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熊本が負う代償

TSMC熊本工場では台湾人と日本人に待遇差

経済産業省は、JASMだけで直接雇用1700人を含めた7500人の雇用効果があるとし、熊本県や九州に半導体関連産業の進出が相次げば、大きな雇用効果が見込めるとしている。

しかし、『DIAMOND ONLINE』によると、実際にTSMCが欲しい日本人人材は、作業員以下レベルだけなのではないかという。つまり、TSMCの熊本工場では、半導体産業の将来を担うハイスペックな人材ではなく、「安い労働力」としての人材の供給だけを期待されているのだ。

同記事内では、年収2000万円以上がTSMCで働く台湾人の平均的な年収であるが、日本人採用でそのレベルを超えることは難しいだろうと言及されている。

実際に、JASMが直接雇用する1700人のうち台湾のTSMCからの出向者約300人、ソニーからの出向者約200人である。新たに採用する日本人約1200人のうち1000人程度はアウトソーシング企業が供給するワーカー採用になるとみられ、相対的には低賃金労働者だ。

残された日本人枠の100〜200人は、新卒・中途採用でまかなうとしているが、採用される人材は英語で台湾人とコミュニケーションをとれるということを重要視されており、半導体産業への知見が重視されているわけではないという。

つまり、将来、日本の半導体産業に貢献できるような日本人が育つ見込みはほとんどない


次々と外国資本に売却される熊本の土地

『西日本新聞』によると、外国資本が日本国内で買収した森林の面積は、林野庁が調査・公表に乗り出した2010年から増え続け、21年までの累計が調査開始時点比4.2倍の2376haに達したことが分かったという。そして買収の動きは森林以外の不動産にも広がっている。

中国では土地の私有や企業・個人による土地の売買は認められていないため、富裕層は海外に不動産を所有し、国内の政治、経済的リスクに備える傾向がある。北京の不動産業界関係者によると、日本は「規制が緩く、制裁リスクの低い」ために、中国の富裕層の間では日本の不動産への関心が高まっているという。

熊本県においても、水前寺江津湖公園として整備された一帯、約1300平方メートルが約2億円で中国人に売却されている。一部では、地下水を汲み上げる目的なのではないかと危惧する声も上がった。

それが、今回のTSMCの工場誘致によって加速し、菊陽町の土地を求めて海外投資家からの問い合わせが急増しているという。菊陽町は土地バブルに沸いているが、この経済効果など日本人にとっては一時のものである。

中国資本の土地の爆買いによって地価や家賃が上がり、日本の若い世代が土地や不動産を購入することが不可能になるため、地域の日本人がどんどん減っていく現象が起こるだろう。そうなれば、町全体が中国化していくことになる。

「土地」が外資に取得されることは、日本の「領土」の侵害であり、国家の存続にかかわる。一度、売買契約が成立して所有権が移れば、何に利用するのか、どう開発するかは所有権者の自由だ。つまり、日本国内であるにも関わらず、どのように開発、利用されても、もはや手遅れ。文句は言えないのである。


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