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お守りバトン

思えば、私の手作りお守り人生は、母から紡がれたものだった。

「できたよ〜」

そう言ってもらったお守りは、当時飼っていたハムスターをかたどった丸いフォルム。
背中には「全国出場」と真っ赤なステッチが、入っていた。
コンクールの時は、いつも胸ポケットに入れて、
舞台に上がっていたっけ。

吹奏楽の全国常連校へ進学した私は、ついに、お守り制作側の立場へ。

学年ごとに、パートの先輩へお守りを作るのが伝統で、毎年同期と相談しながらチクチク縫っていた。
フェルト、プラバン、樹脂粘土など、色んな素材で、毎年全国祈願のお守りをチクチク。

高校生の時は、体育祭の横断幕、ラグビー部の友達や、クラスメイトのお誕生日なんかにも、作っていた。
前の日にふと思いついて、寝ずに仕上げたっけ。

そして昨日、就活を頑張る親友のために、お守りを。
1針進めるたびに、彼女の言葉を思い出す。

「納得の行く企業に行くために、秋まで自分のペースで就活したいんだよね」

「明日の朝までにES仕上げないといけないのさ」

就活って、面接って、なんだか個人戦になりがち。

私だけは、どんな時もずっと隣にいるよって、
あなたの良い所、全部私が知ってるんだからねって、
こんなに頑張ってるんだから、絶対大丈夫だよって、

母から、先輩や後輩から貰った沢山のバトンを、
今、1番大切なあなたに、支えたいあなたに、託す。

就活頑張ってね。だいすき。

お母さんと一緒新キャラの「あーぷん」
顔の布は、母が私の新生児服を作った時のハギレ。

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