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「私が見た未来 完全版」・・・予言書か?フェイクか?


「私が見た未来 完全版」たつき諒 著

実はこの本、注文したことをすっかり忘れていた。

今年7月に発売予定だったものが、直前になって延期。
その理由は「作者に成りすました人物が作者の知らないところで
復刊の話を進めていたから」・・・そんな都市伝説のような奇妙な話で一時話題になった。

そのおかげか、書店の店頭にはたくさんの「私が見た未来完全版」が
平積みになって、バンバン売れていた。

ご存知ない方のために、少しだけ解説すると、
この本のもとになった「私が見た未来」は1999年刊行。

作者が夢で見た内容を「予知夢」として漫画に描いたものだという内容で
既に廃刊になっていたが、最近になって、表紙に書かれた予知夢の文言が
「1999年出版の本が、東日本大震災を予言していた」と話題になり、
中古市場では10万円以上(14万円?)の値がついていたという。

それを作者が既に引退していたのを良いことに、全く関係ない人物が復刊の話を進め、復刊直前に本当の作者の耳に入り、急遽中止(延期)。

これをきっかけに、本当の作者が新たな「予知夢」を加筆・解説して完全版としたのが、今回発売された本である。

さて、手元の本を見てみると、確かに表紙には「大災害は2011年3月」と書かれている。

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その他、「ダイアナ妃の死(年違いだが月日は同じ)」や「富士山の噴火」などの予知夢の詳細について、当時見た内容の解説なども含めて書かれている。
この本を読んだ印象で、私が意外だなと思ったのは、作者のこの作品に対するスタンスである。

ネットでの盛り上がりに便乗して神秘性を高め、「ノストラダムスの大予言」ばりに煽ることも出来たであろうが、そこまでの商売っ気はあまり見えない。(もしかしたら、もう広告は十分と思ったのかもしれないけれど・・・)

作中に出てくる「予知夢」に関しても、いくつかは「後になって読者が意味付けしたもの」などと注釈し、読者の深読みや、こじつけだと作者が判断したものは、そのように正直に記している。
その上で「予知夢として見た」とはっきり確信している事柄もある。


一方で、作者自身が小さい時から色々と不思議な体験をしているようで、
その体験記としても怪談として読んでも面白い。

発売延期の末の「待ちかねた」本であったが、
発売前のネットの盛り上がり(なりすまし事件を含む)に対して、
それほど過剰に乗っかろうとはしていない。

それでも見方によっては、十分乗っかっている電波系コミックと言われるかもしれない。内容の真贋については、実際に手に取ってご自身で検証していただきたい、と思う。

まさに「信じるか信じないかは・・・」である。






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