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味覚を鋭くするには、珈琲があった。


#私のコーヒー時間

今回はこちらのテーマを書かせていただきます。

私事ですが、数年前までバリスタをしていました。といってもすごいバリスタではなく、ごく一般的な、いや、下級バリスタ。豆や飲み方の知識、エスプレッソマシーンの使用、コーヒーを淹れることのできる、ラテアートができる、ニコニコ接客ができる人くらいな感じです。
二年ほど働いていまして、一年弱はほとんど見習い。ましてやブラックコーヒーは全く飲めず、スターバックスのホワイトモカばかりを飲んでいたほどなんです。でも、私が働いていたカフェは「スペシャルティコーヒー」を取り扱っていたところ。そのまま(ブラックで)飲むことができない、さらに接客も一度もしたことない、ビギナー中のビギナー。こんな私でも、やる気を見込んで雇っていただきました。

当時カフェ経営したい!と安易に考えていた時期でして。若さ故の、ってやつです。カフェのこと勉強したい、コーヒーやそのひと時を勉強したいという一心で一つ前の仕事を辞め、コーヒーの世界へ飛び込んだんです。

「念の為聞いておきますが、コーヒーは好きですか?」
「ラテはすごく好きです。ブラックもこれから飲めるようになります!」

「あなたの強みは何?」
「素直なところです!」

面接にて、上記のようなフランクなアンサーをしまくりましたが、愛嬌を認めてくださり、なんとかコーヒーの世界へ。なんと入ったお店は有名バリスタがいる珈琲店の支店だったんです。面接当時は全く知らず、すごい方から研修をしてもらい、指導を受けたりしました。
今までの私の「コーヒー」の概念を思いっきりひっくり返されたのも、この頃です。
余談ですが、エスプレッソの研修を受けた際に、シングルサイズのエスプレッソを8杯ほど飲み、夜中に目がギンギンになったことがありました。私の先輩は夜中寝ながら嘔吐したみたいです。うーん、私より先輩が面白いから悔しい!

表題の「味覚を鋭くするには」というところです。先ほど述べたように「私はかなりのお子ちゃま舌」でした。もちろん今となっては過去形で、現在は色んなものを食べ飲みできます。
もしかしたら味覚が鈍くなったから色んなものが食べ飲みできるようになった説もありますが、まあそこは置いておいて…

ブラックコーヒーなんて苦いだけ

と思っていたんです。そして苦いのは今でも苦いと感じます。ただ、どんな風味がするかを楽しんで飲めるようになったため、感じ方が変わりました。
例えばですが、ケニアのお豆。こちらの豆のコーヒーは私の中で「太陽みたいに元気な味。酸味があるけど、冷えるとちょっぴり大人っぽくなる。黄色とオレンジ、時々黄緑。」なんです。
ブラジルのお豆では「落ち着いていて、静かな雰囲気。ターコイズブルーをもっと濃くしたような深緑。」などなど。
私は芸術分野を学んできたせいか、色でものを例えることが多いです。もちろん国別での大きなイメージとなるので、またさらに品種の違いで味わいが変わってきます。

そして、哲学的(?)なお話。自分自身の体調、メンタルでかなり感じ方が変わっていました。おそらく、皆さんもそうだと思います。
大切な人と飲むコーヒーの味と、苦手な人と飲むコーヒーの味、全然違いますよね。そしてさらに大事なのは、ロケーション。BGMも然り、お店やお家の雰囲気。1つでも掛け算が違うと、全然違う味になるなと私は考えています。良し悪しは人それぞれで、感じ方も個人差があるのもまた面白いところ。

前の記事でも述べたように、自身の感じ方次第で変わることが多い中、最高の一杯を提供してくれるお店って、本当にすごい。誰一人として雑なものを出さないというプロの意識をひしひしと感じる。
おうち時間が増えた昨今、カフェでのコーヒー時間は、すごい掛け算でできているんだと私は思うんです。家で淹れるコーヒーも美味しいんですが、やっぱりあの空間や、味の提供はお店ならでは。私が住んでいる地域もカフェ激戦区と謳われておりますが、そういう掛け算を兼ね備えたお店はすごく多い。訪れるたび、飲むたび、味(色)が全く異なってくるんです。


話の収集はつかなくなりましたが、私のコーヒー時間は心の休憩。
そして「ああ、これはこんな色だ」と心の中で呟ける、セルフで納得する時間です。心、健康面の答えであり、私って今こうなんだってわかる時があるんです。
空も、キャンバスの上の絵も、同じ風合いを出すことは難しい。それと同じだなって。

要するに、
決して同じ時間なんてのはなく、微妙に違って、全部いい。ってことです。


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珈琲のこと、もうちょっとだけ知りたい方は下へどうぞ ↓
簡単にですが、概要まとめてます。

スペシャルティコーヒーなどについて学んだこと

・場所や標高の違いでランクが変わること。そして値段も大幅に変わります。
 下記画像、コーヒーピラミッドがわかりやすいです。
・豆にも浅煎り深煎り幅広くあり、日が経つにつれて味も変化する
かなーーーーり簡単にいうと豆一つにもこんな違いがあります。
飲み比べをするカッピングの大会や、焙煎の大会、スペシャルティの品評会などなど。え?あんな小さな豆ひとつでもそんなことあるの?
当時の私はポカーンを連発。まさに「( ゜Д゜)」こんな顔。

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エスプレッソ、ラテなどについて学んだこと

・所作ひとつで味が変わる(コーヒー全般)
・豆の状態を見極めないと、雑味が出たり、本来のパワーを出せない
などなど。
バリスタの振る舞いひとつで味が左右されるんです。順番を間違える、力加減を間違えるなど、何度も訂正していくと雑味につながるんです。要するに、スマートな動きがポイントです。
そして、私自身、豆は賞味期限を守ればいいなんて簡単に考えていたんです。焙煎した日から1日経っているものと、1週間経っているもので全然味が違うんです。エスプレッソマシーンに入れる豆の量を多くしたり、抽出時間を変えてみたり、試行錯誤する必要があるんです。そしてその味の良し悪しを決めるために、バリスタが調整しては飲み、調整しては飲みを繰り返す。お客さまへ最高の一杯を出すために、何度も調整します。


※初心者の思い出なので、知識に偏りがあります。
  詳しく知りたい方は、ぜひコーヒーの本などの購入をおすすめします。

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