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「裏を見る時にヒントになることは?」・・・視点を変えると見えてくるもの。



『世紀の対決。その裏側』


2019年公開の映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の中に
ちらりと広告看板が写っていた映画「トラ!トラ!トラ!」。
アメリカではヒットせず、日本では大ヒット。
子供だった私は、TVの映画劇場で前後編に分けて放送されるのをよく見ていた。

初めて「トラ!トラ!トラ!」を見た時、
誰もが知っている戦争でも、立場が違うと全く捉え方が違うという事を知った。
と同時に、映画も人によって見る所、好きな場面が違っていて、
子供心に「映画ってこんなに違う視点で見ることが出来るんだ」と思った。

例えばある友人は、アメリカで撮影した部分は良いが日本で撮ったものは嫌いだと言い、
別の友人は全く逆の事を言う。
その二人の間で私は、爆撃されて跳ね飛ばされた飛行機のプロペラの動きが好きだなどと、
彼らからすると非常に的外れな事を主張していた。
ガキの頃から変わり者だったのだ。

ところで、「トラ!トラ!トラ!」の撮影現場における黒澤明監督の降板劇は、日本映画史に残るスキャンダルとして知られているが、その裏側に迫るドキュメントブックが「黒澤明VSハリウッド」である。

映画にプライドを賭け、金銭に無頓着な天才がいる一方で、映画を儲けるチャンスと捉えて策謀を巡らす者がいる。

それぞれの視点を現存する契約書や手紙、お金の流れなどを追いながら追及していく手法はとてもスリリングである。
ドキュメントは、やはりお金の動きを追うことが重要だと再確認させられる。

映画に「監督交代劇と制作の裏側を感じながら見る」というもうひとつの見方を加えてくれるのがこの本です。

綿密な調査に裏付けられた制作秘話であり、時代性と監督の意気込みが伝わる、映画史の裏側を楽しむ映画ファン向けの一冊。

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ついでに、写真にあるもう一冊、「クロサワ」。
こちらの「クロサワ」という本は、こちらの本の内容は賛否が分かれ、物議をかもしたのですが、合わせて読んでみるのも良いかと思います。
当時黒沢監督が描いたというイメージボードが載っているのも貴重です。



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