります。 「指摘事項(理想の姿) - 現在に置き換えてみると」の並びにしてみました。 少し表現を変えてみると、今の時代にでも当てはまる要素は多々ありますし、これらを直属の上司に言ってみよ

あぜ道の話

コラムも100回以上書いていると、いい加減ネタ切れというか同じような内容の繰り返しになってきてしまいます。 以前、ひとりで仕事や案件を丸抱えしてしまって、部下の共感を得られずに孤立してしまうリーダーの傾向と対策について触れましたが、今回は先人の教えをなぞっていきたいと思います。 10年以上前に私が社長になったばかりの頃に、ひとり飛び回っては空回りをしていて、そんな時に合宿所の大浴場での私の行為を上司に見咎められて、「今のお前にぴったりの言葉だ」と渡されたのが松下幸之助さん

面談力 - うまくいかないのは誰のせい?

突然ですが、「ほぼ日」が好きです。 スマホが普及するずっと前からブログとして配信されてきた、糸井重里氏による「ほぼ日刊イトイ新聞」のことです。 ほぼ日刊と言いながらも、一日も休んだことがないので実は完全な日刊なのですよね。 相当早くからサイトのファンであったので、もちろん手帳もほぼ日手帳を15年以上愛用しています。 一時期は、腹巻きなども購入して、「要らない」という妻や子供にも無理やり配っていました。 様々な分野の人との対談なども多く、過去のコンテンツも全て読めます

人間関係の構築について

私たちの業界はいつでも人不足です。 需要に対して供給が追いつかないというのは大変ありがたいことではありますが、実際の当事者としては何とかしていきたい問題でもあります。 そして、人不足の要因は二つに分かれます。 ひとつは採用難。応募者、入ってくる人数に限りがあるということ。 もうひとつは離職。せっかく入社されても、バケツの底に穴が空いていれば働く人の人数は増えません。 そこで大切になってくるのが、離職率を下げていくこと。 現在のように国策の悪手もあり、コロナ禍が想定

可能性を信じる力

言霊(言魂)という言葉があります。スピリチュアルなことはあまり分かりませんので深堀りするつもりはありませんが、言葉(単語)にはプラスのイメージとマイナスのイメージを与えるものがあるということは以前触れさせていただきました。 そして、人間の脳はというと、主語を理解しませんから、自分が吐き出した言葉のイメージを全て自分自身でも受け止めていきます。 「言ったことが現実のものとなる」、「引き寄せの法則」と言った言霊的な要素は、実情としては、どれだけ自分がその言葉を口にして耳にした

口コミの伝染力

私たちは、知らず知らずのうちに周知の人たちの言葉や意見に影響を受けて生活をしています。 そのうちのひとつの要素が「口コミ」です。 もちろんその製品を購入することやサービスを利用することは、当事者の判断でしかありませんが、その際に気持ちを動かすきっかけとなるのが周囲の人たちによる口コミだと思います。 口コミは、その人の抱いている好奇心や購買意欲に働きかけてきます。 そして、気持ちに働きかけてくる要素だからこそ、良いことばかりではなく悪いことでも影響があるということを意識

もらったアドバイスを深堀りする

以前、このコラムにおいて中国の古くからの帝王学の書「貞観政要(じょうがんせいよう)」について触れました。この書には、「諫言してくれる部下」が最も大切な存在であり、「上司を諫める部下がいなければ、その組織は滅びる」と記されています。 そして、もちろん上司や同僚からの指摘やアドバイスも、今ある自己を否定して成長につなげていくにはとても大切な要素となります。 アドバイスというと表現が柔らかくなり過ぎる感がありますが、まあ指導ですよね。 社長になってしばらくしてから、一番怖い上

評価制度の盲点

今の組織に入社してから26年、これまでも体制が変わるたびに人事制度も変わってきました。 進化はしているものの、いつの時代もなかなか「これだ」という正解に至らないのが評価制度。どれも一長一短で、満場一致でこの制度がいいというのに出会えたことがありません。 その中でも、個人的に「本当にこれは必要なのかな」といつも思っているのが、評価制度の一部である「自己評価」について。 半年間の自身の振り返りのために必要なことなのかもしれませんが、その自己評価を提出してもらってフィードバッ