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第7話☁︎TOMOSHOBIの夜
月曜日から金曜日と私は一生懸命働いた。
特に大した事がなく平和に終わった。平和に終わったというのは残業が今週はなかったという意味だ。
金曜の夜20時くらいにTOMOSHIBIにふらっと訪れるのがすきだ。
夜は22時くらいまでひっそりとお店をオープンさせている。(平日の夜はあまり人が入らない。)
「こんばんは〜」
野口さんとカフェの常連が座っていた。
「ビールで!」
「あら、おのはるちゃん、お久
第六話☁︎「はじめまして、隣人の…」
一人の女性が立っていた。扉を開くとジャージ姿ですっぴんで黒髪が胸辺りまで伸びていて、目がくりっとしていて、第一印象は「めっちゃかわいい」。
「あのお菓子とメッセージありがとうございます。401号室の小西あやめです」
おおー、今風な女性。
「あ、直接挨拶できなくてごめんなさい、小野寺春香です。3日前に引っ越してきたばかりで。」
「そうなんですね、どこから引っ越してきたんですか?」
「実は前
第5話☀︎「健康診断ー診察室にて」
診察の番が回ってきた。「小野寺さ〜ん」と名前を呼ばれて診察室に入った。
入室して椅子に座る。診察してくれるお医者さんは前の人のカルテを記入していた。あれ……と気づくことが一つ。そのお医者さんはさっき私がトイレに行く際にぶつかった人、先生だ! さっきは髪を下ろしていたけど今はオールバックになっていて、目元は一重で、うっすらと焼けた肌。先生が私の方を向く。
「あっ。」先生も気づいたようだ。
「先
第三話☁︎「ピンポン」
マンションに着いた。お隣のマンションを見ると電気がついていなかったから、まだ帰って何だろうと思った。明るい時に挨拶した方が、安心するかなと思って明日出勤前の時間帯に渡しにいくことにした。
月曜の朝、 8時35分に家をでて、お隣さんの玄関前に行く。あ〜やっぱりこのご時世挨拶なんてするべきなのか、ここまできたら一言だけいえばいいだけじゃん。金髪のギャルのお姉さんが出てきたどうしよう。人差し指でインタ
第二話☀︎「TOMOSHIBI」野口さん!
「いらっしゃい」と店主の野口さん。こじんまりしていて、お客さんはそこまで入らないからひとりで経営している。
「お久しぶりです! いつぶりにきたかな。」と話しかける私。
「今年に入ってから来てないよ。1年ぶりになるんじゃない」
「え!? そんな月日が流れたんですか?? 」
出されたメニューを見ると新ドリンクが追加されていた。「炭酸レモネード」これにした。
「そう、私、引っ越しをしたんです!
第一話☀︎「引越ししました」
春の日差しが気持ちいい日曜午後の三軒茶屋。
あ、どうも初めまして、今年で29歳になります、アラサーのおのはること小野寺遙です。先日約4年住んだアパートを去り、新しいマンションに引っ越しをした。前住んだ場所から徒歩3分の場所になる。エリアは三軒茶屋。
「え、引っ越しした意味あんの?」って会社の人にツッコまれたのですが、契約更新日が近づいていて、なんとなく部屋を変えたいのそれだけ。要するに気分転換的